レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20220724
- 登録日時
- 2023/01/12 00:30
- 更新日時
- 2023/04/05 18:03
- 管理番号
- 0401004608
- 質問
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解決
『維摩経』に出てくる語句の意味を知りたい。
①「不以為喜、不貪、不高。若見一切不浄仏土。不以為憂、不礙、不没」に出てくる「不以為」
②「即於是処都無可説」に出てくる「都」
- 回答
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参考資料を紹介した。
①該当箇所は『維摩経』菩薩行品第十一にある。
国立国会図書館デジタルコレクション『大正新修大蔵経』288コマでは、返り点が付いた原文を見ることができる。『新国訳大蔵経』p.81には書き下し文として、「以って喜と為さず、貧らず、高ぶらず。(中略)以って憂いと為さず、礙(とどこお)らず、没せず」の記載があった。『現代語訳大乗仏典』p.245には現代語訳として「特に喜ぶことなく、貪らず、高ぶらない。(中略)特に憂えることなく、さわりなく、心も沈まない」の記載があったため、この箇所を紹介した。
②該当箇所は玄奘(げんじょう)訳『説無垢称経(せつむくしょうきょう)』にのみ書かれている文章である。
『新国訳大蔵経』『現代語訳大乗仏典』では鳩摩羅什(くまらじゅう)『維摩詰所説経』を定本としているため、該当箇所の記述はない。注として該当箇所の文言が紹介されており、その出典は『説無垢称経』となっている。『説無垢称経』を底本とした現代語訳の資料を探したが、見つけることができなかった。
国立国会図書館デジタルコレクション『大正新修大蔵経』291コマでは、返り点が付いた原典を見ることができる。『大正新修大蔵経』によると、返り点は「即於(二点)是処(一点)都無(レ点)可(レ点)説」となっていた。そこで「都」という字について意味を調べたところ、『全訳漢辞海』に「副詞 すべて、みな、まとめて・下に打消しの語を伴う場合は完全に、まったく」との記載があったため、この箇所を紹介した。
▶国立国会図書館デジタルコレクション 『大正新修大蔵経』永続的識別子:info:ndljp/pid/3434908(最終確認2023/3/2)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 経典 (183)
- 参考資料
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- 新国訳大蔵経 文殊経典部2,大蔵出版,1993.5 (0117992040|/183/シ/9-2)
- 現代語訳大乗仏典 3,中村 元/[著],東京書籍,2003.6 (0117889535|/183/ナ/3)
- 全訳漢辞海,戸川 芳郎/監修,三省堂,2017.1 (p.1467 都|0141619502|R/813.2/ト/)
- キーワード
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- 大蔵経
- 維摩経
- 説無垢称経
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000327011