レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年09月30日
- 登録日時
- 2013/09/30 18:48
- 更新日時
- 2014/04/14 12:57
- 管理番号
- 秋田-1615
- 質問
-
未解決
男鹿市では、「クロメクラウナギ」のことを「ボウアナゴ」と呼び食しているが、なぜウナギなのにアナゴと呼んでいるのか。なぜそのように呼ぶようになったのか。
また、いつごろから食べられるようになったのか。
- 回答
-
発見に至らず。
関連記述として、以下の資料が見つかった。
・『秋田大百科事典』(秋田魁新報社/編・発行、1981)
・・・ p.61 「アナゴ」
「普通アナゴといえば、ウナギ型で、体側に白点が並び、天ぷらや握りずしでなじみのマアナゴを指すが、秋田県から新潟県あたりまでは、クロメクラウナギもアナゴと呼ばれている。これはヤツメウナギ目の円口類に属し、魚類ではない。」
・『あきたの地魚・旬の魚』(杉山秀樹/著、あきた地域資源ネットワーク、2011)
・・・ p.38 「クロヌタウナギ」
「地方名 アナゴ(県内全域)のほか、男鹿アナゴ、棒アナゴ、焼きアナゴなども使う」
「県南部では、竹ぐしに折りたたんで焼き、「焼きアナゴ」と呼ぶ。男鹿では軽く干し、棒状にして「棒アナゴ」と呼んでおり、地元では元気回復に特効があると信じられている。」
・『東北さかな紀行』(野村祐三/著、無明舎出版、2002)
・・・p.66~69 「男鹿半島の棒アナゴ」
棒アナゴ漁に船を出している漁師さんの話(漁の仕方など)が記載されている。
・データベース Japan knowledge +N
・・・ 「ヌタウナギ」の項
「太平洋、大西洋の深海に13種余りが知られ、日本には数種がいる。ヌタウナギは、本州中部地方以南の日本各地、朝鮮半島南部に分布する。10メートル以浅にも生息するので、イソメクラともいわれた。地方によってはアナゴともいう。」
・『男鹿市史』 (男鹿市/編・発行、1974)
・・・ p.22 「男鹿半島周辺海域の魚類目録」
昭和36年の第16回国体の際、幸啓の御上覧に供する標本・確認できた魚種のリストが掲載されているが、その中に「円口綱めくらうなぎ目ぬたうなぎ科ぬたうなぎ」がある。
ただし、棒アナゴの「クロメクラウナギ」と同種のものかは不明。
- 回答プロセス
-
①郷土資料 漁業の棚(K664)をブラウジング。
②『あきたの地魚・旬の魚』で「クロヌタウナギ」という項目名になっているが、
データベース Japan knowledge +N 「ヌタウナギ」の項によると、
2007年に、日本魚類学会が「メクラ」が差別用語だとして、「ヌタウナギ」に改名した、とのこと。(最終確認 2013年9月30日)
③『秋田大百科事典』にて、秋田県以外でも使用されていることが判明。方言関連資料を調査。
・『全国方言集覧:動植物標準和名→方言名検索大辞典 北海道/東北編 上下』(太平洋資源開発研究所/編・発行、2000)
p.1140 ヌタウナギ → アナゴ(男鹿市)
下記資料には記載なし。
『漁村風土誌、男鹿・平沢の昔』(佐藤尚太郎/著、秋田文化出版社、1984)
『男鹿のこぼれだね』(吉田三郎/著、秋田文化出版社、1977)
『男鹿脇本の民俗』(秋田文化出版社、1985)
『男鹿半島 その自然・歴史・民俗』(男鹿市教育委員会/編・発行、1998)
『雑魚のつぶやき』(渡邊一/著、秋田魁新報社、1990)
『雑魚のつぶやき 続』(渡邊一/著、秋田魁新報社、1991)
『秋田民俗語彙辞典』(稲雄次/編、無明舎出版、1990)
『語源探求秋田方言辞典』(中山健/編著、語源探求秋田方言辞典刊行委員会、2001)
『秋田のことば』(佐藤稔/他執筆、無明舎出版、2000)
『男鹿の方言』(大野為田/著、大潟印刷、1984)
『秋田弁さまざま』(河田竹治/著、河田竹治、1992)
『日本の食生活全集 5』(農山漁村文化協会、1986)
『味いちもんめ 独立編4』(倉田よしみ/著、小学館、2010)
『日本方言大辞典 上巻』 (尚学図書/編、小学館、1989)
『ウナギのふしぎ』(リチャード・シュバイド/著、日本経済新聞社、2005)
『ウナギの博物誌』(黒木真理/編著、化学同人、2012)
『魚のあんな話、こんな食べ方 続』(臼井一茂/著、恒星社厚生閣、2009)
『知られざる動物の世界 3』(朝倉書店、2011)
『世界の動物 2』(講談社、1982)
- 事前調査事項
- NDC
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- 漁労.漁業各論 (664 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000137678