レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2023/03/21 12:47
- 更新日時
- 2023/03/22 17:31
- 管理番号
- 北九2023折尾001
- 質問
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解決
茅葺屋根の家の側に積んでいる茅をみかけます。この積んでいる茅の名称を教えてください。
- 回答
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下記の資料を提供しました。
『茅葺きの民俗学』
『伝統技法で茅葺き小屋を建ててみた』
『広辞苑 第6版』
『大きな活字の新明解国語辞典 第7版』
『日本大百科全書 17』
- 回答プロセス
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まず最初に業務端末で「茅葺き」を検索しました。
『美山茅葺きの里』では積んでいる写真はありましたが名称はありませんでした。
『茅葺きの民俗学』ではニウ、ニュウ、茅ニュウ等とよばれていることがわかりました。茅にうの写真も載っていました。
『よみがえった茅葺きの家』では刈り取られたヨシをまとめて「寒晒し」している様子の写真がありましたが、名称はありませんでした。
『ニッポンの手仕事』にはススキを栽培する茅場に、刈ったススキを束ねて保存している様子が掲載されていましたが名称はありませんでした。
『伝統技法で茅葺き小屋を建ててみた』では、藁縄の仕事をしている人の記述に「この辺は、はざ(稲架)じゃなく、細い木に掛ける棒掛け。「穂にお」と言っている所もあります」とあり、乾燥方法により名称が違うことがわかりました。また穂におの写真も掲載されていました。
『茅葺き民家』では、稲の棒稲架の記述はありましたが、茅についての記述はありませんでした。
そして当館所蔵の辞典でニュウを調べてみました。
『広辞苑 第6版』で「ニュウ」を調べたところ、「にお」の説明のページに(東北・中部地方で)刈稲を円錐形に高く積み上げたもののこととありました。
『大きな活字の新明解国語辞典』と『大辞泉』でも「にお」で説明がありました。
『日本大百科全書 17』では「にお」は、刈った稲を円錐形に野外に積み上げたもので、「ニホ」が古い語で、ニオ、ミゴ、ニゴ、ニュウ、ニョウ、ノウ、ノオなど地方ごとに呼び名が違うことがわかりました。そして刈り稲以外に藁や柴の積み上げにその名は流用されてもいるとあり、稲以外でも使われていことがわかりました。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『茅葺きの民俗学 新版』 安藤 邦廣/著 はる書房 2017.9 , ISBN 978-4-89984-163-0 ((請求記号383.9/ア 資料番号0018203497 P43-44))
- 『伝統技法で茅葺き小屋を建ててみた』 原田 紀子/著 農山漁村文化協会 2008.9 , ISBN 978-4-540-08179-8 ((請求記号524.5/ハ 資料番号0510204118 P148,150))
- 『広辞苑 第6版』 新村 出/編 岩波書店 2008.1 , ISBN 978-4-00-080121-8 ((当館請求記号R813.1/シ 当館資料番号1810381721 P2119))
- 『大きな活字の新明解国語辞典 第7版』 山田 忠雄/編 柴田 武/編 三省堂 2012.3 , ISBN 978-4-385-13116-0 ((当館請求記号R813.1/オ 当館資料番号1810471175 P1141))
- 『大辞泉 下巻 第2版』 松村 明/監修 小学館大辞泉編集部/編集 小学館 2012.11 ((当館請求記号R813.1/シ/2 当館資料番号1810471209 P2729))
- 『日本大百科全書 17』 小学館 1987.9 , ISBN 4-09-526017-3 ((当館請求記号R031/ニ/17 当館資料番号1810091346 P664))
- キーワード
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- 茅葺き
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000330792