レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年5月21日
- 登録日時
- 2013/06/14 11:12
- 更新日時
- 2018/08/31 18:10
- 管理番号
- 県立I2013-13
- 質問
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解決
「不動尊祈経」が見たい
- 回答
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※ 高知県立図書館・高知市民図書館合築に伴い、資料に関する情報が現在の情報とは異なる場合があります。 ※
『修験道秘経入門』(羽田守快/編著 原書房 2004年)のpp.49-53に「不動尊祈り経」としてふりがな付で全文あり。続けてpp.54-58に解説。CD付。p.6-8に「修験道の経典」全般についての解説。なお、利用者から「なぜひらがな交じりなのか」との質問があったが、解説によると、修験道から生まれた和製のお経(偽経)である。最後に「天も感応、地神も納受、みくじはさらさら」とあることから、本来は「みくじ」(託宣、霊媒)をとるための経だとある。
密教寺院の不動信仰でも大変よく読まれる『仏説聖不動経』や『聖無動尊大威怒王秘密陀羅尼経』などと比べても「独特な言い回しの表現」や「感覚的表現」。著者も「妙なものの最たるもの」と感じたが、師匠からの伝授の際には「変だと思っても勝手に変更しないように」と注意があり、「深層意識に入り込むようにできている」「呪術として高度な仕掛けがしてある」表現となっている、とある。
- 回答プロセス
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■自館OPACキーワード「不動尊祈法」でヒットなし、NDLサーチで同じくキーワード検索するが、ヒットなし。■『日本仏教典籍大事典』『仏書解説大事典』などを引くが、掲載なし。■「不動尊」なので、密教や修験道のお経か?
⇒『密教辞典』の「ふどう」を引く。「不動尊祈経」はないが、「不動明王」の項目は詳しい。「不動法」は不動明王を本尊とする修法を「不動法」といい、空海・円珍らによる流行があったこと、修験道行者による信仰、また不動信仰は観音信仰とならんで日本仏教の特色となり各地に不動尊が祀られていること、などがわかる。『空海辞典』を引くとやはり「不動明王」の項目があり、空海の著作として『無動尊瑜伽成就法軌次第』、『不動明王念誦次第』があげられている。『弘法大師全集』の『首巻』で各巻の目次を見てみると、確かにこの2つは全集におさめられていたが、探している「不動尊祈経」はなかった。『国訳一切経 密教部 1 ~4』も見てみるが、なし。『日本大蔵経 増補改訂』の密教・修験道の巻や、第100巻の目次や索引を見るが、なし。■Wikipedia「不動明王」より
⇒「主なお教」の項目があり、「大日経の他、特に修験道において好んで読誦される」として、『聖無動尊大威怒王秘密陀羅尼経』『仏説聖不動経』『稽首聖無動尊祕密陀羅尼経』の解説と、「以下四つは他の尊格や日本の神々をも代表する存在であるとした讃嘆経に類するもの」として『不動尊劔の文』『不動尊祈り経』『不動明王利益和讃』『五體加持』があげられている。
⇒なお、Googleで検索した際、「不動尊祈願経」というタイトルのページがヒットしたので利用者にも見て頂いたのだが、後で見つかった回答の本の「不動尊祈り経」とは文言が違っている。
http://www.sakai.zaq.ne.jp/piicats/hudoukigann.htm
■日本独自の不動信仰、修験道に関する本をあたる
⇒上記Wikipediaの参考文献にあげられていた『不動さま入門』には原文対照現代語訳『不動経』(大本・小本)がおさめられているが、これは「大本」が『聖無動尊~』で、「小本」が『仏説聖不動経』のようで、「不動尊祈経」は全文掲載がない。なおp.164に「修験道の祈願には、さきにあげた『聖不動経』をはじめ・・・『不動尊祈経』などの諸経が用いられている」とある。『不動尊 浄化の怒り』にも大本・小本の原文対照現代語訳があるが、祈経はなし。『修験道 山伏の歴史と思想』にはp.105に「修験道の祈願には『聖不動経』をはじめ・・・『不動尊禱経』などの諸経が用いられている」とあるが、原文はなし。
⇒その後、回答の資料を発見(表紙や目次に「不動尊祈り経」とあり)。なお、『総覧 不動明王』『修験道史料集 1~2』『修験道修行大系』『生活のなかの行道』『修験道の発達 増訂』『里修験の研究』なども見てみるが、目次や索引を見る限りでは、「不動尊祈り経」は見つけられなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 仏教 (18 9版)
- 参考資料
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羽田守快 編著. 修験道秘経入門. 原書房, 2004.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007518590-00 , ISBN 4562037970 -
金岡秀友 [ほか]編. 日本仏教典籍大事典. 雄山閣出版, 1986.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001828538-00 , ISBN 463900608X - 『仏書解説大辞典』(小野玄妙/編 大東出版社 197-年)(R/180.3/B)
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佐和 隆研/編. 密教辞典. 法蔵館, 1979.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000101487-00 -
金岡秀友 編. 空海辞典. 東京堂出版, 1979.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001405759-00 -
弘法大師/〔著〕 , 密教文化研究所/編纂. 弘法大師全集 首巻 増補3版. 密教文化研究所, 1967.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I008408355-00 - 『国訳一切経 密教部 1~4』(大東出版社 1931年)(180/53 自館ID1101713715、1101713723、1101713731、1101713749)
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鈴木学術財団 編. 日本大蔵経 第100巻 (目録・索引) 増補改訂. 鈴木学術財団, 1978.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001377998-00 -
大法輪編集部 編. 不動さま入門. 大法輪閣, 1981. (大法輪選書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001547884-00 -
村岡 空/著. 不動尊 : 浄化の怒り. 集英社, 1987. (信ずる心 ; 6)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I003277376-00 , ISBN 4081920060 -
宮家 準/著. 修験道 : 山伏の歴史と思想. 教育社, 1979. (教育社歴史新書. 日本史 ; 174. 日本史. 174)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000055580-00 -
成田山新勝寺, 種智院大学密教学会 編集. 総覧不動明王. 法蔵館, 1984.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001692958-00 -
五来重 編. 修験道史料集 2(西日本編). 名著出版, 2000. (山岳宗教史研究叢書 ; 18)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004199843-00 , ISBN 4626016022 -
五来重 編. 修験道史料集 1 (東日本篇). 名著出版, 1983. (山岳宗教史研究叢書 ; 17)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001625908-00 -
修験道修行大系編纂委員会 編纂. 修験道修行大系. 国書刊行会, 1994.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002334374-00 , ISBN 4336034117 -
西海賢二 著. 生活のなかの行道 : 石鎚信仰の深層. 福武書店, 1987.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001947603-00 , ISBN 4828811656 -
村上俊雄 著. 修験道の発達 増訂版. 名著出版, 1978.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000968763-00 -
宮本袈裟雄 著. 里修験の研究. 吉川弘文館, 1984.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001704913-00 , ISBN 4642073345
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羽田守快 編著. 修験道秘経入門. 原書房, 2004.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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Wikipedia「不動明王」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E5%8B%95%E6%98%8E%E7%8E%8B)
※2013年5月21日最終確認
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000132505