レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20220928
- 登録日時
- 2024/03/27 00:30
- 更新日時
- 2024/03/27 18:20
- 管理番号
- 中央-2023-36
- 質問
-
解決
江戸時代後期の北方探検家・最上徳内(もがみとくない)が、どんな人物か知りたい。また、最上徳内の著書『論語彝訓』(ろんごいくん)について、何か情報がないか。
- 回答
-
最上徳内に関する資料が複数ヒットしたため、調べ方を中心に案内した。以下、旧字は新字に改めて記載している。
1 辞・事典類を調べる
まずは辞・事典類を参照し、概要を掴むことが有用である。一般的な辞・事典類の他に、人物辞・事典類を紹介。人物辞・事典類は、都立図書館蔵書検索を件名<人名辞典 日本>やタイトルを<人名 日本 じてん>等で検索すると、関連資料がヒットする。
以下の資料等に、最上徳内の情報が掲載されている。ただし、『論語彝訓』に関する詳細な説明はない。
資料1 『日本大百科全書 22 ませ-もぬ』
p.832「最上徳内 もがみとくない」(船津功)に記載あり。参考文献として、資料4が掲載されている。
なお、この項は「コトバンク」にてインターネット公開されている。
https://kotobank.jp/word/最上徳内-142166#w-1600648
資料2 『国史大辞典 13 ま-も』
p.809「もがみとくない 最上徳内」(榎森進)に記載あり。著書の一つとして『論語彝訓』の名前が挙げられている。参考文献が複数掲載されている。
資料3 『日本人名大事典 第6巻 マテ-ワ』
p.218-219「モガミトクナイ 最上徳内(一七五四-一八三六)」(森谷秀亮)に記載あり。
(国立国会図書館デジタルコレクション 国立国会図書館内/図書館・個人送信限定公開 https://dl.ndl.go.jp/pid/12190640 該当箇所のコマ番号:114)
また、当館のウェブサイトでは、人物情報を調べる際に有用な人物事典類の一部を紹介している。
・「テーマ別調べ方案内 知っていると便利」(東京都立図書館)
https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/search/tips/investigation/index.html
ページ内の「人物情報を探すには」から、PDFファイルを閲覧できる。
他に、都立図書館で契約している、以下のオンラインデータベースを検索することも有用である。
情報1 「ジャパンナレッジ Lib」(ネットアドバンス)
様々な辞・事典類を横断検索できるオンラインデータベース。キーワード<最上徳内>で検索すると、『日本大百科全書』等に掲載されている内容を確認できる。
情報2 「WhoPlus(フー・プラス)」(日外アソシエーツ)
人物情報(プロフィール、著書、人物文献(伝記類)等)や、その人物が掲載されている人物事典類を調べられるオンラインデータベース。キーワード<最上徳内>で検索すると、人物情報を見られるほか、最上徳内が項として掲載されている辞・事典類のタイトルを確認できる。
2 伝記・評伝を調べる
最上徳内を取り上げた伝記・評伝等を探すことも有用である。
例えば、都立図書館蔵書検索を件名やキーワード<最上徳内>で検索すると、以下のような資料がヒットする。
資料4 『最上徳内』(人物叢書)
p.207-215「第九 主要著述 三 『論語彝訓』の著述」で、『論語彝訓』について詳しく説明している。
資料5 『日本人物誌選集 第13巻 学芸史上の人々・書国畸人伝』
二見書房から1943年に刊行された『学芸史上の人々』(森銑三著)を収録している。
『学芸史上の人々』に、p.3-76「最上徳内」の章がある。そのうち、p.61-64の二十八、二十九の項で『論語彝訓』について触れている。
『学芸史上の人々』(森銑三著 二見書房 1943)は、国立国会図書館デジタルコレクションにて国立国会図書館内/図書館・個人送信限定で公開されている。
(国立国会図書館デジタルコレクション 国立国会図書館内/図書館・個人送信限定公開 https://dl.ndl.go.jp/pid/1042946 該当箇所のコマ番号:10-47)
3 地方史・誌類を調べる
特定の人物について調べる場合は、出身地や活躍した地域の地方史・誌類やその地域に関する資料を調べることも有用である。
都立図書館のウェブサイトでは、地方史を調べる際の参考情報等を紹介している。
情報3 「地方史について調べる|テーマ別調べ方案内」(東京都立図書館)
https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/search/research_guide/local_history/index.html
「東京都立中央図書館所蔵 都道府県史一覧」等をリストで紹介している。
他に、例えば都立図書館蔵書検索を件名<山形県>、資料分類<212:日本史 東北地方>を掛け合わせて検索すると、最上徳内の出身地である山形県に関する資料(特に、歴史に関する資料)がヒットする。
以下の資料等に、最上徳内の情報が掲載されている。
資料6 『村山市史 近世編』
p.655-678「第六章 江戸時代の文化 第三節 北方探検家 最上徳内」の項がある。
主な参考文献として、資料4と次の資料7を挙げている。
(国立国会図書館デジタルコレクション 国立国会図書館内/図書館・個人送信限定公開 https://dl.ndl.go.jp/pid/9572192 該当箇所のコマ番号:347-359)
資料7 『蝦夷草紙』
p.232-281「解説 二 最上徳内略伝」(吉田常吉)
資料6の参考文献として挙げられていた資料。詳細な説明はないが、『論語彝訓』の名前が出てくる箇所もある。(p.278など)
(国立国会図書館デジタルコレクション 国立国会図書館内/図書館・個人送信限定公開 https://dl.ndl.go.jp/pid/3006491 該当箇所のコマ番号:122-146)
資料8 『ふるさとの人と知恵 山形』(全国の伝承江戸時代人づくり風土記 聞き書きによる知恵シリーズ 6)
p.314-323「第五章 地域おこしに尽くした先駆者 6 最上徳内 蝦夷地探検の先駆者(村山)」(滝田勉)の項がある。
4 雑誌論文・記事を調べる
雑誌論文・記事を探す場合は、以下のようなデータベースを利用することが有用である。
基本的には書誌情報のみが掲載されているが、一部の記事はインターネット上で本文を確認できる。
情報4 「CiNii Research」(国立情報学研究所)https://cir.nii.ac.jp/
日本の論文・研究データ等や、大学図書館で所蔵している本を横断検索できる。
キーワード<最上徳内>や<論語彝訓>で検索すると、例えば以下のような雑誌論文・記事がヒットする。
資料9 雑誌『東方』393号(2013年11月)
p.2-7「稲川余燼 最上徳内『論語彝訓』への山梨稲川の序文」(堀池信夫)で、『論語彝訓』について触れている部分がある。
また、都立図書館で契約している、雑誌論文・記事を検索できるオンラインデータベース「MagazinePlus」「雑誌記事索引集成データベース ざっさくプラス」等を利用することも有用である。
5 その他の参考情報
情報5 「刊行物|山形大学附属博物館」(山形大学附属博物館)
http://museum.yamagata-u.ac.jp/issue.html
山形大学附属博物館の発行する刊行物のうち、『古文書史料目録』第11号(当時のタイトルは『古文書近世史料目録』)に、最上徳内に関する記述がある。PDFファイルで本文を閲覧できる。
●『古文書近世史料目録』第11号 1978.7 山形大学附属博物館
最上徳内研究家の皆川新作が調査・研究・収集した史料を寄贈され、整理した山形大学附属博物館の所蔵目録。p.15-16に、『論語彝訓』に関する説明がある。
情報6 「論語彝訓(ろんごいくん)|国書データベース」(国文学研究資料館)
https://kokusho.nijl.ac.jp/work/1855761
『論語彝訓』24巻のうち、巻之首のデジタル化資料がインターネット公開されている。
他には、ある特定の地域等について調べる場合、その地域の図書館等のウェブサイトを確認することが有用である。
その地域の図書館等で、都立図書館にない資料を見られる場合もある。山形県に関する情報であれば、以下のようなものがある。
情報7 「山形県関係文献目録」(山形県立図書館)
https://www.lib.pref.yamagata.jp/やまがたの情報/山形県関係文献目録
山形県に関する事物や出来事について特色のある主題(件名)、また山形県に関係ある人物の解説を付し、それらについての文献を図書及び雑誌の中から採録している。
ページ下部の「山形県関係文献目録」のリンクをクリックすると「ジャンル検索」という画面に遷移する。「文献目録50音リスト(人物編)」から最上徳内のページを見ると、人物情報の他に著書や最上徳内について書かれた資料等が挙げられている。
情報8 「最上徳内記念館」(山形県村山市)
https://www.city.murayama.lg.jp/kurashi/gakko/bunka/mogamitokunai.html
山形県村山市にある最上徳内記念館の紹介ページ。利用案内や展示情報の他に、最上徳内の略歴も掲載されている。
【調査に使用したデータベース類】(都立図書館で契約しているデータベース類には*を付す。)
・国立国会図書館サーチ(国立国会図書館)https://ndlsearch.ndl.go.jp/
・リサーチ・ナビ(国立国会図書館)https://ndlsearch.ndl.go.jp/rnavi
・CiNii Research(国立情報学研究所)https://cir.nii.ac.jp/
・Google Books(Google)https://books.google.co.jp/
・ジャパンナレッジ Lib(ネットアドバンス)*
・WhoPlus(フー・プラス)(日外アソシエーツ)*
・雑誌記事索引集成データベース ざっさくプラス(皓星社)*
・MagazinePlus(マガジンプラス)(日外アソシエーツ)*
以上、インターネット情報の最終検索日及び最終アクセス日は2024年3月13日。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本 (281 10版)
- 経書 (123 10版)
- 参考資料
-
- 【資料1】日本大百科全書 22 ませ-もぬ / 小学館 / 1988.7 <DR/0310/38/22E> (p.832)
- 【資料2】国史大辞典 13 ま-も / 国史大辞典編集委員会/編 / 吉川弘文館 / 1992.4 <R/210.03/32/13> (p.809)
- 【資料3】日本人名大事典 第6巻 マテ-ワ / 平凡社 / 1979.7 <R/2813/115/6> (p.218-219)
- 【資料4】最上徳内(人物叢書) / 島谷良吉/著, 日本歴史学会/編集 / 吉川弘文館 / 1977 <2891/モ18/2> (p.207-215)
- 【資料5】日本人物誌選集 第13巻 学芸史上の人々・書国畸人伝 / 復刻 / 森銑三, 岡野他家夫/著 紀田 順一郎/監修・解説 / クレス出版 / 2008.2 <281.08/5029/13> , ISBN 978-4-87733-415-4 (p.3-76)
- 【資料6】村山市史 近世編 / 村山市史編さん委員会/編さん / 村山市 / 1994 <212.5/436/1-2> (p.655-678)
- 【資料7】蝦夷草紙(時事新書) / 最上徳内/著, 吉田常吉/編 / 時事通信社 / 1966 <2911/M746/E> (p.232-281)
- 【資料8】ふるさとの人と知恵 山形(全国の伝承江戸時代人づくり風土記 聞き書きによる知恵シリーズ 6) / 加藤秀俊[ほか]/編纂 牧野昇[ほか]/監修 / 農山漁村文化協会 / 1991.2 <2150/3008/6> (p.314-323)
- 【資料9】雑誌:東方 393号(2013年11月) / 東方書店 <7102985398> (p.2-7)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000348059