レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/11/24
- 登録日時
- 2021/12/02 00:30
- 更新日時
- 2021/12/16 10:15
- 管理番号
- 10879705
- 質問
-
未解決
利用者が京都の古本屋で入手した「慶応三年刊『英和対訳袖珍辞書』」の表紙に、「三好長哲所持」という記載がある。「三好長哲」がどのような人物なのか調べたい。
現物には、表紙に毛筆で「三好長哲所持」と書かれ、裏表紙には「源長哲所持」とある(筆跡は同じ)。
- 回答
-
ご照会の「三好長哲(源長哲)」について、三好家、幕末・明治の人名や国学・漢学・洋学に関わる文献、データベースを調べましたが、関連する情報は見当たりませんでした。
なお、当館では網羅的な調査には応じられません。当館のレファレンスサービスの範囲を超えるものですのでご了承ください。
[主な調査済み資料およびデータベース](【 】内は国立国会図書館請求記号です。)
■三好家に関する資料
・『百家系図』雄松堂フイルム出版 [1993]【YD-415】
* 第一九冊(リール2)に「三好家系譜」が掲載されており、明治初頭までの三好氏の系譜を調べることができますが、「三好長哲(源長哲)」についての記載はありませんでした。同じく一九冊(リール2)に掲載されている「三好系図」には幕末・明治期の記載はありません。
・『諸家系図纂』雄松堂フィルム出版 [1993]【YD-416】
* 巻六ノ二(リール2)に「阿州三好系図」が掲載されていますが、幕末・明治期の記載はありません。
・辺豊喜 編『阿波国守護職三好家略記』坂東長康 昭和4【579-281】
* 幕末・明治期の記載はありません。
* 国立国会図書館デジタルコレクション(国立国会図書館内/図書館送信参加館内公開)
・『三好三吉一族』日本家系家紋研究所 1986.11【W194-1823】
* 「阿波三好氏の傳系」や「近江三好氏の傳系」など、系譜ごとに三好氏の系図が掲載されていますが、「三好長哲(源長哲)」についての記載はありませんでした。
・『三好一族』日本家系協会出版部 1973.9【W194-901】
* 「清和源氏小笠原流三好系図」や「藤原公季流三好氏系図」など、系譜ごとに三好氏の系図が掲載されていますが、「三好長哲(源長哲)」についての記載はありませんでした。
■幕末・明治の人名に関わる文献
尾脇秀和 著『氏名の誕生 : 江戸時代の名前はなぜ消えたのか』筑摩書房, 2021.4【GB43-M36】
* 第2章第2節「本姓と名字」(pp.72-84)に、「本姓と称するもの」の項があり、町人である「塩屋吉兵衛」という人物が、本の裏表紙に「源重孝」とサインする架空の例(=本人の決めた名乗りであり、「源」姓の一員であるという設定)についての説明があります。この場合の源は本姓といわれるもので、ご照会の「源長哲」の「源」についても同様に、本姓と考えられます。
・小川恭一 編著『寛政譜以降旗本家百科事典』東洋書林 1997-1998【GB397-G5】
・小川恭一 編著『江戸幕府旗本人名事典』原書房 1989-1990【GB397-E2】
・熊井保 編『江戸幕臣人名事典 改訂新版』新人物往来社 1997.11【GB397-G4】
・西沢淳男 編『江戸幕府代官履歴辞典』岩田書院 2001.10【GB364-G57】
・村上直, 荒川秀俊 編『江戸幕府代官史料 : 県令集覧』吉川弘文館 1975【AZ-145-28】
・竹内誠, 深井雅海 編『日本近世人名辞典』吉川弘文館 2005.12【GB12-H40】
・市古貞次 [ほか]編『国書人名辞典 第5巻』岩波書店 1999.6【GB12-E55】
・森銑三, 中島理寿 編『近世人名録集成 第5巻 (総索引)』勉誠社 1978.3【GB13-56】
・森繁夫 編, 中野荘次 補訂『名家伝記資料集成』思文閣出版 1984.2【GB12-57】
・安岡昭男 編『幕末維新大人名事典』新人物往来社 2010.5【GB12-J22】
・日本歴史学会 編『明治維新人名辞典』吉川弘文館 1981.9【GB12-48】
・日外アソシエーツ株式会社 編『号・別名辞典 : 古代・中世・近世 新訂増補』日外アソシエーツ 2003.5【GB12-H13】
・日外アソシエーツ株式会社 編『号・別名辞典 : 近代・現代 新訂増補』日外アソシエーツ 2003.5【GB12-H14】
・近代人物研究会 編『近代人物号筆名辞典』柏書房 1979.10【GB12-38】
■国学・漢学・洋学の人名に関わる文献
・石山洋 [ほか]編『江戸文人辞典 : 国学者・漢学者・洋学者』東京堂出版 1996.9【H2-G5】
・国学院大学日本文化研究所 編『和学者総覧』汲古書院 1990.3【H2-E2】
・上田萬年, 芳賀矢一 校閲, 大川茂雄, 南茂樹 編『国学者伝記集成』東出版 1997.9【H2-G10】
・長澤孝三 編, 長澤規矩也 監修『漢文學者總覽 改訂増補』汲古書院 2011.10【H2-J8】
・武内博 編著『日本洋学人名事典』柏書房 1994.7【M2-E156】
・宮永孝 著『日本洋学史 : 葡・羅・蘭・英・独・仏・露語の受容』三修社, 2004.6【KE29-H23】・長崎県立長崎図書館 編『安政二年萬記帳 : オランダ通詞会所記録 (長崎県立長崎図書館郷土史料叢書 ; 1)』長崎県立長崎図書館, 2001.3【GB391-G90】
■データベース
・平安人物志短冊帳(国際日本文化研究センター)( https://lapis.nichibun.ac.jp/tanzaku/index.html )
・地下家伝・芳賀人名辞典データベース(国文学研究資料館)( http://base1.nijl.ac.jp/infolib/meta_pub/G0035938ZigeHaga )
・国学関連人物データベース(國學院大學)( https://d-museum.kokugakuin.ac.jp/database/#kokugaku )
・地域蘭学者門人帳人名データベース(国立歴史民俗博物館)( https://www.rekihaku.ac.jp/ )
・『人事興信録』データベース(名古屋大学)( https://jahis.law.nagoya-u.ac.jp/who/search )
・国立公文書館デジタルアーカイブ 他機関との横断検索( https://www.digital.archives.go.jp/globalfinder/cgi/start )
・日本人名情報索引(人文分野)データベース(国立国会図書館)( https://rnavi.ndl.go.jp/jinmei/ )
・日本の人名データベース(上智大学比較文化研究所)( https://jbdb.jp/ )
・ヨミダス歴史館(読売新聞)(当館契約データベース)
・聞蔵Ⅱビジュアル(朝日新聞)(当館契約データベース)
・ジャパンナレッジLib(当館契約データベース)
* 日本人名大辞典のほか、国史大辞典等の全文検索が可能です。
■(参考)『英和対訳袖珍辞書』について
肖江楽 著『『英和対訳袖珍辞書』の研究』武蔵野書院, 2021.1【KS49-M21】
* p.2〔表1〕『英和対訳袖珍辞書』の諸版:1867(慶応3)年版が、開成所発行・再版の2刷であること、それ以前には初版・再版を合わせて1,200部が刊行されていたとの記載があります。
沖森卓也 [ほか]編『日本辞書辞典』おうふう, 1996.5【UP43-G2】
* pp.35-38:「英和対訳袖珍辞書」の項があります。
早川勇 著『ウェブスター辞書と明治の知識人』. 春風社, 2007.11【KS49-H85】
* p.160:慶応3年版の『英和対訳袖珍辞書』が相当数世に出たことや、福地源一郎も手に入れたであろうとの推定の記述があります。
ウェブサイトの最終アクセスは2021年11月21日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
現時点で分かるのは、幕末~明治時代の人物で、英語の勉強をするために辞書を購入できる人物である、ということくらい。
阿波藩の三好家(三好長慶、三好長治が有名)とのつながりや、幕臣もしくは近畿圏の家臣であるか、あたりから調査をはじめ、国立公文書館デジタルアーカイブにおいて、明治時代の記録に残る「三好」氏を複数名確認したが、「三好長哲」と同一人物か不明の状態。
[調査内容]
リサーチ・ナビ 江戸時代の幕臣を調べる 3. 人名から調べる→『江戸幕臣人名事典』『寛政譜以降旗本家百科事典』(所蔵なし)
群書類従(正・続・続々)→「三好長哲」「三好」「長哲」で検索、寛政以降の系譜がわかる記述なし
国立公文書館デジタルアーカイブ「三好 長哲」「長哲」→ヒットせず、「三好」→三好退蔵他ヒット、同一人物か不明
- NDC
-
- 日本史 (210 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000308250