レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/01/06
- 登録日時
- 2022/02/01 12:13
- 更新日時
- 2024/02/22 13:19
- 管理番号
- 00031-220106
- 質問
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菊人形に使う菊の品種はどんなものがあるか。一般に流通はしないのか。
- 回答
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・枚方市制作のDVD「ここが知りたい枚方市2 後世に伝えたい~ひらかた大菊人形~」(2004年)や「菊のまち枚方 菊人形ができるまで」(2005年)では、「70種類の菊を育てている。菊人形専用の菊を地元の農家がつくっている」と説明がある。
・枚方市ホームページには「ひらかた市民菊人形の会 人形菊栽培と菊人形制作の様子」が載っていて、
「菊人形の胴体の部分には人形菊が使われています。人形菊とは、菊人形に使われている茎の柔らかい小菊の総称です。ひらかた市民菊人形の会では、約30種の人形菊の品種を保存栽培しています。(サプリ村野で株を保存)」と説明されている。
ここでは、品種「みのりの秋」を例に写真とともに1年間の栽培の様子が紹介されている。
https://www.city.hirakata.osaka.jp/0000000436.html
・『日本の花卉園芸光と影 歴史・文化・産業』(ミネルヴァ書房 2016)
「江戸時代の浮世絵にも登場するコギクは菊人形や懸崖菊などで用いられており、主に鉢物として栽培・観賞されてきた。」(p.22)と説明があり、コギク「さすけ」の写真がある。
・『わたしは菊人形バンザイ研究者』(新宿書房 2012)
巻末に菊人形の菊についての記述がある。
「菊人形のためにとくべつに栽培された菊。花屋では売られていない。枝をやわらかく、花が先にあつまるように栽培される。聞き取りによれば、奥村伊三郎(嘉永(1848)ごろ~大正二年(1913))が小菊を改良して人形菊を栽培、全国に栽培技術をおしえたのだという。明治四十三年(1910)十一月三日の『大阪朝日新聞』で奥村の息子が人形菊について語っている。」(p.172 )
以上のことから、菊人形に使う菊は小菊を改良したもので、以前は70種類もの菊があったが、現在は30種類ほどを保存栽培している。
品種は、「みのりの秋」など。菊人形専用の菊なので、保存栽培ということで一般の流通にはのらないのではないか。
- 回答プロセス
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所蔵している図書・パンフレット・DVD・枚方市のホームページを参照した。
上記の他にも関連資料にあたってみたが、菊人形の制作についての資料はあっても、使用する菊そのものについては資料が少なかった。
・『菊作り名人奥義 第三巻』(農山漁村文化協会 1997)
巻末に小菊の主な品種の表が載っているが、菊人形用の品種はどれか、ということはわからなかった。
・『日本の花卉園芸光と影 歴史・文化・産業』(ミネルヴァ書房 2016)
説明とともに、コギク「さすけ」の白黒写真がある。
・ひらかたパークでの「ひらかた大菊人形展」は2005年で終了しており、「京阪園芸」や「京阪電鉄」関連資料を探したが見つからなかった。
・品種は枚方市のホームページと『日本の花卉園芸光と影 歴史・文化・産業』に載っている2例しか見つけられなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 造園 (629)
- 参考資料
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川井ゆう 著. わたしは菊人形バンザイ研究者. 新宿書房, 2012.
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I023956339 , ISBN 978-4-88008-433-6 -
今西英雄, 福井博一, 内藤重之, 柴田道夫, 土井元章, 宇田明, 田中孝幸, 西川照子 著. 日本の花卉園芸光と影 : 歴史・文化・産業. ミネルヴァ書房, 2016. (シリーズ・いま日本の「農」を問う ; 11)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I027150698 , ISBN 978-4-623-07309-2
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川井ゆう 著. わたしは菊人形バンザイ研究者. 新宿書房, 2012.
- キーワード
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- 菊人形
- 菊
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000311441