レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年09月01日
- 登録日時
- 2018/12/27 12:00
- 更新日時
- 2018/12/27 12:00
- 管理番号
- 市川20180901-03
- 質問
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解決
昭和14年に長谷健が書いた小説『あさくさの子供』に出てくる分からない言葉について調べてほしい。
①「顎枕」の読みと意味が知りたい。
②「螽斯」に“おうと”とルビがふってあるが、漢和辞典や虫の事典等を調べるとキリギリスとなっている。“おうと”と“キリギリス”の繋がりが分かる資料はあるか。
- 回答
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①作品が収録された『芥川賞全集 第2巻』(文芸春秋 1982)p.162では「顎枕」になっているが、『現代日本文学全集 87:昭和小説集』(浅見淵/著者代表 筑摩書房 1973)p.310をみると「顎杖」となっている。
1940年刊行の改造社版など、前述した資料以外についても国立国会図書館デジタル資料送信サービスで確認してみたが、「顎杖」となっていたため、『芥川賞全集 第2巻』に記載されている「顎枕」は誤植である可能性が高い。
改めて「あごづえ」について調査すると、『日本国語大辞典』(小学館 2000)に「ひじを立てて、あごを手でささえること。」とあった。
②『芥川賞全集 第2巻』(文芸春秋 1982)p.178や『現代日本文学全集 87:昭和小説集』(浅見淵/著者代表筑摩書房 1973)を確認したが、ルビは「おうと」となっている。
古い資料で「螽斯」を何と読んでいるか、国立国会図書館デジタル資料で確認したが、キリギリスまたはバッタの読みしか確認できなった。
『現代語から古語を引く辞典』(三省堂 2007)をみると、p.37「飛蝗(ばった)・蝗虫」p.454「飛蝗(ばった)」の項に、「おうと はたはた〔螇蚸〕」とあり、「おうと」はバッタの古語であることがわかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (913 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査 書誌的事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000249412