レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023年10月25日
- 登録日時
- 2023/11/17 15:33
- 更新日時
- 2024/03/07 09:24
- 管理番号
- 相-230009
- 質問
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未解決
和紙と云う言葉はどのように定義されますか。いつ、だれが作った言葉ですか
- 回答
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「「和紙」という言葉をいつだれが作ったか」について掲載された資料を見つけることはできませんでした。
ご参考になりそうな資料は以下のとおりです。
・『日本国語大辞典 第二十巻』日本大辞典刊行会 小学館 1976
p.643「わし【和紙】」が立項され「わが国で昔からすいている手漉紙をいう」「最近では(中略)機械漉きで和紙に似せた紙」とあります。
・『世界大百科事典 改訂新版 30ル~ワン』平凡社編集部編 平凡社 2007
p.555~558「わし 和紙」が立項され「洋紙に対する名称で、日本で漉かれた手漉きの紙をいうが、現状では手漉紙を模倣した機械漉きの和紙を含めて用いられる」とあります。
『増補改訂明治事物起原 下巻』石井研堂著 国書刊行会 1996
p.1071「洋紙製造の始」の項があり「明治六年三月三日・五月七日(中略)當時、洋紙の缺乏なりし様見るべし」等の記述があります。
p.1079~1080「わら紙の製造」に「明治六年三月」「當時西洋紙は既に内地製品あり」等の記述があります。
p.1487~1493「文房具」の「(一)インキとペン(安政ころの)」に「其時には、勿論洋紙といふものは無い、皆日本紙で紙をよく磨て」、「(九)アメリカ唐紙」に「アメリカ唐紙とは、普通西洋紙のこと」「文久年間に(中略)洋紙を、一種の變り紙と見て貴重せしなるべし」等の記述があります。
・『語源辞典 名詞編』草川昇著 東京堂出版 2003
p.68「かみ 紙」が立項されており「洋紙と和紙とがある」とありますが、「語源」には「木簡・竹簡(中略)簡の字音のカンが転じて、カミとなった」等の記述のみです。
・『古事類苑 文学部 三』細川潤次郎ほか編 古事類苑刊行會 1928
p.1167~1270「文学部四十七 紙」のp.1191に「和唐紙」の項があり、p.1191に「世に和唐紙といへるは、山城の人朝正亭義樂字は中川儀右衛門ぬしの始てたくみ出され(中略)文化三丙寅の春おほやけの御ゆるしをかうふりて、漉製を専らにせられし」等の記述があります。
・『年表でみるモノの歴史事典 下』ゆまに書房編集部編 ゆまに書房 1995
p.129~167「紙」の「和紙略年表」に「記録されている和紙の歴史は六一〇年に始まる」とあり、年表内で「和紙」という表現はp.160「一八六二 文久二年 第二回ロンドン万国博に和紙七五種のほか、から紙など出展」以降に出てきます。
- 回答プロセス
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・事典、辞典をブラウジングして確認
・語源辞典等を確認
・幕末・明治期の用語について確認
・紙の歴史について確認
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813)
- 日本語 (031)
- 参考資料
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世界大百科事典 30 (ル-ワン) 改訂新版. 平凡社, 2007.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009140581-00 -
石井研堂著 , 石井, 研堂. 明治事物起原 : セット,上巻,下巻 増補改訂, 復刻版. 春陽堂書店, 1996.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I004399812-00 -
草川昇 著 , 草川, 昇, 1932-. 語源辞典 名詞編. 東京堂出版, 2003.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004232818-00 , ISBN 4490106289 -
古事類苑 32 文学部3. 古事類苑刊行会, 1928.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I078300998-00 - 年表でみるモノの歴史事典
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世界大百科事典 30 (ル-ワン) 改訂新版. 平凡社, 2007.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000341147