レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/12/07
- 登録日時
- 2024/01/20 00:30
- 更新日時
- 2024/01/20 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-230178
- 質問
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解決
「仙台すごろく オリハ」とのタイトルで、簡単な双六盤の図とルールを記した紙片が手元にある。この「仙台すごろく オリハ」について、実際に遊ばれていた時期やどんな人が遊んでいたのか、また遊ばれなくなった理由などが知りたい。
- 回答
-
1 「オリハ」について
下記資料に記載がありました。※【 】内は当館請求記号です。
資料1 鈴木省三著『仙台風俗志』雨香園, 1937年【K382/ス1/1】
pp.88-89「四季の部」-「正月」-「游戯類 あそひもののたぐひ」の項
「歌かるた取・羽子突・雙五六・凧あげ・手鞠つきなとありて今日も尚行はれつゝあれとも雙五六は二樣とも今は全く廢れたり 此の二樣の中、双五六盤を用る方を仙臺にては「オリハ」〈何れの文字を書するやら明かならず他國にてはすごろくといふ〉といふ(後略)」(〈 〉内は割注部分)とあり、以下遊び方に関する説明と、「雙五六盤駒を排列したる圖」と説明がある図が掲載されています。
なお、上記資料は「国立国会図書館デジタルコレクション」でインターネット公開されています。
URL: https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1462752 (以下最終アクセス日:2023年11月29日)
※該当コマは61コマ目です。
2 また、旧仙台領・宮城県との関連については記述がありませんが、双六の遊び方の一種である「おりは」(折葉・折端・折羽・下端などとも表記される)について記述がある資料として下記がありましたので参考までにお知らせします。
資料2 西沢仙湖著『仙湖随筆』(芋蔓草紙 ; 第3編), 坂本書店, 1927年【380.4/ニ1】
pp.89-131「雙六考」のうち、pp.119-124「八、折端」の項
「折葉、下端などゝも書く。中古よりありたると覺しく(一説に足利時代の末頃より始まるといふ)其法は雙六よりも簡単なれば、後には多く婦女幼童などのすさびにのみ行はれ、徳川時代の末に至りて、雙六は廢れたれど、これのみは尚盛なりき。(後略)」とあり、「折端」の遊び方に関する簡単な記述があります。
なお、上記「雙六考」は『仙湖遺稿集』 (西沢木槿庵, 1920年) にも収録されており、「国立国会図書館デジタルコレクション」でインターネット公開されています。
URL: https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/927118
※該当コマは103コマ目から105コマ目です。
資料3 増川宏一著『すごろく』1, (ものと人間の文化史 ; 79-1), 法政大学出版局, 1995年【384.8/1995.7/1】
pp.227-268「第7章」、並びにpp.269-294「第8章」に「おりは」に関する記述が散見されます。一部を引用します。
p.284「(前略)戯作者柳亭種彦(天保一三年・一八四二没・六〇歳)が晩年に記した『柳亭記』には、「廃れし遊びは雙六なり。予おさなき頃雙六をうつ者百人に一人なり、されど下《お》り端《は》を知らざる童なかりしが、近年それも廃れり」と記している。(後略)」 ※《 》内はふりがなです。
p.288「(前略)明治一二年(一八七九)頃に旧長岡藩士小川当知が記した『越後長岡年中行事懐旧歳記』に、/二十日正月とて佳節なり……是迄子供遊びは、双六・折羽・歌かるた・羽子等也。町家にても、花あわせ・宝引、其外色々あるよしなれども、正月遊びは今日を以て限とす。/と述べている。(後略)」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会.家庭生活の習俗 (384 9版)
- 参考資料
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- 鈴木/省三∥著. 仙台風俗志. 雨香園, 1937【K382/ス1/1】:
- 西沢仙湖/著. 仙湖随筆. 坂本書店, 1927【380.4/ニ1】:
- 増川 宏一/著. すごろく 1. 法政大学出版局, 1995.7【384.8/1995.7/1】:
- キーワード
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- 盤双六
- バックギャモン
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000344959