レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2002年11月1日
- 登録日時
- 2005/11/29 20:28
- 更新日時
- 2019/04/04 11:18
- 管理番号
- 慶大三田-慶應福澤-007
- 質問
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解決
福澤諭吉が慶應3年の渡米の際に多量に購入して持ち帰ったとされる書籍について、どのようなものがあるか知りたい。
- 回答
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慶應義塾大学三田メディアセンターでは、慶應3年に購入したと思われる洋書の一部(48タイトル、73冊)を所蔵しています。詳細は福澤諭吉が洋行で持ち帰った洋書一覧(慶應義塾図書館所蔵分)(PDF)をご覧ください。
渡米の際に持ち帰った書籍は、【参考資料1】収載の「福澤文集」の477ページに「慶應三年の春、諭吉は又「アメリカ」に航し、此度は前に比すれば資本も豊にして、多分に英書を買入れ、一私塾生徒の用に供して不自由なき程のものを携帰たり。即ち其書類は辞書の外、英氏の経済論、「クヮッケンボス」の窮理書、文典、米国史、「バーレー」及び「グードリチ」の万国史、英国史等、何れも皆古今未だ會て目撃せざる所の珍書…」と記載があるように主な資料があげられています。
これらの資料は、【参考資料2】の207ページの記載「これらはひとり福沢の塾の用に供するためのみでなく、紀州和歌山藩、奥州仙台藩のためのものも入っていた」とあるように全ての資料が慶應義塾に所蔵されたわけではありません。
福澤の塾の用に持ち帰った書籍については、【参考資料3】第1章「ヅーフ部屋の流れ」の26ページに「塾生達の勉学のために大量購入して米国から持ち帰った図書には「福沢氏図書記」の朱印が先づ捺印された」と記載があり、「福澤氏図書記」の朱印が捺印されている資料の一覧を公開しています。
【参考資料4】は福澤が渡米で持ち帰った資料を中心に訳書の原拠本が紹介されていますが、すでに除籍されている資料も含まれています。また、【参考資料5】の中に一部「福澤氏図書記」の印がある資料が掲載されています。
仙台藩のために持ち帰った資料については、早稲田大学所蔵の『藩学養賢堂蔵洋書目録』があります。この目録についての解説と目録本文の一部が【参考資料2】に掲載されておりますが、この目録にある書籍については、213ページに「戊辰の混乱の中で、これらの書籍がどうなったかは明らかでない」とあります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 蔵書目録.総合目録 (029 9版)
- 参考資料
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- 1) 慶應義塾編.1969年. 『福澤諭吉全集』第4巻 東京:岩波書店.
- 2) 金子宏二.1981年. 「『藩学養賢堂洋書目録』についてー慶応三年福沢諭吉将来本ー」『福澤諭吉年鑑』8巻, 207-217.
- 3) 慶應義塾大学三田情報センター. 1972年. 『慶應義塾図書館史』 東京: 慶應義塾大学三田情報センター.
- 4) 太田臨一郎. 1976年. 「福澤諭吉著訳書の原拠本について」『福澤諭吉年鑑』3巻, 120-143.
- 5) 慶應義塾福澤研究センター編. 1989年. 『福澤関係文書[microform]』. 東京: 雄松堂.
- キーワード
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- 福澤諭吉
- 渡米
- 慶應3年(慶應三年)
- 仙台藩
- 書籍
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000025090