レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/07/18
- 登録日時
- 2016/10/06 00:30
- 更新日時
- 2016/10/06 00:30
- 管理番号
- 北方 16-0011
- 質問
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解決
①明治8年、琴似兵村が出来たが、兵舎の資材(角材、板材)の調達はどうしていたか(本州から運んできていたのか)。
②また、当時北海道の製材所はどこにあったか知りたい。
- 回答
-
琴似兵村の兵屋の資材(角材、板材)については、具体的な記述があるものは確認出来ず。わずかに記述があったものは以下のとおり。
・回答資料1
→p20「第二 屯田兵村の建築」「一 兵村建設をめぐる建築条件」
「多くの場合、人跡未踏の原始林を伐開する困難な仕事であった。現地に着くと、直ちに、附近の密林に入って、造材作業に
かかった。建築用材の現地調達は、兵村建設の原則であった。」
→p22 同
「板類の準備も大変であった。板類の製材には特殊技能を必要とするため、その確保が間に合わず、道外から移入した場合も
少なくなかった。」
・回答資料2
→p22「屯田兵屋之設計」
「殊に兵屋の木材は伐採せしものを用ひたものが、尚乾燥せず水分多く含みて、乾燥すると透間を生じて、寒防上却て宜しくな
いから」
・回答資料3「三、兵屋の建築」
→p126~128 東京出張所から開拓使本庁に、明治7年中に札幌に200戸の兵屋を建築するよう通達があり、請負人を集めて入
札を行ったこと、また、入札後に計画変更があり、経費削減が行われたことが書かれている。
「その他の材料にしても、全部を現地でそろえるということは到底不可能なことであるし、他から移入するにしても交通不便の時代
であったから、随分無理と困難のともなった工事であった。(中略)兎に角請負人は同業者の競走工事であったので、中には桧材
を切込んで内地から持って来るなどの努力と開拓使の督励とによって、七年の十一月二十八日に工事完成し、」
②北海道の製材所
・回答資料4「二 工業局管理工場」
→p238~243 「蒸気木挽器械所」(明治5年7月竣工)、「水車器械所」(明治6年5月竣工)の記述あり。
・回答資料5「巻之十四 風俗」「産業」
→p420~421 「工作場」として「蒸気木挽器械所」、「水車器械所」について若干の記述あり。
・また「CiNii Articles」で検索を試みたところ、製材所についての記述があるものとして以下の論文がヒット。(琴似兵村の
用材を扱ったかは不明)
「明治初期に於けるわが国の木材関連産業 (一)』(飯島富五郎∥著 『林業経済』5巻4号 1952.4)
当館所蔵なし。PDFを閲覧可能
→p20「札幌木挽所もその計画の一環として設けられた官営製材工場で、道内林産資源の利用開発を目的とし
たものであった。札幌木挽所は(中略)明治五年建設され、七年には更に従来の火力設備の他に水力機械を
も設備し、道内の用材挽割を引受けまた厚板の販売をも行った。」
→p21「札幌木挽所の影響ともみられるものとして、明治一三年に一つの民間製材工場が小規模ながらも設けら
れている。それは笠野吉次郎が根室国厚岸郡奔渡村に設けたもので(中略)漁場の不漁期に附近の森林を伐
採して製材した。製品は東京木挽町の広業商会に送って販売し、また清国への輸出も行ったが、明治十六年
には経営難で閉鎖するという結果に終っている。」
「開拓使札幌本庁工業局の器械場について」
(呉農,越野武,角幸博∥著 『日本建築学会計画系論文集』517号 1999.3)
当館所蔵なし。PDFを閲覧可能
→ 器械場の施設、位置、文献等について詳述している。
※以下の資料を探すも、該当するものが見つからず。
1 開拓使事業報告 第2編 勧農・土木 大蔵省∥[編] 北海道出版企画センタ- 1983.4 (請求記号317/O/2)
2 新北海道史 第3巻 通説 北海道 1971 (請求記号210.1/HO/3)
3 さっぽろ文庫 33 屯田兵 札幌市教育委員会∥編 北海道新聞社 1985.6 (請求記号081.2/SA/33)
4 さっぽろ文庫 50 開拓使時代 札幌市教育委員会∥編 北海道新聞社 1989.9 (請求記号081.2/SA/50)
5 開拓使最初の屯田兵 山田 勝伴∥著 山田勝伴 1944 (請求記号215.61/Y) p21「屯田兵屋之設計」
6 琴似兵村誌 琴似屯田歴史館建設期成会 1992 (請求記号215.61/KO)
7 琴似屯田兵村開基110年・琴似屯田子孫会創立10周年記念誌 記念誌編集委員会∥編 琴似屯田子孫会 1984.10 (請求記号215.61/KO)
8 開拓使営繕事業の研究 遠藤 明久∥著 開拓使∥編 北海道真駒内団地開発事務所 1961 (請求記号521/E)
- 回答プロセス
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※以下の資料を探すも、該当するものが見つからず。
1 『開拓使事業報告 第2編 勧農・土木』 (大蔵省∥[編] 北海道出版企画センタ- 1983.4 請求記号:317/O/2)
2 『新北海道史 第3巻 通説』(北海道 1971 請求記号:210.1/HO/3)
3 『さっぽろ文庫 33 屯田兵』(札幌市教育委員会∥編 北海道新聞社 1985.6 請求記号:081.2/SA/33)
4 『さっぽろ文庫 50 開拓使時代』(札幌市教育委員会∥編 北海道新聞社 1989.9 請求記号:081.2/SA/50)
5 『開拓使最初の屯田兵』(山田 勝伴∥著 山田勝伴 1944 請求記号:215.61/Y)p21「屯田兵屋之設計」
6 『琴似兵村誌』(琴似屯田歴史館建設期成会 1992 請求記号:215.61/KO)
7 『琴似屯田兵村開基110年・琴似屯田子孫会創立10周年記念誌』(記念誌編集委員会∥編 琴似屯田子孫会 1984.10 請求記号:215.61/KO)
8 『開拓使営繕事業の研究』(遠藤 明久∥著 開拓使∥編 北海道真駒内団地開発事務所 1961 請求記号:521/E)
- 事前調査事項
- NDC
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- 中部地方 (215 7版)
- 参考資料
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- 1 北海道文化財シリ-ズ 第10集 屯田兵村 北海道教育委員会 1968序 709.2/HO/10-ロ 貸出可能
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2 琴似屯田百年史 琴似屯田百年史編纂委員会∥編 琴似屯田百年記念事業期成会 1974 215.61/KO 館内利用(期間短縮) -
3 琴似町史 札幌市史編集委員会∥編 札幌市 1956 215.61/SA/イ 館内利用(期間短縮) -
4 新札幌市史 第2巻 通史 札幌市教育委員会∥編 北海道新聞社 1991.10 215.61/SA/2-ハ 館内利用(期間短縮) -
5 北海道志 上巻 開拓使∥編 歴史図書社 1973 291/KA/1-イ 館内利用 -
1 開拓使事業報告 第2編 勧農・土木 大蔵省∥[編] 北海道出版企画センタ- 1983.4 317/O/2 -
2 新北海道史 第3巻 通説 北海道 北海道 1971 210.1/HO/3 -
3 さっぽろ文庫 33 屯田兵 札幌市教育委員会∥編 北海道新聞社 1985.6 081.2/SA/33 -
4 さっぽろ文庫 50 開拓使時代 札幌市教育委員会∥編 北海道新聞社 1989.9 081.2/SA/50 -
5 開拓使最初の屯田兵 山田 勝伴∥著 山田勝伴 1944 215.61/Y p21「屯田兵屋之設計」 -
6 琴似兵村誌 琴似屯田歴史館建設期成会 1992 215.61/KO -
7 琴似屯田兵村開基110年・琴似屯田子孫会創立10周年記念誌 記念誌編集委員会∥編 琴似屯田子孫会 1984.10 215.61/KO -
8 開拓使営繕事業の研究 遠藤 明久∥著 開拓使∥編 北海道真駒内団地開発事務所 1961 521/E
- キーワード
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- 琴似兵村
- 兵舎
- 角材・板材
- 製材所
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000197816