レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年9月27日
- 登録日時
- 2023/09/27 17:13
- 更新日時
- 2023/12/06 16:01
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 右中-郷土-167
- 質問
-
解決
京都にあった青年学校について知りたい。
- 回答
-
青年学校は、昭和10年(1935)の青年学校令の公布により創設された勤労青年教育機関です。現在の中等学校にあたる定時制の学校で、それまであった実業補習学校と青年訓練所を統合する形で全国の市町村に設けられ、普通科・本科・研究科・専修科が置かれました。【資料1~3、9、11、14】
開校当時の様子を伝える新聞記事に、京都府下に三百余りの青年学校が開設されることになるという記述があります。【資料14】
京都府では昭和10年(1935)10月1日時点で、公立と私立を合わせて350校の青年学校がありました。生徒は、就業しながら教育勅語に基づいた修身及公民科や、一般教養を学ぶ普通学科、仕事に必要な知識技能を身につける職業科、体操科などの科目を学びました。日課表の記述より、朝5時に校庭に集合して体操などをして解散後、夜に学業を行っていた様子がわかります。【資料2】
京都市の青年学校で使われていた教科書に、修身公民科・国語科・国史科・地理科・理科・数学科の内容が載っています。【資料4】職業科で使われていた商業用教科書には、経営や貿易、金融などの内容の記載があり、手形や小切手の記載例などが載った実用的な内容です。【資料5】
国立国会デジタルコレクションに昭和11年(1936)4月末時点の全国47都道府県の青年学校の名簿があり、各青年学校の所在地や設置者、生徒数などの記載があります。【資料6】
公立の青年学校のほとんどは、小学校に併設して設置されていたことがわかります。【資料7、8】
昭和22年(1947)に教育基本法と学校教育法が公布され、新しく六・三制の義務教育の制度が発足し、青年学校は廃止されました。【資料1、10、12、13】
- 回答プロセス
-
●当館所蔵の教育関連の参考図書を棚当たり・・・【資料1】
●京都市図書館所蔵の資料を、キーワード“青年学校 京都”で検索・・・【資料2~5】
・【資料3】青年学校の目的や特色と、京都市の青年学校の訓練科目や入学資格等の概要について記載あり。
●国立国会図書館サーチでキーワード“青年学校 名簿 京都”で検索・・・【資料6】
●当館所蔵の京都の学校の沿革史を確認・・・【資料7、8】
●当館所蔵の郷土史の資料より・・・【資料9~12】
●当館所蔵の郷土資料の3類の棚を棚当たり・・・【資料13】
●【資料12】の記述より・・・【資料14】で当時の新聞記事を確認。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 教育史.事情 (372)
- 幼児.初等.中等教育 (376)
- 近畿地方 (216)
- 参考資料
-
- 【資料1】『新教育学大事典 4』(細谷 俊夫/[ほか]編 第一法規出版 1990.7)p460~461“青年学校”
- 【資料2】『資料館紀要 第5号』(京都府立総合資料館/編集 京都府立総合資料館 1977)p45~130“京都府における実業補習学校・青年訓練所・青年学校の系譜”
- 【資料3】『青年学校に就て』(京都市教育部社会教育課/[編] 京都市教育部社会教育課 1937.2)
- 【資料4】『青年学校教本 地の巻』(京都市教育会/編 博省堂 1937)
- 【資料5】『青年学校商業教本』(京都市教育会/編 博省堂 1937)
-
【資料6】『青年学校名簿 昭和11年4月末日現在』(文部省社会教育局/編 文部省社会教育局 1937)
国立国会図書館デジタルコレクション
info:ndljp/pid/1278127 356~369コマ“京都府”(最終確認日:2023年9月30日) - 【資料7】『明治.大正.昭和 京都市立学校園沿革史』(奥野 進 京都報道センター 1981)
- 【資料8】『京都市立学校園沿革史 2001』(奥野 進/著 京都報道センター 2001)
- 【資料9】『京都府百年の資料 5』(京都府立総合資料館/編集 京都府 1972)p618~622“三三五 青年学校令青年学校規程及青年学校令施行細則制定ノ要旨竝二施行上ノ注意事項”
- 【資料10】『京都の歴史 9』(京都市/編 京都市史編さん所 1980)p249~251“国民学校制度”、p331~334“新教育の発足”
- 【資料11】『京都の歴史 10』(京都市/編 京都市史編さん所 1980)p480“昭和十年(一九三五)乙亥”
- 【資料12】『京都府百年の年表 5』(京都府立総合資料館/編集 京都府 1970)p190“昭10(1935)年”、p218“昭23(1948)年”
- 【資料13】『学びやタイムスリップ 近代京都の学校史・美術史』(京都市教育委員会京都市学校歴史博物館/編 京都新聞出版センター 2016)p56~58“教育史上の大改革―新制中学校の誕生”
- 【資料14】『京都日出新聞マイクロフィルム』1935年3月21日朝刊1面“待望の靑年学校 創建、三百を超ゆ 近く府學務課で協議會”
- キーワード
-
- 青年学校
- 京都
- 中等教育
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000339059