レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年9月29日
- 登録日時
- 2019/10/02 12:59
- 更新日時
- 2023/11/18 15:24
- 管理番号
- 長野市立長野-19-007
- 質問
-
未解決
季語に「日唐傘」というのがある。それが寺社の祭列などで、お坊さんに差しかける傘の事を指しているのかが知りたい。(日唐傘=祭事に使う大傘なのかどうかということを知りたい。)
- 回答
-
『角川古語大辞典 第5巻』
「ひか/がらかさ」(日傘)「①貴人の外出、寺社の行事、子守に背負われた富家の小児、廓の太夫の道中などに差しかける、長柄の大型の日除け傘。②日除け用に差しかける傘。」
「ひがさ(日傘)」「ひか/がらかさとも。「①古くから貴人が強い日ざしを避けるために用いた指傘。季語、夏。②野外の行列の儀式で、正装の和尚に差しかける長柄の傘。」
『日本国語大辞典 第11巻 第2版』
「ひがらかさ」(日傘)「①貴人・花魁、小児などの外出の時、供人などが後からさしかける長い柄の日よけ傘。②ひがさ(日傘)に同じ」
「ひがさ」(日傘)「さしがさの一種。紙または絹などを張り、日射をさえぎるのに用いるもの。日照傘。」
『角川俳句大歳時記 夏』「日傘 絵日傘・白日傘・日からかさ・パラソル」
こちらでは考証の箇所で、「ひがさ」「ひからかさ」と言う単語が出てくる資料を挙げている。
祭列に使われる大傘と結びつくような明確な記述は無かったが、上記の本をご紹介して調査を終了とした。
- 回答プロセス
-
語源的な意味あいではなく、単純に日唐傘が祭事に使う大傘なのかどうか知りたいとのこと。
『角川古語大辞典 第5巻』p13に「ひか/がらかさ」(日傘)があり。
「①貴人の外出、寺社の行事、子守に背負われた富家の小児、廓の太夫の道中などに差しかける、長柄の大型の日除け傘。②日除け用に差しかける傘。」とある。
同資料のP9「ひがさ(日傘)」があり。
「ひか/がらかさとも。①古くから貴人が強い日ざしを避けるために用いた指傘。季語、夏。②野外の行列の儀式で、正装の和尚に差しかける長柄の傘。」とある。
また、『日本国語大辞典 第11巻 第2版』p161の「ひがらかさ」(日傘)には、
「①貴人・花魁、小児などの外出の時、供人などが後からさしかける長い柄の日よけ傘。②ひがさ(日傘)に同じ」とある。
同資料p152「ひがさ」(日傘)には、
「さしがさの一種。紙または絹などを張り、日射をさえぎるのに用いるもの。日照傘。」とある。
『大辞泉』第2版 p1314「ひ‐がらかさ」【日傘 日唐傘】「ひからかさとも」①日がさ②貴人などが外出のときに、供の者が後ろからさしかける柄の長い日よけの大きな傘 とあり。
次に季語の関係の棚を見る。
『角川俳句大歳時記 夏』p230に「日傘 絵日傘・白日傘・日からかさ・パラソル」とあり。
こちらでは考証の箇所で、「ひがさ」「ひからかさ」と言う単語が出てくる資料を挙げている。
調べた限りだと季語の本や傘の本ではほとんどが「ひがさ(日傘)」と表記されている。傘の歴史の中で日傘のことを、「ひからかさ/がさ」と呼ぶことはあったようだが、祭列に使う大傘と結びついて書かれたものは無かった。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 辞典 (813)
- 参考資料
-
- 『角川古語大辞典 第5巻』 中村幸彦/編 角川書店 1999.03 <R813 コ 5> , ISBN 4-04-011950-9
- 『日本国語大辞典 第11巻』 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001.11 <R813 ニ 11> , ISBN 4-09-521011-7
- 『大辞泉』下巻 小学館 2012.11 <R813タ2>
- 『角川俳句大歳時記 夏』 角川学芸出版/編集 角川学芸出版 2006.5 <911.30 カ> , ISBN 4-04-621032-X
- 『傘』 INAX出版 1995.9 <383カ> , ISBN 4-87275-727-0
- キーワード
-
- 日唐傘 日からかさ 日傘
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000262204