レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/07/01
- 登録日時
- 2020/08/23 00:30
- 更新日時
- 2020/08/23 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-200117
- 質問
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解決
以下の内容について記載がある資料を探している。
(1)高裁や最高裁で裁判中の死刑囚と,死刑が確定した受刑者について身分や待遇に違いはあるか
(2)死刑囚と未決拘禁者の待遇について(食品などの購入や,友人,知人との面会が可能かなど)
- 回答
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(1)高裁や最高裁で裁判中の死刑囚と,死刑が確定した受刑者について身分や待遇に違いはあるか
以下資料をお調べしましたが,明記されているものはありませんでした。
資料1 読売新聞社会部著『死刑』中央公論新社, 2009.10【326.41/2009.X】
資料2 林/眞琴著,北村/篤著『逐条解説刑事収容施設法』有斐閣, 2017.11【326.52/2017.Y】
資料3 鴨下/守孝著『受刑者処遇読本』小学館集英社プロダクション, 2010.2【326.52/2010.2】
(2)死刑囚と未決拘禁者の待遇について(食品などの購入や,友人,知人との面会が可能かなど)
前掲資料1に,東京拘置所について記載がありましたのでご案内します。
p.36「第一章 執行の現実」の項中「独房の日々」の項
「(前略)拘置所で決めた菓子や果物の中から,希望するものを紙に書いて,自費で刑務官に買ってきてもらうこともできるほか,東京拘置所では,次のような,死刑囚のみに購入が認められている「特別食」もある。うなぎ缶(六三〇円),カニ缶(五六一円),アスパラ缶(六五〇円),どら焼き一個(五〇円),長崎カステラ(一一月~三月のみ,三六七円),かしわ餅一パック(五月五日前後,二六〇円),ぶどう一袋(時価),桃一個(時価)・・・・・・(二〇〇七年九月現在)(後略)」
前掲資料2 死刑確定者や未決拘禁者の処遇に関する記載があります。
pp.94-97「(未決拘禁者の処遇の原則)」の項
pp.98-102「(死刑確定者の処遇の原則)」の項
面会については以下に記載があります。
pp.615-628「第2款 面会」の「項中「第4目 死刑確定者」の項
pp.628-634「第2款 面会」の項中「第5目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者」の項
p.615「第4目 死刑確定者」の項
「この目は,未決拘禁者としての地位を有しない死刑確定者の面会について規定している。未決拘禁者としての地位を併有する死刑確定者の面会については,第5目に規定されている。
(面会の相手方)
第120条 刑事施設の長は,死刑確定者(未決拘禁者としての地位を有するものを除く。以下この目において同じ。)に対し,次に掲げる者から面会の申出があったときは,第148条第3項又は次節の規定により禁止される場合を除き,これを許すものとする。
一 死刑確定者の親族
二 婚姻関係の調整,訴訟の遂行,事業の維持その他の死刑確定者の身分上,法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者
三 面会により死刑確定者の心情の安定に資すると認められる者
2 刑事施設の長は,死刑確定者に対し,前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において,その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり,かつ,面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがないと認めるときは,これを許すことができる。」
pp.620-621「3 裁量面会」の項
「(前略)死刑確定者についても,交友関係の維持は,それ自体,面会を必要とする事情とされ,交友関係を維持するための面会-友人・知人との面会-を許すことができるが,(中略)「面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがないと認めるとき」でなければ許されず,また,その許否は,刑事施設の長の裁量により判断される。
死刑確定者については,その処遇は改善更生を目的とするものではないから,当然のことながら,面会により矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがないことは,裁量面会を許す用件とはされていない。
(中略)面会の結果,自暴自棄になり自傷行為に及ぶことが現実的に十分想定されるが,そうしたおそれがある場合には,面会により刑事施設の規律及び秩序を害するおそれがある場合として,本条2項による裁量面会は,許されない。(中略)また,面会の結果,死刑確定者に精神的苦悩を深めさせることになるような場合にも,刑事施設の長による裁量として,本条2項による面会を許さないことが適当である。」
pp.628-629「第5目 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者」の項
「第123条 第113条,第118条,第120条及び第121条の規定は,未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者の面会について準用する。(中略)」
「【準用後の条文内容】
第123条 (面会の相手方) 刑事施設の長は,未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者に対し,次に掲げる者から面会の申出があったときは,第148条第3項又は次節の規定により禁止される場合及び刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き,これを許すものとする。
一 未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者の親族
二 婚姻関係の調整,訴訟の遂行,事業の維持その他の未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者の身分上,法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者
三 面会により未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者の心情の安定に資すると認められる者
2 刑事施設の長は,未決拘禁者としての地位を有する死刑確定者に対し,前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において,その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり,かつ,面会により刑事施設の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがないと認めるときは刑事訴訟法の定めるところにより許されない場合を除き,これを許すことができる。(後略)」
食品を含む物品の使用等については以下に記載があります。
pp.147-150「IV 受刑者以外の被収容者の自弁の物品の使用・摂取」の項
「受刑者と異なり,受刑者以外の被収容者には,原則として,(品名の限定はあるが)自弁の物品の使用・摂取が許される。未決拘禁者や各種被収容者は有罪の判決が確定した者ではないから,刑罰の制裁としての行動の自由を剥奪・制限される理由はない。また,死刑確定者を含め,その処遇は,自発性・自立性の涵養や改善更生の意欲の喚起を目的として行われるものではないから,そのために一律的に自弁の物品の使用・摂取を認めないことを基本とする必要もない。(中略)受刑者以外の被収容者には,一定の範囲の物品(品名の限定もある)について,刑事施設の規律秩序の維持その他管理運営上支障を生ずる場合などを除き,自弁のものの使用・摂取の自由を認めている。(後略)」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 刑法.刑事法 (326 9版)
- 参考資料
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- 読売新聞社会部?著. 死刑. 中央公論新社, 2009.10【326.41/2009.X】:
- 林/眞琴?著 北村/篤?著. 逐条解説刑事収容施設法. 有斐閣, 2017.11【326.52/2017.Y】:
- 鴨下/守孝?著. 受刑者処遇読本. 小学館集英社プロダクション, 2010.2【326.52/2010.2】:
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000286173