レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年6月15日
- 登録日時
- 2014/09/06 17:27
- 更新日時
- 2023/07/28 17:21
- 管理番号
- 岩手-194
- 質問
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江戸時代の飛脚制度、できれば岩手県のものを知りたい。
- 回答
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『目で見る盛岡今と昔』に早飛脚について、次のような記述がある。
《藩の非常御用によって各宿駅、或は村毎(一里処のある)に常に足の速い運搬人を定めていて、書状箱を受取るとリレー式に次の村の一里処に次ぎ次ぎと伝送して行く。この方法によって江戸までは三、四日目に届いた。
この「一里持ち」は公儀で定めた制度で各村に課せられた賦役(義務)であった。》
『金ヶ崎町史2』には、「奥州飛脚掟」十一ケ条が掲載されている。
《一、公儀の御法度及び役所の申し渡しの趣旨を堅く守り、バクチや賭勝負は道中行わず、他領の同業と同宿の時は猶一層慎むこと。
一、荷の受け渡しは規定料金で決済し、おのれの料簡を差し挟まぬこと。
一、荷物は大切に取り扱い、聊かもゆるがせにしないこと。
一、道中荷物の継送は油断なく行い、日限を守るため、大酒を呑み、不行跡な遊興はしないこと。若し不身持者があるならば、仲間の老人(年寄り株の意か)が穿さく調査し、事実ならばこれを罷免し、たとえ本番(仲間の頭領)といえども、その所業によっては、協議の上に除名すること。
一、人々の大切な荷を預かる者であるから、新規に仲間を採用する時には、身元のたしかな者を雇い、身元引受人を立て、一札を入れなければ御用鑑札を交付してはならない。
一、勤務中、道中で病気、または事故ある時は荷物を見捨てず、安否を見届け、同業相互に世話すること。
一、会所に詰め合わせの者が所用のため外出する時は、勤番に断って出入りすること。
一、福島勤番について(省略)
一、夜分にお得意方を訪れ御用廻りに出歩くとも、四ツ時(午後十時)限り帰宿すること。
一、仲間の跡目相続については、万事仲間の協議に委せ、その指示に従うこと。たとえ惣領息子や実子たりとも、親不孝、不行跡があれば、仲間渡世をさせてはならない。
一、総て服装は木綿を着用し、冬は上張りにし、また小倉帯三尺、たばこ入、火打石だけ身につけ、このほか奢りがましい品は所持せざること・・・(意訳掲載)》
紹介した資料は下記の通り。
『目で見る盛岡今と昔』
⇒p109 早飛脚
『図説盛岡四百年 上巻』
⇒p130~131 一里状(公用飛脚便)
『岩手県史 第4巻』
⇒p1078~1081 奥州飛脚掟
『金ケ崎町史 2』
⇒p355~358 早課駕籠と飛脚
『水沢市史 3』
⇒p706~707 早籠と飛脚
- 回答プロセス
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・岩手県のものを知りたいとのことだったので『岩手県史 第4巻近世編』を通覧。あわせて、県内市町村史も調査。飛脚についての記述を確認した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 東北地方 (212 9版)
- 参考資料
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- 『目で見る盛岡今と昔』吉田義昭∥編 盛岡市公民館∥出版 1972年 (http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I036180884-00)
- 『図説盛岡四百年 上巻』吉田義昭・及川和哉∥編著 郷土文化研究会∥出版 1991年 (http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002497600-00)
- 『岩手県史 第4巻』岩手県∥編 杜陵印刷∥出版 1963年 (http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000870572-00)
- 『金ケ崎町史 2』岩手県金ケ崎町∥出版 2006年 (http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008318120-00)
- 『水沢市史 3近世〈上〉』水沢市史編纂委員会∥編 水沢市史刊行会∥出版 1981年 (http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I010600550-00)
- キーワード
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- 飛脚
- 江戸時代
- 南部藩(盛岡藩)
- 伊達藩(仙台藩)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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岩手県立図書館ホームページ レファレンス事例データベース検索
『江戸時代の飛脚制度について』検索キーワード:飛脚
https://www.library.pref.iwate.jp/iwsystem/refdb.html
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000159532