レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年10月26日
- 登録日時
- 2024/01/27 13:21
- 更新日時
- 2024/01/27 13:39
- 管理番号
- 横浜市中央2713
- 質問
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解決
戦国時代およびそれ以前の漁民の生活、漁法などが知りたい。
- 回答
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漁業の歴史、民俗学の分野から漁民について書かれている資料、漁法・漁撈についての
資料から、戦国時代やそれ以前の時代の記載がある資料を次の通り紹介します。
1 戦国時代の漁民の生活、漁業について書かれている資料
漁業の歴史、民俗学の分野から書かれている資料から紹介します。
(1)『日本漁業通史』 岡本信男/著 水産社 1984.10
p.27~59「第1章古代から近世までの概観 四 中世から近世まで」で古代から
江戸時代までの漁業を解説しています。戦国時代については、
p.42~43「織豊時代」に記載があります。
(2)『日本漁業経済史 上巻/中巻一/中巻二/下巻』 羽原又吉/著 岩波書店
1952.5/1953.11/1954.9/1955.8
「第二篇 中世乃至近世漁業及び漁民生活の実証的研究」にて、以下の通り、
各地の漁民の生活について、出土品や文書から解説しています。
上巻:西北九州沿岸(五島)、九州西北海(対馬)、長州藩山口県
中巻一:田子の浦、丹後稲浦、若狭沿海、越前漁村、富山湾、琵琶湖沿岸、宇和島藩・吉田藩
中巻二:尾道、関東(第三節で上代~中世、第四節戦国末期から江戸期を解説)、
敦賀(p.623に戦国時代の記載があります)
下巻:紀州藩、加賀藩
(3)『漁業の歴史 日本歴史新書』 清光照夫/著 至文堂 1957.10
「第二章 中世の漁業」に複数記載があります。
(4)『漁場利用の社会史 近世西南九州における水産資源の捕採とテリトリー』
橋村修/著 人文書院 2009.2
p.30~67「第Ⅰ部五島列島における漁業と漁場利用 第1章中・近世移行期の
上五島における網代の権利」に戦国時代も含め中世から近世に至るまでの五島列島の
漁業について記載があります。p.49「図1-6上五島における漁法変遷図」では、
上五島における13世紀~17世紀までの漁法の変遷がまとめられています。
(5)『講座・日本技術の社会史 第2巻 塩業・漁業』 永原慶二/〔ほか〕編 日本評論社 1985.8
p.262~271「古代・中世・近世初期の漁撈と海産物の流通 三 中世後期から
近世初期の概況」で、鎌倉後期からの漁民の職業としての分化、漁村の形成について
解説しています。
(6)『海に生きた百姓たち 海村の江戸時代』 渡辺尚志/著 草思社 2019.7
p.89~「第二部 海の男たちの三〇〇年史」で、現静岡県沼津市にあった村々の
漁業と漁師の姿を解説しています。
p.153~154「第二章 津元と網子による漁の世界 戦国~江戸初期の海村の生業」
生業の在り方別に、戦国~江戸初期の該当地域の村を4つに分類し解説しています。
p.170~171「第三章 立網漁の主導者津元に、網子が独自漁で対抗 長浜村を例に」
「水軍として戦国大名北条氏を支える」として戦国時代の記載があります。
(7)『海人の世界』 秋道智弥/編著 同文館出版 1998.03
p.113~193「第Ⅱ部海人世界の生成と変容――一四世紀~一七世紀
第5章中世対馬海明の動向」のp.121に中世の対馬における漁業について記載があります。
2 戦国時代の漁法について書かれている資料
魚の種類別に漁法を解説している資料から、戦国時代の記述があった資料を紹介します。
(1)『日本捕鯨史〈概説〉』 中園成生/著 古小烏舎 2019.7
p.21に専業の捕鯨集団を組織し産業として捕鯨を行った古式捕鯨業時代が、
戦国時代後期との記載があります。漁法の詳細はp.44~58に記載があります。
(2)『捕鯨 1 ものと人間の文化史』 山下渉登/著 法政大学出版局 2004.6
「第一章 人、鯨に出会う 二豊かな幸――神からの贈り物」のp.11~36に
縄文集落でのイルカ漁~15・6世紀のクジラ漁について記載があります。
(3)『イルカと日本人 追い込み漁の歴史と民俗』 中村羊一郎/著 吉川弘文館 2017.2
p.68~73「3戦国時代に領主から督励されたイルカ漁―駿河湾―」に、現静岡県
沼津市獅子浜(旧静浦村)の百姓に対し、今川氏の家臣で領主の葛山氏元がイルカの
追い込み漁を推奨した記録があると記載があります。
(4)『鮪 ものと人間の文化史』 田辺悟/著 法政大学出版局 2012.4
「Ⅲ歴史・伝統文化とマグロ 1マグロ漁の史的背景」p.120~142に古代~江戸期の
マグロ漁について記載があります。
(5)『イワシとニシンの江戸時代 人と自然の関係史』 武井弘一/編 吉川弘文館 2022.2
p.23~25イワシの歴史に「縄文時代~中世」のイワシ漁の記載があります。
3 戦国時代以前の漁民の生活、漁業について書かれている資料
(1)『日本中世の非農業民と天皇』 網野善彦/著 岩波書店 1984.2
「第二部 海民と鵜飼――非農業民の存在形態(上)」p.240~429にて、「海民」を
「湖沼河海を問わず水面を主たる生活の場とし、漁業・塩業・水運業・商業から
掠奪にいたるまでの生業を、なお完全に分化させることなく担っていた人々」と
定義づけ、若狭、近江、宇治川、常陸・下総、諸国の鵜飼の生活について解説しています。
(2)『水産の社会史 史学会シンポジウム叢書』 後藤雅知/編 山川出版社 2002.11
p.149~丹生・竹波という2つの集落の記録と「丹生浦山指図」から、中世~江戸期の
漁村の変遷を解説しています。
(3)『海の人々と列島の歴史 漁撈・製塩・交易等へと活動は広がる』 浜崎礼三/著
北斗書房 2012.12
縄文時代~中世(14世紀)までの漁業について解説した資料です。「第六章漁村の形成」で、
中世に漁村が成立する過程について記載があります。
(4)『日本民俗文化資料集成 第3巻 漂海民-家船と糸満』 谷川健一/責任編集
三一書房 1992.5
p.11~196羽原又吉『日本古代漁業経済史』を収録しており、古代~平安紀の漁業漁民の
生活の記載があります。
(5)『海人の世界』 秋道智弥/編著 同文館出版 1998.03
p.116「第5章中世対馬海民の動向」で、長崎県対馬の漁業について、中世の文献資料から、
製塩・漁業・交易など当時の対馬の漁民の在り方を解説しています。
(6)『縄文時代の漁業 考古学選書』 渡辺誠/著 雄山閣出版 1973.2
縄文時代の漁業について出土品や地理的条件から、調査し解説した資料です。
(7)『日本漁業史』 山口和雄/著 東京大学出版会 1957.5
総説p.17「中世」で中世の漁業漁法について、総説以下、「イワシ漁業、ニシン漁業、
カツオ漁業、マグロ漁業、ブリ漁業、タイ漁業」と章立て、時代ごとの漁法の記載があります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 水産業 (660 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000345527