レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年10月24日
- 登録日時
- 2024/01/25 17:08
- 更新日時
- 2024/03/21 16:06
- 管理番号
- 埼久-2023-081
- 質問
-
未解決
昭和20年代から30年代に貸本屋で貸出されていた少年向けの活劇系の小説を読みたい。
- 回答
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以下の資料を紹介した。
『貸本小説』(末永昭二著 アスペクト 2001)
p7-11「はじめに」に昭和30年代の貸本屋で扱っていた小説について記述あり。
p10 貸本小説について「記録がなにも残っていない。貸本業界では、何年か店頭に置かれて勤めを終えた本はどんどん処分して新しい本を補充しなければならなかったために、現物が残っていない。」とあり。
p294-301 人名・作品名の索引あり。
『貸本マンガと戦後の風景』(高野慎三著 論創社 2016)
p222-227「貸本時代小説と小島剛夕」の項
p224「近頃、「貸本小説」が話題になっているが、それらは、貸本専用の小説である。つまり、一般の新刊書店に並ばなかった単行本である。(中略)並木行夫、左近隆、颯手達治、佐竹申伍、南條範夫、沙羅双樹、妻屋大助、早乙女貢、小島健三、尾崎倉三、江崎俊平、佐々木杜太郎、山田風太郎と、貸本時代小説の作家を並べてみて」とあり。
p228-232「映画の隆盛と貸本現代小説」の項
p230「そして、「貸本現代小説」にも「大学生」ものが氾濫した。(中略)「大学生」ものを手にする読者の多くは、大学生ではなく、中卒の若年労働者や高卒のブルーカラーであったのが現実だったろう。若山三郎、三橋一夫、城戸禮、早見恵介、鹿島孝二といった作家名を並べて、いまやどれだけの人がその名を知っているのか疑問である。」とあり。
『貸本屋のぼくはマンガに夢中だった』(長谷川裕著 草思社 1999)
p43-70「貸本マンガで棚があふれ返った」の章
p45-48「最初に仕入れた小説は七百冊」の項に、著者の家で貸本屋(p34より、屋号は「ゆたか書房」)を始めた際に最初に仕入れた小説のタイトルあり。
p49 ゆたか書房にあった『少年 1957年9月号』の構成一覧あり。『少年探偵団』(江戸川乱歩著 白井哲絵)と『どろんこ大将』(一條明著 岩田浩昌絵)あり。
『全国貸本新聞 第1巻 昭和32年9月〈第1号〉→昭和36年12月〈第52号〉』(不二出版 2010)
p15-22「回想 貸本屋風情」
p16に「一九六〇年前後、よく読まれた本で記憶に残るのは」として、タイトルの紹介あり、「(前略)当時の貸本屋の棚に欠かせなかったものに城戸禮、陣出達朗、颯手達治、江崎俊平、並木行夫、宮本幹也らの貸本小説がありました。」とあり。
昭和32年10月12日発行の第2号より、毎号ではないが月間ベストセラー(3号以降は貸本ベストテンに変更)の記載あり。
『全国貸本新聞 第2巻 昭和37年1月〈第53号〉→昭和48年1月〈第123号〉』(不二出版 2010)
第1巻と同じく、毎号ではないが貸本のベストセラーについて記載あり。
- 回答プロセス
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1 「活劇」の意味を確認する。
(1)参考図書
『世界大百科事典 2005年改訂版 5(カウ-カヘチ)』(平凡社 2005)
p402-403「活劇映画」
「(前略)狭義には立回りのような人間の激しい動きの場面を中心にした映画をいい、喜劇、悲劇、メロドラマなどと対照されるジャンルとなっている。」とあり。
また、「戦後の活劇」として映画名の記載あり。
『広辞苑 あ-そ 第7版』(新村出編 岩波書店 2018)
p576「活劇」
「立ち回りの場面を主にして仕組んだ演劇や映画」
『演劇百科大事典 第2巻 カケーサト』(早稲田大学演劇博物館編 平凡社 1983)
p51「活劇」
「(前略)アメリカの西部劇、スリラー映画、ギャング映画、日本の剣劇、チャンバラ映画などはこの種に属すと言えよう」
(2)《Japan Knowledge》(ネットアドバンス)
「かつげき【活劇】」
「立ち回りなど動きの激しい場面を中心とした映画・演劇。アクションドラマ。」引用元「デジタル大辞泉」(小学館)
「かつげき【活劇】」
「(1)社会のありさまをありのままにうつして演じる劇。」「(2)立ち回りなど、動きの多い場面を中心にして仕組んだ芝居や映画。」引用元「日本国語大辞典」(小学館)
「【活劇】かつげき」
「立ち回りの場面を主とする演劇・映画」引用元「角川類語新辞典」
2 自館目録を〈貸本〉で検索する
〈その他調査済み資料〉
『日本大百科全書 5 かく-かる』(小学館 1985)
『ブリタニカ国際大百科事典 4 カイリ-カン』(フランク・B.ギブニー編集 TBSブリタニカ 1972)
『貸本マンガreturns』(貸本マンガ史研究会編・著 ポプラ社 2006)
『劇画の思想』(石子順造[ほか]著 太平出版社編 太平出版社 1973)
『岩波講座日本文学史 第10巻 19世紀の文学』(久保田淳[ほか]編集 岩波書店 1996)
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2023年10月24日。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 小説.物語 (913 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 活劇
- 貸本屋
- 小説
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 文学
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000345459