レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年08月09日
- 登録日時
- 2022/07/02 12:12
- 更新日時
- 2022/08/25 12:12
- 管理番号
- 川図21-06
- 質問
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解決
コーンスープの発祥、歴史について教えてほしい。
- 回答
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○神奈川県立図書館にも調査を依頼し、当館がまとめて下記の資料を紹介した。
(1),(2),(3),(4)は神奈川県立図書館、(5),(6)は神奈川県立川崎図書館の所蔵資料である。
(1)『ケンブリッジ世界の食物史大百科事典 2』(石毛直道ほか監訳、朝倉書店、2004)
「トウモロコシの文化史」のp.41-42「中南米」に「水にトウモロコシを浸してペースト状にしたものをふるい分けしてからつくられるアトーレ(atole)とよばれる粥」や「儀式の際のスープや飲料(ポソーレ(pozole)とよばれトウモロコシを丸粒のまま入れるスープ、チョコレート入りのアトーレ)」等の記述がある。
(2)『世界食物百科』(マグロンヌ・トゥ-サン=サマ著、原書房、1998)
「第2部牧畜と農耕 第3章 穀物の歴史」のp.178-188「粥からビールへ」で粥の発祥について解説されており、「古代のマズ(maze)、すなわち穀物粥はだんだんどろどろと濃くなりオートミール粥のようなものになった」「アメリカ人はトウモロコシを同様の形で消費し」たという記述がある。
(3)『料理と帝国』(レイチェル・ローダン著、みすず書房、2016)
「第一章 穀類料理の習得」のp.17-33「世界の食の地図 紀元前約一〇〇〇年」に、アメリカ大陸で広がりを見せていたトウモロコシの食文化について記述があり、p.32に「現代の、大粒のトウモロコシは(中略)およそ紀元前一五〇〇年にあらわれた。紀元前約七〇〇〇年に中央メキシコで見つかった野生種のテオシントがトウモロコシの祖先だと考えられている。」「オルメック人の村では、女性がトウモロコシをすりつぶし、茹でて粥(アトーレ)にした」とある。
(4)『スープの歴史』(ジャネット・クラークソン著、原書房、2014)
p.125-126に、コロンブスがアメリカ大陸を発見する何千年も前から先住民はトウモロコシを栽培していたこと、先住民はコロンブスよりも前の時代からトウモロコシでスープを作っていたことなどが記載されている。また、p.177にレシピの記載あり。
(5)『味の素グループの百年 新価値創造と開拓者精神』(味の素株式会社編、味の素、2009)
p.304-310スープ事業の記述あり。p.309には1966年1月に「コーンクリームスープ」が発売されたことに触れて、「発売以前より、スイートコーンスープが、西洋風としても中華風としても家庭用スープとしてなじまれていた下地もあり」と記述されている。
(6) 『トウモロコシ 歴史・文化、特性・栽培、加工・利用』(戸沢英男著、農山漁村文化協会、2005)
p.30-36に「食料としての利用」があり、インカでは古くからスープが作られていたとわかった。また、古代の食品としてトウモロコシを使った各地のかゆやシチューについて書かれている。
- 回答プロセス
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〇以下の資料を確認したが、コーンスープに関する記述は確認できなかった。
・『味の素』(小川鐡雄著、味の素、1956)
・『味の素沿革史 社史で見る日本のモノづくり』(ゆまに書房、2003)
・『挑戦者の系譜 味の素グループの百年』(味の素株式会社編、味の素、2009)
・『味の素株式会社社史 1』(味の素株式会社社史編纂室編、味の素、1971)
・『味の素株式会社社史 2』(味の素株式会社社史編纂室編、味の素、1972)
・『味の素の50年』(味の素株式会社編、味の素、1960)
・『30周年記念誌 公益財団法人味の素食の文化センター』(味の素食の文化センター編、味の素食の文化センター、2019)
・『食の文化20年のあゆみ』(味の素食の文化センター編、味の素食の文化センター、2009)
・『龍土軒史 明治・大正・昭和・平成』(岡野武勇編著、講談社出版サービスセンター、1998)
・『西洋料理事始 中央亭からモルチェまで』(中央亭編、中央亭、1980)
・『味をたがやす 味の素八十年史』(味の素株式会社編纂、1990)
・『味の素グループの軌跡 2009-2019』(味の素株式会社編、2020)
○レファレンス協同データベースで「コーン スープ」と検索し、ヒットした下記の事例を参考にした。
・愛知学院大学図書館情報センター「アメリカでのコーンスープの起源が知りたい」
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000191286 (2022年7月2日最終閲覧)
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383)
- 食品工業 (588)
- 食用作物 (616)
- 参考資料
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Kenneth F.Kiple, Kriemhild Conee Ornelas [編] , 石毛直道 [ほか]監訳 , Kiple, Kenneth F, 1939- , Ornelas, Kriemhild Coneè , 石毛, 直道, 1937- , 三輪, 睿太郎, 1943-. ケンブリッジ世界の食物史大百科事典 2. 朝倉書店, 2004.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007485885-00 , ISBN 4254435320 -
マグロンヌ・トゥーサン=サマ/著 , Toussaint‐Samat‖Maguelonne. 世界食物百科 : 起源・歴史・文化・料理・シンボル. 原書房, 1998.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005830136-00 , ISBN 4562030534 -
レイチェル・ローダン [著] , ラッセル秀子 訳 , Laudan, Rachel, 1944- , Russell, Hideko. 料理と帝国 : 食文化の世界史紀元前2万年から現代まで. みすず書房, 2016.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027296265-00 , ISBN 9784622079606 -
ジャネット・クラークソン著 ; 富永佐知子訳 , Clarkson, Janet , 富永, 佐知子. スープの歴史. 原書房, 2014. (「食」の図書館,)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I008665431-00 , ISBN 9784562050697 -
味の素株式会社. 味の素グループの百年 : 新価値創造と開拓者精神 : 1909→2009. 味の素, 2009.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010575245-00 -
戸澤英男 著 , 戸沢, 英男, 1940-. トウモロコシ : 歴史・文化、特性・栽培、加工・利用. 農山漁村文化協会, 2005.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007695036-00 , ISBN 4540041800 -
愛知学院大学図書館情報センター. アメリカでのコーンスープの起源が知りたい。.
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000191286 (2022年7月2日最終閲覧)
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Kenneth F.Kiple, Kriemhild Conee Ornelas [編] , 石毛直道 [ほか]監訳 , Kiple, Kenneth F, 1939- , Ornelas, Kriemhild Coneè , 石毛, 直道, 1937- , 三輪, 睿太郎, 1943-. ケンブリッジ世界の食物史大百科事典 2. 朝倉書店, 2004.
- キーワード
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- コーンスープ
- 社史
- 照会先
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- 神奈川県立図書館
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000317925