レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/11/23
- 登録日時
- 2015/01/21 18:46
- 更新日時
- 2015/03/13 13:55
- 管理番号
- 埼久-2014-138
- 質問
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解決
アイルランドの昔話で、人間の女が妖精の世界へ嫁に行き、戻ってきたら何年か(100年ほど)経ってしまっていた。その後もう一度妖精の国へ帰るお話の出典を知りたい。
- 回答
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以下の資料に質問のあらすじとほぼ同一内容のお話が収録されていたため、これを紹介した。
『妖精のおよめさん』(アリスン・アトリー作 三保みずえ訳 評論社 1987)
『西風のくれた鍵』(アリソン・アトリー作 石井桃子訳 岩波書店 1996)
- 回答プロセス
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質問者の記憶する内容と類似のみられるお話
1 最後に再び妖精界へ戻る
『妖精事典』(キャサリン・ブリッグズ編著 平野敬一〔ほか〕共訳 富山房 1992)
p29 詩人トマス 詩人・予言者として名高い。妖精界の女王に恋い慕われ連れ去られる。
一度人間世界へ戻されるが、再び妖精界へ導かれ二度と戻らなかった。
『怖くて不思議なスコットランド妖精物語』(出口保夫監訳 PHP研究所 1999)
p151 真実の詩人トマス
『オクスフォード世界の民話と伝説 2 イギリス編』(講談社 1978)
p131 詩人トマスの話
トマスは女性ではなく、人間と妖精の世界で時間のズレはない。
2 妖精界と人間の世界での時間経過のずれ
『中世ヨーロッパの説話 東と西の出会い』(松原秀一著 中央公論社 1992)
p17 西洋浦島 「浦島と同様に仙境に数日を過して戻ってくると、長い年月が経ってしまっていたという、リップ・ヴァン・ウィンクルの話がアメリカにある」とあり。お話本文の記載は無し。
アイルランドのお話ではなく、主人公も女性ではない。時間のずれは20年。
『妖精Who’s who』(キャサリン・ブリッグズ著 井村君江訳 筑摩書房 1990)
p188 ヘルラ王 古代ブリトンの有力な王であるヘルラ王が、ピグミー王の結婚を祝うため妖精の国を訪問し三日間過す。そして、元の世界に返ると200年が経過していた。馬から降りると、長い年月の重みで塵になってしまうため、ヘルラ王たちは今も馬から降りられず、駆け続けているという。
イギリスの話だが、主人公は女性ではない。再び妖精界へ戻ることはない。
そのほかの調査済み資料
(1)研究書
『アイルランドの怪奇民話 世界の怪奇民話8』(W.B.イェイツ編 西山清訳 評論社 1985)
『アイルランドの民話』(ヘンリー・グラッシー編 大沢正佳訳 青土社 1994)
『アイルランドの民話と伝説』(三宅忠明著 大修館書店 1978)
『イギリス民話集』(河野一郎編訳 岩波書店 1991)
『イギリスの妖精 フォークロアと文学』(キャサリン・ブリッグズ著 石井美樹子訳 筑摩書房 1991)
『イギリス・妖精めぐり はじめての出会い』(井村君江著 同文書院 1993)
『イングランド童話集 スコットランド童話集/アイルランド童話集』(福原麟太郎訳 フレア 1996)
『オクスフォード世界の民話と伝説 1 イギリス編』(講談社 1978)
『グリムが案内するケルトの妖精たちの世界 上・下』(トマス・C.クローカー編 藤川芳朗訳 草思社 2001)
『ケルト幻想民話集』(小辻梅子訳編 社会思想社 1993)
『ケルト幻想物語』(W.B.イエイツ編 井村君江編訳 筑摩書房 1987)
『ケルト幻想物語集 3 アイルランドの妖精譚』(W.B.イエイツ著 井村君江訳 月刊ペン社 1978)
『ケルトの薄明』(W.B.イエイツ著 井村君江訳 筑摩書房 1993)
『ケルトの妖精』(井村君江著 あんず堂 1996)
『ケルト魔法民話集』(小辻梅子訳編 社会思想社 1995)
『ケルト民話集』(フィオナ・マクラウド著 荒俣宏訳 筑摩書房 1991)
『ケルト妖精学』(井村君江〔著〕 講談社 1996)
『ケルト妖精民話集』(J.ジェイコブズ編 小辻梅子訳編 社会思想社 1992)
『ケルト妖精物語』(W・B・イエイツ編 井村君江編訳 筑摩書房 1986)
『スコットランド民話集 世界の果ての井戸』(ノラ・モンゴメリー編著 ウィリアム・モンゴメリー編著 朝日出版社 2013)
『世界の民話 6 イギリス』(小沢俊夫編 ぎょうせい 1981)
『世界昔ばなし 上 ヨーロッパ』(日本民話の会編訳 講談社 1991)
『世界昔話ハンドブック』(稲田浩二〔ほか〕編 三省堂 2004)
『隊を組んで歩く妖精達 其他 アイルランド童話集』(イエイツ編 山宮允訳 岩波書店 1935)
『妖精たちの物語 ヴィジュアル版』(ビアトリス・フィルポッツ著 井辻朱美監訳 原書房 2000)
(2)一般書
『アイルランドのむかしばなし 福音館の世界むかしばなし 4』(バージニア・ハビランド再話 まさきるりこ訳 福音館書店 1967)
『子どもに語るアイルランドの昔話』(渡辺洋子、茨木啓子編訳 こぐま社 1999)
『子どもに聞かせる世界の民話』(矢崎源九郎編 実業之日本社 1964)
『妖精にさらわれた男の子 アイルランドの昔話』(W.B.イェイツ作 N.フィリップ編 岩波書店 1999)
大人向けのおはなし会で聞いたとの追加情報から、開催図書館に問い合わせるが、該当なし。
当館おはなし会ボランティアの方から作者は「ジョーン・エイキン」ではとの情報あり。
自館資料のうちエイキンの著作を調べるが該当なし。
昔話ではなく、創作の可能性があるため、《Google》を〈妖精 & ヨメ & エイキン〉で検索する。(https://www.google.co.jp/ Google 2014/11/24最終確認)
《私的 児童文学作家事典〔海外編〕》(個人サイト 2014/11/24最終確認)
『妖精のおよめさん』(アリスン・アトリー作 三保みずえ訳 評論社 1987)が該当する。
同作品が『西風のくれた鍵』(アリソン・アトリー作 石井桃子訳 岩波書店 1996)に「妖精の花嫁ポリー」として収録あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 小説.物語 (933 9版)
- 参考資料
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- 『妖精のおよめさん』(アリスン・アトリー作 三保みずえ訳 評論社 1987) , ISBN 4-566-01208-5
- 『西風のくれた鍵』(アリソン・アトリー作 石井桃子訳 岩波書店 1996) , ISBN 4-00-112132-8
- キーワード
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- 童話-あらすじ
- Uttley Alison(アトリー アリソン)
- 児童文学-イギリス
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 書誌的事項調査
- 内容種別
- 児童
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000166440