県内の絵図や地図に特化した史料所在目録等の発行は確認できませんでした。現状では、県立博物館や文書館、宇都宮市立図書館などに個別に所蔵状況をお尋ねいただく形での情報収集が必要かと思われます。
当館では、宇都宮市街地の絵図・地図を多数紹介する資料として、以下を所蔵しています。
・『名城宇都宮城 しろとまちの移り変わり』(栃木県立博物館/編、発行 2006)
平成18年に開催された企画展の図録です。
宇都宮城を中心とする江戸期の城下絵図を中心に、昭和前期までの多種多様な地図、絵図、写真等を紹介する企画展で、図録にも資料の一部と所蔵機関情報が掲載されています。
当館所蔵の菊地愛山筆「下野国河内郡宇都宮市中略図」(明治6年)も、明治前期の市内を知る資料として収録されています。(p.83)
・『ふるさとの想い出写真集 明治・大正・昭和 宇都宮』(徳田浩淳/編 国書刊行会 1979)
p.132-155「地図・鳥瞰図」の項があり、明治元年から昭和31年までの地図・鳥瞰図27点が掲載されています。
中には市街地部分が判読しにくい図も含まれますが、おおまかな変遷を辿ることは可能と思われます。各図の所蔵機関情報は付されていないため、出典となった地図等の原本をご覧になりたい場合には、史料名等からの調査が必要となります。