レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年06月01日
- 登録日時
- 2021/08/20 18:17
- 更新日時
- 2021/08/20 18:32
- 管理番号
- 千県東-2021-0007
- 質問
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解決
芥川龍之介の『沙羅の木』が読みたい。
- 回答
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芥川龍之介による「沙羅の木」は見つからず、利用者に「沙羅の花」ではないか確認したところ、内容からそちらであった。
以下の資料を提供した。
【資料4】『芥川龍之介全集 第7巻 小説 随筆 7』に収録されている「澄江堂雜詠」の一部として「沙羅の花」が掲載されている。
- 回答プロセス
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当館蔵書検索を「書名:沙羅の木」で検索すると、森鴎外の詩集はヒットするが、芥川龍之介の作品はヒットしない。
「NDL ONLINE」(https://ndlonline.ndl.go.jp/)を「キーワード:芥川龍之介 沙羅の木」で検索するが、芥川龍之介の『沙羅の木』はヒットしない。
『芥川龍之介大辞典』(志村有弘編 勉誠出版 2002)索引に「沙羅の木」なし。「沙羅の花」はあるが、独立した項目ではない。p59「改造社」の項によると、同社から大正11年8月に『沙羅の花』が出版されている。
『芥川龍之介新辞典』(関口安義編 翰林書房 2003)索引に「沙羅の木」なし。『沙羅の花』はあるが、やはり独立した項目ではない。
再度「NDL ONLINE」を「キーワード:芥川龍之介 沙羅の花」で検索すると、作品集【資料1】『沙羅の花』以外にも、【資料2】『芥川竜之介全集 第7巻』他に収録された「沙羅の花」(大正14年5月)と題された随筆も見つかった。書き出しが「沙羅木は植物園にもあるべし。」となっている。
当館OPACでも改めて「書名:沙羅の花」で検索すると、全集に『沙羅の花自序』が収録されているものがヒットしたが、随筆「沙羅の花」はヒットしなかった。
「Google」で「芥川龍之介 沙羅の花」で検索すると、【資料3】「沙羅の花 芥川龍之介」というページがヒットした。「全集では「澄江堂雜詠」の題で、その最後に「六 沙羅の花」として所載しているものである。「澄江堂雜詠」は大正十四(1925)年六月一日発行の雑誌『新潮』に掲載されたもの」とある。
当館蔵書検索を「全項目:澄江堂雜詠」で検索すると、【資料4】『芥川龍之介全集 第7巻 小説 随筆 7』p332に「澄江堂雜詠」があり、「六 沙羅の花」として、短い随筆が掲載されている。
利用者に『沙羅の木』ではなく、『沙羅の花』ではないかを確認したところ、「沙羅木は」で始まるということなので、『沙羅の花』であり、短い随筆の方が掲載されている資料を提供した。
(インターネット最終アクセス:2021年7月23日)
- 事前調査事項
- NDC
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- 評論.エッセイ.随筆 (914 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『沙羅の花』(改造社 1922)(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/977810)
- 【資料2】『芥川竜之介全集 第7巻』(岩波書店 1935)(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1223291)
- 【資料3】「沙羅の花 芥川龍之介」(http://yab.o.oo7.jp/saranohana.html)
- 【資料4】『芥川龍之介全集 第7巻 小説 随筆 7』(芥川龍之介著 岩波書店 1978)(2100570644)
- キーワード
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- 芥川 龍之介(アクタガワ リュウノスケ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000303418