レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年10月09日
- 登録日時
- 2021/01/22 11:53
- 更新日時
- 2021/01/27 14:58
- 管理番号
- 0000110876
- 質問
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解決
次のような小説を探している。
人を信じることで報われる、より大きな物を手に入れる、世界が良くなる、といった内容の小説(ライトノベルを除く。) 助けてあげる、もらうというより、互いに対等でWin-Winな関係がよい。お互い与え合っている感じで、本編のなかで他者との関係性が始まるのが良い。(親子、上司部下、友人関係等を除く。)
- 回答
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「登場人物同士の互恵関係による変化」「物語内で生じる信頼関係(前提としての血縁や友人、上下関係を除く。)」を要素にもつ小説8点を紹介。
なお、児童書以外の一般的な小説を、そのテーマやストーリーなどから合理的に探すことは困難なため、館内職員の読書体験などから該当すると思われる小説を挙げた。また、比較的刊行年が新しいものを中心とし、シリーズ物は除いた。刊行年の新しい順に列記した。
質問者の読書履歴が不明のため、既読のものが含まれる可能性あり。
当館未所蔵の資料も含まれるため、参考までに山口県内図書館横断検索を書名で検索した結果のURLを貼付(続編等、関係資料がヒットすることもある。)
『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ 著 文藝春秋 2018.2)(資料1)
三人の父親と二人の母親をもつ17歳の女子高生を主人公に、血のつながらない親子関係を描いた小説。義理の親から愛情を受けて育った主人公の生い立ちと、彼女からの影響により義理の親たちも変っていく様が描かれる。
https://library.pref.yamaguchi.lg.jp/wo/cross/?title=%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E3%80%81%E3%83%90%E3%83%88%E3%83%B3%E3%81%AF%E6%B8%A1%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F&author=%E7%80%AC%E5%B0%BE%E3%81%BE%E3%81%84%E3%81%93
『水のかたち』上・下(宮本輝 著 集英社 2012.9)(当館未所蔵)
平凡な50代の主婦が、ふとしたきっかけで骨董の世界に足を踏み入れたことで、その人生が大きく変わってしまうという小説。「善き人とのつながり」が幸福をもたらすことが一つのテーマとなっている。
https://library.pref.yamaguchi.lg.jp/wo/cross/?title=%E6%B0%B4%E3%81%AE%E3%81%8B%E3%81%9F%E3%81%A1&author=%E5%AE%AE%E6%9C%AC%E8%BC%9D
『下町ロケット』(池井戸潤 著 小学館 2010.11)(資料2)
ロケットエンジンの部品開発をめぐる小企業の奮戦がテーマの小説。企業人同士の、立場を超えた信頼関係が描かれている。なお、競争相手との争いなど人間関係のマイナス面も描かれている。
https://library.pref.yamaguchi.lg.jp/wo/cross/?title=%E4%B8%8B%E7%94%BA%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88&author=%E6%B1%A0%E4%BA%95%E6%88%B8%E6%BD%A4
『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』(喜多川泰 著 サンマーク出版 2010.11)(資料3)
飛行機に乗り遅れた若者が、見ず知らずの人の助けを得ながら故郷に帰るまでを描いた小説。多くの普通の人とかかわることによって成長してゆく様が描かれている。
https://library.pref.yamaguchi.lg.jp/wo/cross/?title=%E3%80%8C%E3%81%BE%E3%81%9F%E3%80%81%E5%BF%85%E3%81%9A%E4%BC%9A%E3%81%8A%E3%81%86%E3%80%8D%E3%81%A8%E8%AA%B0%E3%82%82%E3%81%8C%E8%A8%80%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82&author=%E5%96%9C%E5%A4%9A%E5%B7%9D%E6%B3%B0
『神去なあなあ日常』(三浦しをん 著 徳間書店 2009.5)(資料4)
高校卒業と同時に山村で林業に従事することになった主人公が、村の人々の助けを得て一人前になってゆく姿を描いた、コメディタッチの小説。
https://library.pref.yamaguchi.lg.jp/wo/cross/?title=%E7%A5%9E%E5%8E%BB%E3%81%AA%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%82%E6%97%A5%E5%B8%B8&author=%E4%B8%89%E6%B5%A6%E3%81%97%E3%81%8A%E3%82%93#4835449290
『詩羽のいる街』(山本弘 著 角川書店 2008.9)(当館未所蔵)
年齢、性別、階層を問わず、さまざまな人々を結びつける少女「詩羽」を軸に据えた連作短編形式の小説。「詩羽」を媒介者として、人々がそれぞれに力を発揮することで、街が少しづつ変わっていく様子が描かれている。
https://library.pref.yamaguchi.lg.jp/wo/cross/?title=%E8%A9%A9%E7%BE%BD%E3%81%AE%E3%81%84%E3%82%8B%E8%A1%97&author=%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E5%BC%98
『阪急電車』(有川浩 著 幻冬舎 2008.1)(当館未所蔵)
短い私鉄沿線を舞台にした連作短篇小説。それぞれに悩みや思いを抱えた主人公たちが、偶然の出会いから互いに影響しあい、それまでの人生に変化が訪れるさまが描かれている。
https://library.pref.yamaguchi.lg.jp/wo/cross/?title=%E9%98%AA%E6%80%A5%E9%9B%BB%E8%BB%8A&author=%E6%9C%89%E5%B7%9D%E6%B5%A9
『博士の愛した数式』(小川洋子 著 新潮社 2003.8)(資料5)
記憶力を失った数学者と、その世話をする家政婦親子との交流を描いた小説。全くの他人である数学者と親子が、互いに少しづつ影響を与え合う様が描かれている。
https://library.pref.yamaguchi.lg.jp/wo/cross/?title=%E5%8D%9A%E5%A3%AB%E3%81%AE%E6%84%9B%E3%81%97%E3%81%9F%E6%95%B0%E5%BC%8F&author=%E5%B0%8F%E5%B7%9D%E6%B4%8B%E5%AD%90
- 回答プロセス
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所蔵する雑誌「ダ・ヴィンチ」の2009年9月号から2020年9月号までの目次から、特集及び「旬の本棚」欄の内容を確認したが、信頼など関係テーマの本をとり上げたとわかる記事は見当たらなかった。
館内職員に該当する小説を募り、書誌の内容紹介や、ウェブ上のあらすじを紹介したページで選定した。
海外の作家による小説や、ミステリ(犯罪小説など)、SF等に、同様の小説がもっとあるものと思われる。
その他、候補に挙がったもの
ハリーポッターシリーズ
神様のカルテシリーズ
心霊探偵八雲シリーズ
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (913 9版)
- 読書.読書法 (019 9版)
- 参考資料
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1.瀬尾まいこ 著 , 瀬尾, まいこ, 1974-. そして、バトンは渡された. 文藝春秋, 2018.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I028816835-00 , ISBN 9784163907956 -
2.池井戸潤 著 , 池井戸, 潤, 1963-. 下町ロケット. 小学館, 2010.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011047456-00 , ISBN 9784093862929 -
3.喜多川泰 著 , 喜多川, 泰. 「また、必ず会おう」と誰もが言った。 : 偶然出会った、たくさんの必然. サンマーク出版, 2010.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011179677-00 , ISBN 9784763131157 -
4.三浦しをん 著 , 三浦, しをん, 1976-. 神去なあなあ日常. 徳間書店, 2009.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010154046-00 , ISBN 9784198627317 -
5.小川洋子著 , 小川, 洋子. 博士の愛した数式. 新潮社, 2003.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I008136317-00 , ISBN 9784104013036
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1.瀬尾まいこ 著 , 瀬尾, まいこ, 1974-. そして、バトンは渡された. 文藝春秋, 2018.
- キーワード
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- 小説
- 信頼
- 成長
- 互恵
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000292813