レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/08/09
- 登録日時
- 2022/02/23 00:30
- 更新日時
- 2022/02/23 09:37
- 管理番号
- 北方 21-0054
- 質問
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解決
明治中頃から大正終わりまで40年くらい室蘭の俳句誌で活躍した「佐口一枝(さぐちいっし)」の生没年、
職業が知りたい。京都の雑誌にも投句、選句もしていた。
- 回答
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回答資料1により、
p.372 「162 北海道の俳句年鑑」では、「大正に入り小樽の勝峰錦風が、全道俳壇の年鑑のようなものを
計画して、大変な苦労の果て「北海道俳家風交録」は完成された。このとき俳句作品を提出した者、せぬ者もいた。(中略)当時錦風会の合同俳句大会と称されていたらしい(中略)当時の本道の俳諧に遊ぶ方は略参加しており、錦風の人脈の豊かさを偲ばせる好企画であった。」と記述されており、また、p.373 「163 明治末大正初期の本道俳諧人口と職能別」では、「大正元年と大正五年に発刊された『北海俳句抄・2500名』と『北海道俳家風交録・453名』は明治の末から大正の初期における本道の俳諧に遊んでいた人を略網羅しており、」と記述されていたため、この2冊について調査。
回答資料2『北海俳句抄』には、名前を確認できず。
回答資料3『北海道俳家風交録』
p.2「いノ部」に、次の記述の方があり、参考まで転記。
職業については、この方の記載はなし。
一枝 佐藤十郎
室蘭区大字札幌通48番地。別号檜の木庵。天保14年9月生
出船の錨長閑けき港かな
一枝一笠白衣に風の薫りけり
また、一般的な俳諧者の職業については、回答資料1に次のとおり書かれている。
p.293 本道の俳諧者調べ
「明治40年頃、(中略)京都・東京の俳句結社に通信添削を受けて居た向きは多かったよう。」「明治初期地方の俳諧人の職業を考察してみるに、多少の誤りはあっても、詩歌俳諧を嗜むものは、時間的に余裕のあり、然も文芸の素養のある教職員が圧倒的に多く次いで僧侶・神官・役人・富裕の商人・華族・政治家などに限られていた様であり」
その他、北海道と京都に関連する事項としては、
p.268 明治十四年6月刊行の『俳諧明倫雑誌』第12号に「全国宗匠明録」として、
北海道から12名の名前が掲載があったが、名前は確認できず(室蘭在住者はなし。)。
p.280 113 「花の本」について、「上田聴秋が明治17年京都に黄梅社を創設。俳誌「鴨東新誌」を創刊。通信俳句の開催、通信添削など(中略)温暖な近畿から積雪酷寒未開の地の開墾に苦闘している郷党の慰問激励に(中略)俳句の普及指導に汗していた。(中略)「黄梅社」は最盛期には全国に会員八千人とも謳われ、斬新な通信添削は地方の俳人に好評であった。」と記述あり。
その他の資料について調査したが、名前は確認できず。
調査済資料は次のとおり。
調査済資料1(回答資料4)
p.234-235 胆振・日高地方
明治の室蘭に関係する記述としては、明治二十年代に室蘭八幡神社宮司であった山形県出身幸能舎佐藤守雄が、室蘭毎日新聞や日本製鋼所社報「鋼の友」の俳句の選者であったこと、その後、大正六年になってから名戸黙戸、谷口提邑らが、自由律俳句「ひよどり句会」を盛んにし、そのあと、金野静々の「白鳥会」と俳誌「白鳥」創刊、鎌田悟子ら石楠系俳人の「七草吟社」についてのみ。
p.253-258 「北海道物故俳人略伝」には名前は確認できず。
幸能舎佐藤守雄(本名佐藤守雄)の略伝(p.255)のみ。
「明治27年来道して室蘭八幡神社宮司となる。和歌と俳諧の道に秀で、室蘭地方に文芸の種を播く。
俳誌「蘭の香」を創刊し、北海道俳諧三大家の一人に数えられた。」とあり。俳誌「蘭の香」は当館未所蔵。
p.259-267 「北海道句碑目録」は、室蘭の句碑としては、「山口青邨」のみ。
p.268-280「北海道俳句史年表」の明治から大正分に名前は確認できず。
巻末p.1-9「人名索引」に名前は確認できず。
調査済資料2(回答資料5) p.88-90 「幸能舎守雄」のみ掲載。
- 回答プロセス
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(参考資料)
1 新室蘭市史 第3巻 室蘭市 室蘭市 1985.11 216.61/MU/3 ;
2 北海道文学散歩 1 道南編 木原直彦∥著 立風書房 1982.9 910.26/KI/1-イ ;
3 東北・北海道俳諧史の研究 井上 隆明∥著 新典社 2003.6 911.302/I ;
4 北海道川柳史 斎藤大雄∥著 北海道新聞社 1979.10 911.4/SA ;
5 北海道文学史 明治編 木原直彦∥著 北海道教育委員会∥編 北海道新聞社 1975 910.26/KI/イ ;
6 北海道民衆俳句の旅 森山軍治郎∥著 日本放送出版協会 1978.10 911.302/MO/イ ;
7 室蘭文学散歩 室蘭文学館の会∥編 室蘭市 1992.12 910.26/MU ;
8 室蘭文学史 室蘭文芸協会 室蘭文芸協会 1986.10 910.26/MU ;
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 7版)
- 参考資料
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- 1 北海道俳壇外史 山 東爺∥著 三上一郎 2009.2 911.302/Y
- 2 北海俳句抄 中森 其涯∥編 中森市次郎 1912 911.36/NA
- 3 北海道俳家風交録 勝峯/錦風 勝荘庵 1918.11 911.36/KA
- 4 北海道俳句史 木村敏男∥著 北海道新聞社 1978.5 911.302/KI p.234-235胆振・日高地方
- 5 むろらん港の文学館読本 文学館読本編集委員会∥編 室蘭文学館の会 2005.4 910.26/MU
- キーワード
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- 人物
- 俳人
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000312351