レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年02月12日
- 登録日時
- 2010/04/08 17:30
- 更新日時
- 2023/07/28 15:36
- 管理番号
- 岩手-0032
- 質問
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解決
「チャグチャグ馬コ」という名前は、宮沢賢治が呼び始めたと聞いたが、なぜそう呼ばれ、賢治の作品にはいつ登場したのか?
- 回答
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「チャグチャグ馬コ」を、宮沢賢治が呼び始めたという記述は見つからなかった。
今回確認できた中で「チャグチャグ馬コ」という呼ばれ方の最も古い記録は、「岩手毎日新聞」明治40年6月25日3頁最下段の記事中(賢治は当時11歳)。
賢治の作品に「チャグチャグ馬コ」が初めて登場するのは大正6年の短歌「ちゃんがちゃがうまこ」。5~6月に4首作られ、7月に同人誌「アザリア」第一号に8首(先の4首と重複あり)発表された。
「チャグチャグ馬コ」……『岩手百科事典』〔参考資料1〕p.486-487によると、「旧暦5月の端午の節句の早朝、盛岡とその近郊の農村から、飾った馬に乗って滝沢村のお蒼前(そうぜん)様に参けいする行事。首につるした鳴輪(なりわ)と装束についている鈴が走ると鳴り、「チャグチャグ」と聞こえるのでその名が出た」。
『東北文学の世界』第6号〔参考資料2〕p.50、『新宮沢賢治語彙辞典』〔参考資料3〕p.469にも、同様の記述。
- 回答プロセス
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1、 「岩手百科事典」やチャグチャグ馬コに関する資料を当たったが、チャグチャグ馬コは自然発生的に行われるようになった民俗行事であり、名前の由来は確認できるが、始まりは明らかではない。
2、 賢治作品にチャグチャグ馬コが初登場した年は、『〈新〉校本宮沢賢治全集 第16巻下〔1〕』〔参考資料4〕の年譜p.127-128、『〈新〉校本宮沢賢治全集 第1巻〔1〕』〔参考資料5〕本文p.229-230、298-299により、短歌「ちゃんがちゃがうまこ」(大正6年)と確定。
3、 新聞記事にチャグチャグ馬コという名前が掲載された記録は、開催日である旧暦5月5日(新暦に換算)前後の岩手毎日新聞を調査。明治40年6月25日3頁最下段に記事を確認。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本文学 (910 9版)
- 通過儀礼.冠婚葬祭 (385 9版)
- 参考資料
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- 1 『岩手百科事典』 岩手放送/編・発行 1978年
- 2 「賢治と啄木とチャグチャグ馬コ」 門屋光昭/著 (『東北文学の世界 第6号』p.50-70収録) 盛岡大学文学部日本文学科/編・発行 1998年
- 3 『新宮沢賢治語彙辞典』 原子朗/著 東京書籍 2000年
- 4 『〈新〉校本宮沢賢治全集 第16巻下〔1〕』 宮沢賢治/著 筑摩書房 2001年
- 5 『〈新〉校本宮沢賢治全集 第1巻〔1〕』 宮沢賢治/著 筑摩書房 1996年
- キーワード
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- チャグチャグ馬コ(蒼前参り)
- 宮沢賢治
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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岩手県立図書館ホームページ レファレンス事例データベース検索
「宮沢賢治とチャグチャグ馬コについて」検索キーワード:チャグチャグ馬コ、宮沢賢治
https://www.library.pref.iwate.jp/iwsystem/refdb.html
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000065834