レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年04月23日
- 登録日時
- 2009/08/16 17:32
- 更新日時
- 2010/08/26 14:35
- 管理番号
- 相大-H21-0019
- 質問
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解決
「七重八重 花は咲けども山吹の 実の一つだに なきぞかなしき」
この歌を太田道灌(オオタ ドウカン)が引用した逸話があるが(山吹伝説)歌舞伎などで演じられているものがあるのか。
- 回答
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歌舞伎の「歌徳恵山吹(ウタノトクメグミノヤマブキ)」がこれにあたる。
神奈川県立図書館所蔵の『黙阿弥全集 第14巻』 河竹黙阿弥/著 春陽堂 1934 に収録されているので取寄せ提供した。
- 回答プロセス
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太田道灌が歴史上の人物であることから、まず『日本史大事典①』 平凡社 1992 【S23161466 R210.0】で
「太田道灌」を引いたところ、P1071~1072にあり。その記述の中に、逸話については『常山紀談(ジョウザンキダン)』や
『雨中問答(ウチュウモンドウ)』などに記されているとあり。
歌舞伎については「歌徳恵山吹」の記述あり。
このほか、落語「道灌」がこの逸話を基にしたことも記述あり。
①逸話については、自館OPACで検索したところ『常山紀談 上・中・下』 湯浅 常山/著 岩波文庫 1988 がヒット。
この上巻【S06774194 BF】P36に「太田持資(オオタモチスケ)歌道に志す事」があり。(*持資は太田道灌の俗名)
②歌舞伎は、『歌舞伎・浄瑠璃外題事典』 野島寿三郎/編 日外アソシエーツ 1991 【S11858925 R774】 P74に
「歌徳恵山吹」あり。通称「太田道灌」。
しかし、話の内容については2・3行程度の記述のみ。前述の『日本史大事典』も同様。
『歌舞伎事典』 服部幸雄/編 平凡社 1984 【S05734454 R774】
または『歌舞伎事典 新訂増補』 服部幸雄/編 平凡社 2000 【S18954388 R774】にあたるが、
どちらにも項目なし。
前述の『歌舞伎・浄瑠璃外題事典』より、作者が河竹黙阿弥であることが判ったため、全集などに収録されていないか検索。
自館ではヒットせず。キーワードに「歌徳恵山吹」や「河竹黙阿弥」を用いて神奈川県立図書館横断検索をかけたところ、
神奈川県立図書館にある『黙阿彌全集 第14巻』 春陽堂 1934 がヒット。
注記に「歌徳恵山吹」の記述あり。取寄せて確認したところ、該当演目の台本であることを確認。
③落語「道灌」については該当する棚をみたところ、
『とことん楽しむ落語のすべて』 日本文芸社 1999 【s16931644 779.13】P162~163、
『落語ハンドブック 第3版』 三省堂 2007 P83 【S26577809 779.13】、
『落語入門』 成美堂出版 2008 P115 【S28751402 779.13】に記述あり。
注:【 】内は自館の資料コードと請求記号
- 事前調査事項
- NDC
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- 歌舞伎 (774 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 太田道灌
- 山吹伝説
- 歌舞伎
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 事項調査
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000057223