レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年07月20日
- 登録日時
- 2023/12/13 20:32
- 更新日時
- 2024/02/05 14:45
- 管理番号
- 中央-1-0021691
- 質問
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解決
尋常小学国語読本の第七巻に「笑話」が掲載されている。この当時の国語教科書になぜ「笑話」が掲載されていたのか、「笑話」を通して何を教えようとしていたのか、「笑話」、笑いという文化が当時の国語教科書においてどのような位置づけになっていたのかを調べている。編纂趣意書は調べたので、他に文献、情報等あれば教えて欲しい。
- 回答
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回答プロセス中〇と、参考に△を付けた資料について紹介した。
- 回答プロセス
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●所蔵資料を書架で検索する。
△『近代日本の教科書のあゆみ-明治期から現代まで-』滋賀大学附属図書館/編著 サンライズ出版 2006年
p22-29「国語教科書」 国定教科書1~5期それぞれの特徴などが書かれている。「笑話」に関する記述はないが参考になると思われる。
笑いに関する資料
△『笑いの哲学』木村覚/著 講談社 2020年
△『笑い/その異常と正常』志水彰/著 勁草書房 2000年
△『笑いの力』河合隼雄/著 養老孟司/著 筒井康隆/著 岩波書店 2005年
教育関連の参考本
△『西尾実国語教育全集 第7巻 国語教育実践への指標』西尾実/著 岩淵悦太郎/[ほか]編纂委員 教育出版 1975年
△『教育博物館-伝承と日本人の形成-解説』唐沢富太郎/著 ぎょうせい 1977年
p350-353 国定教科書について書かれているが、笑話についてはなし。
△『日本近代教育史事典』日本近代教育史事典編集委員会/編 平凡社 1971年
p284-299「国語教育」笑話に関する記述なし。
●上記の『近代日本の教科書のあゆみ』の中に出てくる参考資料を含め、国立国会デジタルコレクションやインターネットで検索する。
質問には「笑話」とあるが、事前調査事項にある長島平洋の論文中には「一口ばなし」「お話二つ」「笑ひ話」などの具体的なタイトルがあがっているので、そのキーワードでも調べてみる。
【所蔵資料】
〇『教科書の歴史-教科書と日本人の形成-』唐沢富太郎/著 創文社 1956年
p288 二期国定教科書成立の背景
p296「ハタ タコ コマ」の国語読本
笑話についての記述はないが、第二期の教科書の構成について参考になると思われる。
【国立国会図書館デジタルコレクションの資料(最終確認日は全て2023.12.17)】
〇『新教育と国定教科書 (新教育叢書 ; 第2編)』峯地光重/著 聚芳閣 大正15年(1926年)
(https://dl.ndl.go.jp/pid/938051 ログインなしで閲覧可能)
156-157コマ(p297-298)「十七 一口ばなし」著者による簡単な解説あり。
〇『国語教育と児童文学 (現代教育主要問題叢書 ; 第6編)』丸山林平/著 南光社 大正14年(1925年)
(https://dl.ndl.go.jp/pid/937958 ログインなしで閲覧可能)
47-48コマ(p83-85)「滑稽物語」
国語読本に出てくる滑稽物語について調査した記録。各物語について、好きな児童数、嫌いな児童数、その理由があげられている。
×『初等教育国語教科書発達史』秋田喜三郎/著 文化評論出版 1943年
(https://dl.ndl.go.jp/pid/12130480 図書館・個人送信限定)
ざっと目を通したが、笑話についての記述は見つからない。
×『国語読本の縦断的研究』秋田喜三郎/著 東洋図書 大正14年(1925年)
(https://dl.ndl.go.jp/pid/920684 ログインなしで閲覧可能)
×『国定教科書内容索引 : 国定教科書内容の変遷 尋常科修身・国語・唱歌篇』国立教育研究所附属教育図書館/編 広池学園出版部 1966年
(https://dl.ndl.go.jp/pid/9545269 図書館・個人送信限定)
内容索引のため、具体的な解説なし。
×『国語読本の研究 : 佐藤徳市遺稿集』佐藤徳市/著 宝文堂 1984年
(https://dl.ndl.go.jp/pid/12164505 図書館・個人送信限定)
ざっと目を通したが、笑話についての記述は見つからない。
〇『形式の解説を主としたる最新国語教授日案 国語読本 教師用巻5』国民教育研究会/編 東京出版社 大正7-12年(1918-1923年)
(https://dl.ndl.go.jp/pid/938385/ ログインなしで閲覧可能)
75-76コマ(p137-139)「十二 一口話(一時間)」「要旨 笑話の趣味を味はしめるのが目的である。」と書かれている。
また「取扱上の要点」に笑話の説明あり。
〇『形式の解説を主としたる最新国語教授日案 国語読本 教師用巻6』国民教育研究会/編 東京出版社 大正7-12年(1918-1923年)
(https://dl.ndl.go.jp/pid/938386/ ログインなしで閲覧可能)
87-89コマ(p144-149)「第十二 笑ひ話(二時間)」
89コマ(p148)に「怒ることより笑ふことは複雑な分子を含んでゐる。笑ひにも種々ある。(以下略)」など、笑いについて、笑いが児童に与える影響などについて書かれている。
×『西尾実国語教育全集 第7巻 国語教育実践への指標』西尾実/著 岩淵悦太郎/[ほか]編纂委員 教育出版 1975年
【次世代デジタルライブラリー(https://lab.ndl.go.jp/dl/)の資料(最終確認日は全て2023.12.17)】
〇『国語読本各課取扱の着眼点 尋常科 第3学年』芦田恵之助/著 1928年 蘆田書店
(https://lab.ndl.go.jp/dl/book/1101325?page=34&keyword= ダウンロード可)
33-34コマ(59-61ページ)「十二 一口話(一時間)」この笑い話が何を風刺しているのかなどを解説。
- 事前調査事項
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尋常小学国語読本 第三期、第四期は手元にある。
また、長島平洋「日本のジョーク : 福沢諭吉「開口笑話」と尋常小学国語読本」『笑い学研究』7巻 p19-33 2000年 は把握をしている。
『笑いの世紀-日本笑い学会の15年-』日本笑い学会/編 創元社 2009年 も借りている。
- NDC
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- 教育課程.学習指導.教科別教育 (375)
- 参考資料
- キーワード
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- 笑話
- 国語読本
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000343419