レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年09月23日
- 登録日時
- 2010/09/23 12:00
- 更新日時
- 2012/12/22 15:57
- 管理番号
- 国際友好
- 質問
-
解決
高句麗の王「ムヒュル」について書かれた本があれば紹介してください。
- 回答
-
高句麗は満洲東部から朝鮮北部にいたトゥングース系の扶余族の支族であるという説が有力で、またその民族が建国した国名です。朝鮮古代の新羅・百済・高句麗三国の歴史書である『三国史記』によれば前37年に東明王朱蒙が建国したとされています。
全盛期は、4世紀末の有名な広開土王から6世紀初めにかけての3代120年間で、その後は百済と新羅の連合勢力に圧迫されて次第に衰退し、668年に唐と新羅の連合軍によって滅ぼされました。
この高句麗の三代目の王を大武(テム)神王(シンワン)(或いは大解朱留王)といい、諱(いみな)をムヒュル(無恤)といいました。東明王朱蒙の孫になります。18年から44年まで在位していました。
前掲の『三国史記』や『三国遺事』に東明王朱蒙による建国の伝説や大武神王の逸話が載っています。
- 回答プロセス
-
① インターネット検索エンジンgoogleで「ムヒュル」を検索したところ、ウィキペディアフリー百科事典の大武神王のページに 「高句麗の王、諱は無恤(ぶじゅつ、ムヒュル)」という記述がありました。
②『世界大百科』で「高句麗」を調べると、高句麗王朝系図があり、第3代高句麗王が「大武神王」となっています。
③ 『高句麗の歴史と遺産』に王系図があり、「大武神王[無恤]」とあるため、同一人物と判明しました。
④『年表で見る 韓国の歴史』の索引に「無恤」の項があり、内容を確認したところ、無恤の読みが「ムヒュル」となっていました。
⑤ ④の資料で触れられていた『三国史記』を調べたところ、目次に「高句麗本紀第二/第三代 大武神王」の項があり、在位中の逸話が記載されていました。その他、『三国遺事』にも一文が載っています。
- 事前調査事項
-
ムヒュルは人名。高句麗の王の名前です。
- NDC
-
- 朝鮮 (221)
- 参考資料
-
- 『世界大百科事典 9』 平凡社 1988年 〈R031/セ/9〉 (348~349頁) (高句麗についての記述と、国王の系図有。)
- 『高句麗の歴史と遺跡』 東潮 中央公論社 1995年 〈221/ア〉 (25頁)
- 『年表で見る 韓国の歴史』 金徳珍 明石書店 2005年 <221/キ> (18頁)
- 『三国史記 2 東洋文庫425』 金富軾 平凡社 1983年 〈221/キ/2〉 (29~42,45~48頁)
- 『三国遺事 完訳』 一然 明石書店 1997年 〈221/イ〉 (26頁)
- 『新編 東洋史辞典』 京大東洋史辞典編纂会 東京創元社 1980年 〈R220/キ〉
- 『三国史記 完訳』 金富軾 明石書店 1997年 〈221/キ〉 (299頁)
- キーワード
-
- ムヒュル
- 高句麗
- 大武神王
- 無恤
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000071667