レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年08月10日
- 登録日時
- 2023/11/05 12:13
- 更新日時
- 2023/11/05 12:55
- 管理番号
- 千県中参考-2023-03
- 質問
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解決
井原西鶴の浮世草子に使用されていた紙の材質について記載された資料を探している。
- 回答
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関連の記載があった資料を紹介します。
【資料1】『和紙の歴史 製法と原材料の変遷』
p80-81「浮世草子作家として有名な井原西鶴は、話の内容で草子に使う紙を選んでいる。好色一代男、男色大鑑、日本永代蔵、世間胸算用などの大衆向け草子の紙は、楮の非繊維細胞が残った流し漉きの薄い紙や、漉き返し紙を使い、虫喰い跡があり、変色したり異物が混入した紙が残っている。(略)武道傳来記、武家義理物語、新可笑記、小夜嵐物語の物語本の紙は、薄いがソフト感のある半流し漉きの紙が使われ、汚れ、変色、虫喰いなどが見られるのは微量(略)」と記載されています。
【資料2】宍倉佐敏「楮の研究」p108-126
(国立国会図書館デジタルコレクションhttps://dl.ndl.go.jp/ja/pid/3329037)
p121(62コマ)に、「井原西鶴に始まる浮世草子は紙も粗雑なものとなり、楮紙の質も多様になってくる。」と記載されています。
- 回答プロセス
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1 千葉県立図書館ホームページ「図書・雑誌・視聴覚資料検索」を件名「和紙」で検索
【資料1】を発見。
他に、以下の資料を確認したが、関連の記述が見つからなかった。
『和紙文化誌』(久米康生著 毎日コミュニケーションズ 1990)
『和紙文化研究事典』(久米康生著 法政大学出版局 2012)
2 日本十進分類法585「製紙工業」の書架を探索
以下の資料を確認したが、関連の記述が見つからなかった。
『和紙の文化史』(久米康生著 木耳社 1976)
『和紙 風土・歴史・技法』(柳橋真著 講談社 1981)
『手漉紙史の研究』(関義城著 木耳社 1976)
『日本の紙』(寿岳文章著 吉川弘文館 1967)
『紙の文化事典』(尾鍋史彦総編集 朝倉書店 2006)
『紙と日本文化』(町田誠之著 日本放送出版協会 1989)
『紙の世界』(相馬太郎著 講談社出版サービスセンター 1997)
3 千葉県立図書館ホームページ「図書・雑誌・視聴覚資料検索」を件名「井原西鶴」で検索
以下の資料を確認したが、関連の記述が見つからなかった。
『西鶴事典』(江本裕編 おうふう 1996)
『西鶴と浮世草子』(西島孜哉著 桜楓社 1989)
『浮世草子大事典 江戸時代の社会・風俗がわかる』(長谷川強監修 笠間書院 2017)
『西鶴と仮名草子』(冨士昭雄著 笠間書院 2011)
『井原西鶴』(中嶋隆編 ひつじ書房 2012)
『井原西鶴』(市古夏生編 ぺりかん社 1989)
『井原西鶴』(谷脇理史[編集・執筆] 新潮社 1991)
『西鶴を学ぶ人のために』(谷脇理史編 世界思想社 1993)
3 国立国会図書館デジタルコレクションを【資料1】で得たキーワード「井原西鶴」&「流し漉き」で検索
【資料2】を発見。
(インターネット最終アクセス 2023年8月18日)
- 事前調査事項
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・『紙の日本史』(池田寿著 勉誠出版 2017.3)p186-188 「杉原紙」「筑紫紙」等地方の紙の名はあるが、全国的に流通していたかは不明
・『紙の今昔』(小林嬌一著 新潮社 1986.4)p69「井原西鶴などの文学者の出現で江戸庶民文化がさかえ、(略)手漉き和紙は黄金期を迎えた」とあるが、手漉き和紙の具体的な説明は見当たらなかった。
- NDC
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- パルプ.製紙工業 (585 9版)
- 小説.物語 (913 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『和紙の歴史 製法と原材料の変遷』(宍倉佐敏著 印刷朝陽会 2006)(1102034432)
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【資料2】宍倉佐敏「楮の研究」(『和紙文化研究 第5号』 和紙文化研究会 1997.12)p108-126
(国立国会図書館デジタルコレクションhttps://dl.ndl.go.jp/ja/pid/3329037)
- キーワード
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- 和紙-歴史(ワシ レキシ)
- 井原西鶴(イハラサイカク)
- 浮世草子(ウキヨゾウシ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000340682