レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/02/20
- 登録日時
- 2015/09/22 14:54
- 更新日時
- 2015/11/16 15:01
- 管理番号
- 埼久-2015-059
- 質問
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解決
ダイオウイカが日本海にあがるが、それらは元々どこに生息していて、なぜ日本海にやってきたのか知りたい。
- 回答
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質問に関する記述のある、以下の資料を提供した。
「特集 「ダイオウイカ」「深海ザメ」「リュウグウノツカイ」 なぜか「深海生物」大漁で地震学者が心配する「根室沖大地震」!」(『週刊新潮 59巻8号』p40-42 新潮社 2014)
p40-41 ダイオウイカの生息について窪寺水産学博士の意見あり。ダイオウイカは対馬海峡の深部を通過して日本海に入ってくると考えられる。水深650メートルから1000メートル付近、水温5~11度の中層域に生息していることがわかっており、日本海の水深300メートル以深の冷たい層に入り込めない。冬になると海の表層が冷え、ダイオウイカが浅いほうへ押し上げられて衰弱し、風によって日本海に水揚げされると考えられるとあり。
p42 海洋生物と地震の関係について、武蔵野大学島村特任教授の意見あり。
「寒い冬の日本海の風物詩」『産経新聞 2014年2月26日 朝刊 6面』
ダイオウイカがなぜ冬の日本海で多く見つかるかについて、窪寺博士の推測として
「ダイオウイカは、世界の暖かい海の500~1千メートルの深さに広く分布しているとみられるが、目撃例は欧州、日本、ニュージーランドで多い」
「日本海の特殊な海洋構造が関係しているようだと考える。その300~400メートル以深には、日本海固有水と呼ばれる1~0度の冷たい海水がたまっている。ダイオウイカの適水温は、6~10度なので、日本海では他の海域より浅めの水深にいるとみられる。この日本海で、冬に表層が大陸側から冷え始めると、冷たく重い海水が固有水を補給する形で北からダイオウイカの生息層に迫ってくる。それを避けて表層へ移動したところに強い北西風が吹くと、日本に向けて押し流され、新潟県から山口県にかけての海岸に漂着することになるらしい」
「また、ダイオウイカは、筋肉中に含まれる軽いアンモニアの働きで中立浮力を保っているが、急な水温低下に遭って衰弱し、バランス調整力を失って海面に浮かび上がってしまうこともあるのだろう」とあり。
- 回答プロセス
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その他調査済資料
ダイオウイカの生態について記述のある資料
『イカ・タコガイドブック』(土屋光太郎文 山本典暎写真 TBSブリタニカ 2002)
『伝説のイカ宿命の闘い NHKスペシャル』(新日本出版社 2014)
『深海の超巨大イカ NHKスペシャル』(新日本出版社 2013)
『深海の怪物ダイオウイカを追え!』(窪寺恒己著 ポプラ社 2013)
『新鮮イカ学』(奥谷喬司編著 東海大学出版会 2010)
『NHK*ダーウィンが来た! 生きもの新伝説 1 想像を超える巨大生物発見!』(ダイヤモンド社 2007)
「ダイオウイカの深~い謎」(『子供の科学 76巻10号』 誠文堂新光社 2013)
野村昌二著「流行 たかが「イカ」にあらず ダイオウイカがなぜかアツい」(『Aera 26巻39号』p56-58 朝日新聞出版 2013)
質問に関する記述のない資料
『深海の生物学』(ピーター・ヘリング著 沖山宗雄訳 東海大学出版会 2006)
『潜水調査船が観た深海生物』(藤倉克則、奥谷喬司著 東海大学出版会 2012)
『世界大博物図鑑 別巻 2 水生無脊椎動物』(荒俣宏著 平凡社 1994)
『原色日本海岸動物図鑑』(内海富士夫著 保育社 1977)
- 事前調査事項
- NDC
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- 軟体動物.貝類学 (484 9版)
- 一般動物学 (481 9版)
- 参考資料
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- 『週刊新潮 59巻8号』(p40-42 新潮社 2014)
- 『産経新聞 2014年2月26日 朝刊 6面』
- キーワード
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- ダイオウイカ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000180420