レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/8/2
- 登録日時
- 2014/12/13 00:30
- 更新日時
- 2015/02/17 12:09
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-140039
- 質問
-
解決
透明な羽を持つ蝶について知りたい。
それらの羽には鱗粉が無いとのことだが,どのようにして羽を守っているのか知りたい。
- 回答
-
1 透明な羽をもつ蝶について
(1)下記資料に,透明な羽をもつ蝶について記載がありました。なお,【】内は当館請求記号です。
資料1 ポール・スマート『世界 蝶の百科』秀潤社, 1978【486.8/ス1/AタR】
p.59「第7章色彩 透明感」の項
複数の属あるいは科の蝶について記載がありましたが,「ジャノメチョウ科のCithaerias属(p.246参照)やトンボマダラ科の蝶(pp.250-251参照)は全体的に透明な翅をもった蝶の好例である(後略)」とのことから,下記資料についても確認しました。
p.250「トンボマダラ科」の項
「多数の種はほとんど全面的に透明な翅をもつが,一部の種は橙褐色の明るい色調に,黒や白色の人目をひく帯や斑点がある。(後略)」
資料2 『世界 蝶の百科 解説・資料編』秀潤社, 1978【486.8/ス1/BタR】(資料1の付録)
p.53「ジャノメチョウ科」の項
資料3 デービッド・カーター『蝶と蛾の写真図鑑』日本ヴォーグ社, 1996【486.8/96Z/R】
p.168「タテハチョウ科 ムラサキスカシジャノメ」の項
「この珍しく魅力的の蝶は翅全体がほぼ透明な蝶の類に属する。鱗粉をわずかにもち,褐色の翅脈と縁どりをもつ。(後略)」
(2)下記資料を調査いたしましたが,トンボマダラ科についての記載はありませんでした。
資料4 海野和男写真・文『図鑑世界で最も美しい蝶は何か』草思社, 2011【486.8/117/R】
資料5 横山光夫『原色日本蝶類図鑑』保育社, 1972【486.8/ヨ1-2/R】
資料6 猪又敏男『原色蝶類検索図鑑』北隆館, 1990【486.8/イ1/R】
資料7 猪又敏男編・解説『蝶』新装版山渓フィールドブックス5 山と渓谷社, 2006【486.8/066】
2 鱗粉の役割について
(1)鱗粉の役割について
資料8 本田計一 村上忠幸『ワンダフル・バタフライ』化学同人, 2005【486.8/055】
pp.83-85「鱗粉の秘密」の項
「鱗粉の役割は,詳しくはわかっていませんが,次のように考えられています。①水をはじく(中略) ②クモの巣などから逃げるため(中略) ③発香鱗(中略)」
資料9 吉田昭広「総論:チョウの鱗粉とは何か?」『昆虫と自然』ニューサイエンス社, 44(9), pp.2-5 【P486/コ】
「(1)(前略)警戒色や擬態模様を形成して身を守るのに役立つこともある (2)クモの巣に捕らえられた場合でも(服を脱ぐかのように)鱗粉だけを巣に残して「脱出」できる (3)(前略)体温を適切にコントロールする (4)体の周辺の気流を整えて,スムーズな飛行を助ける (5)ヤガなどでは,捕食者であるコウモリの出す超音波の反射を抑え,コウモリに自分の「居場所」を検知されるのを防ぐ (6)特殊な鱗粉である発香鱗は,フェロモンの放出に関与する(中略)ここで紹介された機能には,実験的証拠が不十分だったりまったく無いものまであり,今後の研究による検証が必要である(後略)」
資料10 asahi.comののちゃんのDO科学「チョウの鱗粉(りんぷん)は何のため?」http://www.asahi.com/edu/nie/tamate/kiji/TKY200608210266.html (最終アクセス日 2012/7/27)
(2)上記資料1から10を調査しましたが,鱗粉がない蝶が羽を守る方法について,記載がありませんでした。
なお,資料1のp.250「トンボマダラ科」の項には,鱗粉についての記載はありませんでしたが,「ドクチョウ科と同様に,この科の蝶はすべての種が不快な体液をもつことによって身を守っており(後略)」との記載がありました。
また,同じく資料1pp.61-62「隠蔽色」の項には,透明な羽をもつ蝶のカムフラージュについて記載がありました。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 昆虫類 (486 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- チョウ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000164436