レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年10月02日
- 登録日時
- 2020/03/23 16:31
- 更新日時
- 2021/11/15 14:04
- 管理番号
- 2019-027
- 質問
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解決
受刑者の構外作業の歴史と,構外作業をさせた背景について,詳しく知りたい。
特に,宮城刑務所が東北地方などで行ったダム工事に関して調べたい。
他の刑務所に関しても,ダム工事などを中心に構外作業の記録があれば見たい。
北海道の硫黄山で行った硫黄採掘についても興味がある。
上記に関する資料は,どのようなものがあるか。
- 回答
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受刑者の構外作業の歴史と,構外作業をさせた背景については,明治からその時代ごとに成り立ちも意義も大きな違いがみられる。
次の2冊は,そのあたりについて書かれている。
・明治から昭和までの構外作業についてまとめられている資料
『日本行刑史散策』小野義秀著(平成14年)
・明治時代の構外作業について書かれている資料
『日本近世行刑史稿』刑務協会(昭和18年)
この2冊で,おおよそどのような構外作業が行われていたかはわかる。
個別の作業については,それぞれ調査が必要。
宮城刑務所が実施したダム工事は,只見川の工事がよく知られている。
多くの受刑者が関わり,刑務所職員・受刑者ともに殉職者が出ている。
・『只見川電源開発の記録』柴修也著(2011年)
これ以外にも,当館OPACで「只見川」を検索すると,月刊誌『刑政』の記事などがヒットする。
北海道の硫黄採掘については,下記の資料がある。
・『標茶町史 通史編第一巻』「第五章 北海道集治監釧路分監・第六章 硫黄山と釧路鉄道」高嶋弘志著(平成10年)
・『標茶町史考 前編』「第二小 北海道集治監釧路分監・第四章 安田硫黄山事務所と明光社」標茶町編(昭和41年)
このほかの構外作業については,戦時中に南東諸島へ飛行場建設のため,職員とともに出動させられて多くの死者を出した「赤誠隊」や,戦後すぐに,全国から受刑者と職員が選抜された「北海道開発名誉作業班」などもある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 刑法.刑事法 (326)
- 北海道地方 (211)
- 東北地方 (212)
- 参考資料
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- 小野義秀. 日本行刑史散策. 矯正協会, 2002.
- 日本近世行刑史稿. 刑務協会, 1943.
- 柴修也. 只見川電源開発の記録:近代行刑最大の構外作業における宮城刑務所職員と受刑者の涙と汗の記録. 柴修也, 2011.
- 高嶋弘志. 第五章 北海道集治監釧路分監・第六章 硫黄山と釧路鉄道. 1998. 標茶町史 通史編第一巻
- 標茶町編. 第二章 北海道集治監釧路分監・第四章 安田硫黄山事務所と明光社. 1966. 標茶町史考 前編
- キーワード
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- 構外作業
- 只見川電源開発
- 硫黄山
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000276416