レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年09月11日
- 登録日時
- 2017/11/10 13:34
- 更新日時
- 2018/03/13 13:13
- 管理番号
- 埼熊-2017-096
- 質問
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解決
「困っている他人を助けることは自分を助けることである。言い換えれば、他人を励ますことは自分を励ますことである。」という教えが仏教にあったと記憶しているが、それが載っている本のタイトルと該当ページ数を知りたい。
- 回答
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質問の教えは「他を利するとは即ち自らを利するなり。」である。この言葉については、以下の資料に関連する記述があった。
『仏教名言・名句事典』(須藤隆仙著 新人物往来社 2008)
p153 「他を利するとは即ち自らを利するなり。」の項に、『十住毘婆沙論』七に記述があり、「簡単な語りで仏教教義の根本を示している」とあり。
また、「自利利他」、「自行化他」、「自利利他円満」という言葉もあり、下記資料に掲載されていたため、これを紹介した。
『国訳一切経 印度撰述部 論集部 6』(大東出版社 2002)
『新国訳大蔵経 釈経論部 12 十住毘婆沙論』(大蔵出版 1994)
『親鸞和讃集』(親鸞著 名畑応順校注 岩波書店 1976)
- 回答プロセス
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1 《Google》(http://www.google.co.jp/ Google)を〈人を助けること & 自分を助けること & 仏教〉で検索する。
《国際日本文化研究センター(日文研)》(http://www.nichibun.ac.jp/ja/ 国際日本文化研究センター)ケネス・クラフト著「現代社会に於ける仏教と社会活動」(「日文研フォーラム報告書 第26回『現代社会に於ける仏教と社会活動』」 国際日本文化研究センター 1991.3 http://publications.nichibun.ac.jp/ja/item/foru/1993-01-30-1/pub)
「仏教には「自利利他円満」という言葉があります。人を助けることは自分を助けることになる、つまり自分自身を利することと他の人々を利することとが、究極的には一致するという意味です(略)」とあり。
2 自館資料を〈自利利他円満〉で検索する。
『国訳一切経 印度撰述部 論集部 6』(回答資料)
p162-177「発菩提心経論 巻の上」
『新国訳大蔵経 釈経論部 12 十住毘婆沙論』(回答資料)
p218‐224「巻の第七 五戒品 第十五」
『仏教故事名言辞典』(須藤隆仙著 新人物往来社 1982)
p277-278「自利利他」の項
『親鸞和讃集』(回答資料)
p32「37 自利利他円満して 帰命方便巧荘厳 こゝろもことばもたへたれば 不可思議尊を帰命せよ」
『仏教名言・名句事典』(回答資料)
p153「他を利するとは即ち自らを利するなり。 龍樹『十住毘婆沙論』七」
p156「人に物をほどこせば我が身のたすけとなる。 日蓮『食物三徳御書』」
3 デジタル資料、データベースを調べる。
(1) 《国会図書館デジタルコレクション》(http://dl.ndl.go.jp/ 国会図書館)を確認する。
《国会図書館デジタルコレクション》「聖訓の研究」(志村智鑑著 新潮社 1915)p158「(一〇八)化の功己れに帰す」の項に「人ニ物ヲホドコセバ我身ノタスケトナル。譬ヘバ人ノタメニ火ヲトモセバ我前アキラカナルガゴトシ。」とあり。(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/915810 国会図書館)94コマ
(2) 《聞蔵Ⅱビジュアル》(朝日新聞社)を〈自利利他〉で検索する。
該当記述のある記事なし。
- 事前調査事項
- NDC
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- 仏教 (180 9版)
- 参考資料
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- 『仏教名言・名句事典』(須藤隆仙著 新人物往来社 2008) , ISBN 978-4-404-03557-8
- 『国訳一切経 印度撰述部 論集部 6』(大東出版社 2002) , ISBN 978-4-500-00170-5
- 『新国訳大蔵経 釈経論部 12 十住毘婆沙論』(大蔵出版 1994) , ISBN 4-8043-8006-X
- 『親鸞和讃集』(親鸞著 名畑応順校注 岩波書店 1976)
- キーワード
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- 仏教
- 自行化他
- 自利利他
- 自利利他円満
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000224515