レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/04/13
- 登録日時
- 2011/01/17 02:00
- 更新日時
- 2011/01/30 14:48
- 管理番号
- 6000000762
- 質問
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解決
生花で「シラナミ」という花材があるが、植物図鑑(マキノ等)では出てこない。この地方の通称かもしれないが、正式名を知りたい。
- 回答
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【資料1・2】より、正式名はウラジロノキ(裏白の木)、バラ科ナナカマド属の落葉高木。いけばなでは、ギンバ(銀葉)と呼ばれている。
「シラナミ」という名が載っている資料は見つからなかったが、「シラナミ」という植物が店頭に飾られている写真がHPに掲載されている広島の生花卸売市場に問い合わせたところ、「広島県西部沿岸域ではウラジロノキを“シラナミ”と呼び、銀葉とも言う」との回答が得られた旨伝える。
所蔵資料より以下の資料を紹介。
資料1:「ぎんば」の項。葉のカラー写真1枚あり。葉の表面にはプリーツのようなしわがあり、裏面には白い毛が密生している。晩春に白い花、秋には赤い実をつけ、花材としては春の銀白色の新葉が使われるとある。「ウラジロノキ(裏白木)」。
資料2:「うらじろのき(裏白の木)」の項。葉の付いた枝と、生け花のカラー写真2枚、別ページに解説あり。「別名 銀葉」。
資料3:「ウラジロノキ」の項。葉と花のついた枝、赤い実のカラーイラストあり。別名の記述なし。
資料4:「ウラジロノキ」の項。ウラジロノキの花、樹皮、葉裏のカラー写真3枚あり。別名の記述なし。
- 回答プロセス
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(1) インターネットで、「シラナミ」「いけばな」等のキーワードで検索。→ その結果、「シラナミ」という名で広島の生花店で販売されていること、この名でいけばなの花材として使用されていることが確認できた。また、「銀葉(しらなみ)」という表現もあった。
(2) 「銀葉」の方向で検索を進めたところ、「ウラジロノキ」にぶつかる。それぞれの特徴や写真等を検討すると、それらが一致していると思われた。
(3) 資料ではこれ以上見つからないため、広島の生花卸売市場に問い合わせし、回答に至った。
<参考>
〔六甲山系植生電子図鑑よりウラジロノキ〕http://www.rokko.kkr.mlit.go.jp/rokko/vegetation/sp/086/index.html(最終確認2010/5/9)
- 事前調査事項
- NDC
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- 花道[華道] (793 8版)
- 植物学 (470 8版)
- 参考資料
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- 現代いけばな花材事典,勅使河原 宏/監修,草月出版,1999.4, (1999、p195~196「ぎんば」 【資料1】)
- 生花格花花材事典,講談社/編集,講談社,1998.8, (1998、p31「うらじろのき(裏白の木)」,p65~66「うらじろのき解説」 【資料2】)
- 原色世界植物大図鑑,北隆館,1986, (1986、p557「ウラジロノキ」 【資料3】)
- 日本山野草・樹木生態図鑑 シダ類・裸子植物・被子植物(離弁花)編,浅野貞夫,全国農村教育協会,1990, (1990、p430「ウラジロノキ」 【資料4】)
- キーワード
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- 自由花(ジユウカ)
- 花材(カザイ)
- 白波(シラナミ)
- 銀葉(ギンバ)
- 生花(イケバナ)
- 裏白の木(裏白木)(ウラジロノキ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000076601