レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/01/16
- 登録日時
- 2022/11/21 00:30
- 更新日時
- 2023/10/27 16:01
- 管理番号
- 牛久-1765
- 質問
-
解決
句読点の記号「。」「、」はどちらが句点で、どちらが読点か知りたい。また、いつから句読点が一般的に使用されるようになったのかも知りたい。
- 回答
-
○句点は「。」の符号。文中で文意の切れるところ。
読点は「、」の符号。文中で読む便利のためにくぎるところ。
句読点について次の資料を紹介。
(1)『句読点、記号・符号活用辞典。』(小学館辞典編集部編/小学館/2007.9)…p11-13
(4)『日本国語大辞典 第4巻 第2版』(小学館国語辞典編集部編集/小学館/2001.4)…p948
(5)『日本国語大辞典 第9巻 第2版』(小学館国語辞典編集部編集/小学館/2001.9)…p1012
○句読点の定着について、次の資料を紹介。
(6)『日本語学研究事典』(飛田良文編/明治書院/2007.1)
…p390-392「『。』と『、』との二点の使い分けが定着したのは、明治39年、文部大臣官房図書課が『句読法案』を発表した国定教科書の標準とされてからのことである」
(7)『岩波日本語使い方考え方辞典』(北原保雄監修/岩波書店/2003.5)
…p161-165「句読点の用法が一定してくるのは、明治20年代からの言文一致運動の中で、二葉亭四迷、山田美妙、尾崎紅葉などが積極的に句読点を使い、それが当時の社会に影響をあたえていたこと、それから、『国文句読考』(中略)や、『句読法案』(中略)など句読法についての解説書が刊行されたことが大きいと考えられる」
- 回答プロセス
-
1. フリーワードに「句読点」で自館資料検索。
(1)『句読点、記号・符号活用辞典。』(小学館辞典編集部編/小学館/2007.9)
…p11-12「。 くてん【句点】」の項に、「文の終わりに打って、そこで文が終止したことを示す符号」と記載あり。
…p12-13「、 とうてん【読点】」の項に、「1つの文の中で、文の組み立てや語句の切れ目を明瞭にするために打つ符号」と記載あり。
(2)『テンとマルの話』(芝原宏治/松柏社/2013.6)
…p16に「句点:和式のマル(。)」「読点:和式のテン(、)」とあり。
2. 請求記号「R81-」の棚をブラウジング。
(3)『日本語源広辞典』(増井金典/ミネルヴァ書房/2012.8)
…p318「句読点」の項に、「語源は、『句点』と『読点』の複合語」と記載あり。
(4)『日本国語大辞典 第4巻 第2版』(小学館国語辞典編集部編集/小学館/2001.4)
…p946「句点」の項に、「漢文を読むとき、句の切れ目などにつける符号。また文章を書くとき、文の切れ目に付ける符号。特に、現在では、文の最後の字の右下に小さく添える中白の点。『。』」と記載あり。
(5)『日本国語大辞典 第9巻 第2版』(小学館国語辞典編集部編集/小学館/2001.9)
…p1012「読点」の項に、「文章の切れ・続きを明らかにするために、文の中の意味のきれめにつける符号。普通『、』を用いる」と記載あり。
(6)『日本語学研究事典』(飛田良文編/明治書院/2007.1)
…p390「句読点(古代)」の項に、「日本では、奈良時代の『李善註文選抜書』(天平17(745)以前書写)に「、」を句読を示すのに用いたのが早い例である」と記載あり。
…p390-392「句読点(近代)」の項に、「『。』と『、』との二点の使い分けが定着したのは、明治39年、文部大臣官房図書課が『句読法案』を発表した国定教科書の標準とされてからのことである」と記載あり。
(7)『岩波日本語使い方考え方辞典』(北原保雄監修/岩波書店/2003.5)
…p161-165「句読点」の項のp162に、「句読点の始まりは、漢文訓読における訓点の一部として行われたものである。この意味での句読点の使用例は、奈良時代の文献にすでに見える」と記載あり。
…p163-164に、「句読点の用法が一定してくるのは、明治20年代からの言文一致運動の中で、二葉亭四迷、山田美妙、尾崎紅葉などが積極的に句読点を使い、それが当時の社会に影響をあたえていたこと、それから、『国文句読考』(中略)や、『句読法案』(中略)など句読法についての解説書が刊行されたことが大きいと考えられる」と記載あり。日本語の句読点の歴史について、法令、公用文、新聞等の例をあげて説明あり。
→句読法の解説書について、下記の掲載資料あり。 。
(8)『国文句読考』(権田直助/1887(明治20)年、1898(明治29)年)
(9)『句読法案』(文部省図書課/1906(明治39)年)
(10)『読方入門』(文部省/1884(明治17)年3月)
(11)『国語国字に関する決議』(帝国教育会仮名調査委員議決/1900(明治33)年1月)
3. (8)~(11)について、タイトルで自館資料検索。所蔵なし。国立国会図書館オンライン(https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/)で検索。
…(8)~(10)については、国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可。
…(11)については、次の資料にあり。
『明治以降国字問題諸案集成』(吉田澄夫〔ほか〕編/風間書房/1962)
…目次に「二、 明治三十三年一月帝国教育会仮名調査委員 国語国字に関する決議 / p945 (0476.jp2)」とあり。
→以上より、句点は「。」で、読点は「、」と回答し、(1)(4)(5)の資料を紹介。句読点の定着については、(6)(7)の資料を紹介する。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 言語学 (801 10版)
- 日本語 (810 10版)
- 辞典 (813 10版)
- 参考資料
-
- B10572954 句読点、記号・符号活用辞典。 小学館辞典編集部/編 小学館 2007.9 801.9 978-4-09-504176-6
- B10250762 日本国語大辞典 第4巻 第2版 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001.4 813.1 9784095210049
- B10279302 日本国語大辞典 第9巻 第2版 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001.9 813.1 9784095210094
- B10387748 岩波日本語使い方考え方辞典 北原保雄/監修 岩波書店 2003.5 810.36 9784000802062
- B10561205 日本語学研究事典 飛田良文/編 明治書院 2007.1 810.33 978-4-625-60306-8
- キーワード
-
- 句読点
- 句点
- 読点
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000324403