レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2022/03/10 18:54
- 更新日時
- 2022/03/20 17:50
- 管理番号
- 2022-事例23
- 質問
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解決
河北新報掲載記事の「オッツ祭り」について知りたい。
- 回答
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「オッツ祭り」は旧暦8 月15 日に行われる栗生の鬼子母神堂の祭りで、オッツとはこの地方で唖おしのことである。当日の夕方5 時ごろ当主が着物に袴を着け、供物の膳を堂まで供えに行く。お詣りの道中は他人に会ってはならず、無言で行くため唖おっつ神がみと語り伝えられてきた。鬼子母神が人の子を盗ったことから、盗人神とも呼ばれているが詳細は不明である。
供物の膳が独特で『宮城県史 21 民俗』に、「(1)重箱に赤飯と、稲穂を抜いて来て籾もみをしごき、一粒ずつむき、赤飯を炊くときシト(打ち水)をしてから炊き込み、それを重箱の隅に添えたもの、(2)オカケザカナは尾頭付き、(3)三品を盛った角かく、(4)カラトリ(芋茎)と豆の膾なます、(5)お神酒、それに鬼子母神には十二人の子供がいるので茅の箸十二膳を
添え、ロウソクを持っていく。」とある。
『宮城町誌(続編)』、『宮城町の文化財 宮城町文化財報告書第2 集』では愛子のかくれキリシタンとの関係も言及している。下愛子が仙台藩のキリシタン弾圧から逃れてきた教徒たちの隠れ場だったこと、本尊が女人で右手に幼児を抱えていること、祭日がマリアの昇天の日であることなどから、かくれキリシタンの祭事ではないかという記述があった。
- 回答プロセス
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「オッツ祭り」を蔵書検索システムで検索したところヒットしなかったため、質問者が持っていた新聞記事から五郎八姫の資料や百科事典、県史を当たった。『宮城県史 21 民俗』p211-p212「鬼子母神のオッツ祭 宮城町下愛子栗生」の項、『宮城町誌(続編)』p953-p955「栗生地区の文化財(その一) 鬼子母神堂」の項、『宮城町の文化財 宮城町文化財
報告書第2 集』p16-p21「132 鬼子母神堂」の項に詳しい記載があった。
上記資料の他に、『ふるさとみやぎ文化百選 1』、『宮城県百科事典』に「オッツ祭り」の記載があった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 東北地方 (212)
- 風俗史.民俗誌.民族誌 (382)
- 芸術政策.文化財 (709)
- 参考資料
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- 『宮城県史 21 民俗』 宮城県/著 宮城県史編纂委員会/編纂 ぎょうせい 1987 年
- 『宮城町誌(続編)』 宮城町誌改訂編纂委員会/編集 仙台市役所 1989 年
- 『ふるさとみやぎ文化百選 1』「ふるさとみやぎ文化百選」編集委員会/編集 宝文堂 1984 年
- 『宮城県百科事典』 河北新報社/編集 河北新報社 1982 年
- 『仙台叢書 封内風土記 第3 巻』 平重道/解題 宝文堂 1975 年
- 『宮城町の文化財 宮城町文化財報告書第2 集』 宮城町教育委員会 1977 年
- キーワード
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- オッツ祭り
- 鬼子母神堂
- 唖神
- 愛子栗生
- 民俗
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000313339