レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年12月06日
- 登録日時
- 2023/12/07 12:02
- 更新日時
- 2024/01/09 22:19
- 管理番号
- 県立長野-23-134
- 質問
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未解決
土屋文明が諏訪高等女学校(現 諏訪二葉高等学校)に在職していた際に引率で入笠山へ遠足に行った日付を知りたい。
- 回答
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諏訪高等女学校の入笠山への遠足の年や日付を特定できる記述がある資料は確認できなかった。
以下、関連情報として参考に紹介した。
『長野県諏訪二葉高等学校七十年誌』長野県諏訪二葉高等学校七十年誌刊行委員会編 長野県諏訪二葉高等学校同窓会 1977【N376.4/47】
p.172-188「三代校長土屋文明とその時代」に土屋文明氏が在職していたころのことがまとめられている。
このうち、p.178-179「強行軍」の項目に「遠足もきつかった。大正九・十年度は年九回の遠足をしている。(中略)軽いものもあるが和田峠、守屋山、入笠山など六里七里の強行軍もしばしばで」とあり、遠足は年間に複数回にわたって行われたことがわかる。
また、p.186-188「学校暦 大正九年度(校長 土屋文明)」には遠足が9回書き込まれており、「記録脱落」とある第六回の遠足を除く日程と行き先が記されている。 ただし、記載のある「八の字」、「大塩峠」、「和田峠」、「東俣御料林」、「唐沢山」、「後山」、「塩尻葡萄園」、「立石方面」のうち、行程に入笠山が含まれるものがあるかは不明。参考資料として「大河内教諭の日記」とあり。
『富士見町史 下巻』富士見町編 富士見町教育委員会 2005【N241/121/2】
p.320-325「富士見高原と文人たち」の項目中p.322に「富士見には大正十年に静養中の茂吉を見舞ったほか、帰去来荘での歌会や入笠山麓吟行会など幾度か訪れている。」とあり、「入笠に草を煮し」の歌幅が富士見町文化財として保管されていることが書かれているが、遠足に関わる記述は確認できない。
この「茂吉を見舞った」は、『富士見町史 下巻』の前後の記述から大正10年、「帰去来荘での歌会や入笠山麓吟行会」とある歌会については、『アララギ』第26巻第1号アララギ発行所 1933【国立国会図書館デジタルコレクション/図書館・個人送信限定】p.546-551「諏訪アララギ歌会」で明治33年から昭和4年の諏訪におけるアララギ同人の歌会で文明が参加したことが分かる歌会も散見されるが学校行事との関係は確認できず[最終確認日 2023.12.7]。
- 回答プロセス
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1 利用者調査資料の土屋文明「羊歯の芽」の記述を確認する
利用者調査資料の筑摩書房版の資料は所蔵がなく、『群馬文学全集 第1巻』群馬県立土屋文明記念文学館 1999【918.6/グン/2】に所収されているものから確認した。
p.360に「六月半ばごろの遠足」「この時には、富士見の伊藤左千男先生以来の人々が、鍋と味噌を持って同行され、(中略)教師一同をもてなした。」とあり、時期は6月ごろ、アララギ関係の同行者がいたことが分かるが、年は不明。
2 学校・教育関係の資料を探す
『長野県諏訪二葉高等学校七十年誌』[回答記載]
『長野県教育史 第14巻 (史料編 8 大正8年~昭和8年)』長野県教育史刊行会編・刊1979【N372/52/14】
3 『長野県諏訪二葉高等学校七十年誌』で確認できた遠足の行先となっている地名を調べる
『角川日本地名大辞典 20』「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1990【N293/18】
『日本歴史地名大系 20』平凡社 1979【N290.3/54】
『信州百名山』清水栄一著 桐原書店 1990【N292/72】
『信州美しき百山 下』信濃毎日新聞社出版局編 信濃毎日新聞社 2000【N292/181/2】
『南アルプス (ヤマケイアルペンガイド)』中西俊明著 山と溪谷社 2009【N292/427/10】
4 地域の歴史について書かれた資料を参照する
『諏訪市史 下巻』諏訪市史編纂委員会編 諏訪市 1976【N241/69/3】
『富士見村誌 続編』[回答記載]
5 『富士見村誌 続編』[回答記載]記載事項について資料を探す
「国立国会図書館デジタルコレクション」を利用して雑誌『アララギ』の関連記事を探す。
詳細検索画面で、タイトルに「アララギ」、キーワードに「入笠」「土屋文明」等と入力し、ヒットした記事を確認したが遠足に関連のあると分かる記述は確認できず。
6 当館資料のうち、件名に「土屋文明」とある資料について参照する
『若き日の土屋文明 あまた人々の恵みあり』群馬県立土屋文明記念文学館編・刊 2020【911.16/ツチ】
『中島周介・土屋文明木草の交わり』群馬県立土屋文明記念文学館編・刊 2002【911.16/675】
『文明と茂吉 土屋文明生誕120年記念』群馬県立土屋文明記念文学館編・刊 2010【911.16/グン】
『土屋文明と斎藤喜博第8回企画展』群馬県立土屋文明記念文学館編・刊 1999【911.16/65】
『土屋文明と信濃』松本武著 短歌新聞社 2005【N911/1166】
『樛木亭 雑録人麻呂、子規、文明のことなど』牧野博行著 短歌新聞社 2000【911/マヒ/1】
『土屋文明』近藤芳美著 桜楓社1980【911.16/タン/17】
『土屋文明短歌の近代』米田利昭著 勁草書房 1984【911.1/479】
『土屋文明私稿』橋本徳寿著 古川書房 1975【910.28/295】
『土屋文明全歌集各句索引』佐藤嘉一編 石川書房 1995【911.16/サヨ】
『土屋文明全歌集小題名索引』石塚市子共編 新アララギ発行所 1999【911.16/70】
『土屋文明短歌の展開』小谷稔著 短歌新聞社 1991【911.16/78】
『土屋文明とその門下の歌人たち『自生地』と『ケノクニ』』群馬県立土屋文明記念文学館編・刊 2014【911.16/グン】
『土屋文明の跡を巡る』横山季由著 短歌新聞社 2009【N910/34】
『土屋文明論』近藤芳美著 六法出版社 1992【911.16/コヨ】
『土屋文明論考』未来短歌会内土屋文明論考刊行委員会編 短歌新聞社 1976【911.16/138】
『土屋文明人と作品』関俊治編 みやま文庫 1995【213/40/138】
『土屋文明・五味保義・吉田正俊作品集』斎藤茂吉記念館編・刊 1991【N911/982】
『土屋文明の秀歌 (現代短歌鑑賞シリーズ)』近藤芳美著 短歌新聞社 1975【911.16/631】
<その他調査資料>
『こころざしいまに生きて (青年シリーズ)』藤森明著 学習の友社 1995【N289/イトウ】
諏訪高等女学校の卒業生である伊藤千代子氏の伝記。
『時代の証言者-伊藤千代子』藤田広登著 学習の友社 2005【N289/イトウ】
『左千夫全集 第8卷』伊藤左千夫著 岩波書店 1977【918.6/174/8】
『齋藤茂吉全集 第43巻』齋藤茂吉著 岩波書店 1955【918.6/31/43】
- 事前調査事項
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諏訪高等女学校の在職期間は大正7年4月から11年3月。
下記資料に日付を特定できる記述は確認できない。
『羊歯の芽』土屋文明著 筑摩書房 p.192
『土屋文明私記』吉田漱著 六法出版社
『土屋文明 その昭和史の風景』内田宜人 2009
『長野県文学全集 第3期 現代作家編 第9巻』郷土出版社 1990
- NDC
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- 教育史.事情 (372)
- 参考資料
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長野県諏訪二葉高等学校七十年誌刊行委員会 編 , 長野県諏訪二葉高等学校. 長野県諏訪二葉高等学校七十年誌. 長野県諏訪二葉高等学校同窓会, 1977.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I023724527-00
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長野県諏訪二葉高等学校七十年誌刊行委員会 編 , 長野県諏訪二葉高等学校. 長野県諏訪二葉高等学校七十年誌. 長野県諏訪二葉高等学校同窓会, 1977.
- キーワード
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- 土屋文明
- 諏訪高等女学校
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000343062