レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年11月29日
- 登録日時
- 2012/12/11 17:44
- 更新日時
- 2012/12/11 17:44
- 管理番号
- 福井県図-20121129-2
- 質問
-
解決
指の爪に半丘があるかと思います。半丘は何か(その役目)、どうしてある人とない人がいるのか、また、同一人物でも半丘があるときとないときがあります(その大きさに違いが生じます)。これらがなぜ生じるのかを教えてもらえますか。
- 回答
-
爪の下のほうにある三日月型の部分のことでよろしいでしょうか。
1.簡潔に表しているサイトがありましたのでご紹介します。
爪で健康状態は本当にわかるか?|web R25
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20120820-00025499-r25
(引用はじめ)
「この爪の根元の白い部分は、“爪半月”と呼ばれます。爪は根元にある爪母で作られ、毎日およそ0.1~0.15mmずつ伸びていくのですが、できたての爪は水分を多く含んでいるため、このように白く見えるんです。爪の根元は甘皮で包まれているため、この甘皮がしっかり付いているほど爪半月は小さく見えます。つまり健康状態とは無関係に、指先をよく使う作業をしている人などはこの甘皮が剥がれやすく、結果として爪半月が大きく露出することになります」
そもそも爪の成長スピードには多少の個人差があり、成長が早いほど爪半月は大きくなる傾向があるという。だから、他人と比較して爪半月が大きかったり小さかったりしても問題はない、と鈴木先生。
(引用終わり)
2.当館所蔵資料『爪は病気の警報機』毎日一回、「じっと手を見る」健康診断 東禹彦/著 1997.10 祥伝社 ISBN:4-396-10394-8(請求記号:494.8/ヒカシ 資料コード:1012889273)
の要旨を書き出します。
(1)爪半月の役割は、爪を作っている爪母に相当。すなわち、爪母の中で爪の根元の皮膚、後爪廓で覆われていない部分。
(2)爪の根元の爪半月が乳白色になっているのは、水分を多く含んでいるから
(3)爪半月の正体は、爪母の中で後爪廓に覆われていない部分なので、目に見える爪母の部位。
(4)爪甲は爪母で作られるため、爪甲がある限り爪母はある。つまり、爪半月が見えるか見えないかは、後爪廓の位置で決まる。
(5)爪半月の出現頻度を調べると、幼児では出現率が低く、二十歳前後で出現率は最高に。その後、出現率は徐々に低下し、五十歳を過ぎるころから急速に低下する。
(6)二十歳前後の男性の場合は、親指の爪半月出現率はおよそ95%。薬指で約75%、人差し指で約85%、中指で約85%、薬指で約75%、小指で約35%というところ。一方女性は、男性よりも5~10%低くなる。
(7)健康な二十代の男女200人については、爪半月が全くない人が6人、一~二本の指にだけ出現している人が49人、9~10本の指が55人と報告されている。
(8)爪半月の出現には手を使う作業が関係してくる。後爪廓を後退させるような作業、たとえば、素手で食器を洗う、農作業やガーデニング、甘皮を取り除くなどでも、出現率は高くなる。
- 回答プロセス
-
1.爪は皮膚の一部なので、皮膚科学の本を見る。
・『標準皮膚科学』第8版 2007.3 医学書院 ISBN:978-4-260-00311-7(請求記号:494.8/ヒヨウ 資料コード:1015116112)
p.28 「爪甲nail plateは硬い板状の構造物で、近位深部の爪母nail matrixで増殖した細胞が角化して作られ、遠位へ伸長する。この角化では、ケラトヒアリン顆粒はみられず、層板顆粒は形成される。爪甲の根元にはまだ爪甲の角化が不十分なため、乳白色の爪半月がみられる。」
・『皮膚の事典』溝口昌子/[ほか]編 2008.2 朝倉書店 ISBN: 978-4-254-30092-5 (請求記号:494.8/ヒフノ 資料コード:1015195710)→『標準皮膚科学』以上のことは載っていない。
2.自館OPACで、「爪」を検索→『爪は病気の警報機』毎日一回、「じっと手を見る」健康診断 東禹彦/著 1997.10 祥伝社 ISBN:4-396-10394-8(請求記号:494.8/ヒカシ 資料コード:1012889273)東氏は、市立堺病院副院長で医学博士(執筆当時)
・p.22
(1)爪半月の役割は、爪を作っている爪母に相当します。すなわち、爪母の中で爪の根元の皮膚、後爪廓で覆われていない部分です。
(2)爪の根元の爪半月が乳白色になっているのは、水分を多く含んでいるから
・p.24「”爪の三日月が大きいほど健康”は本当?」
(1)爪半月の正体。爪母の中で後爪廓に覆われていない部分なので、目に見える爪母の部位。
(2)爪甲は爪母で作られるため、爪甲がある限り爪母はある。つまり、爪半月が見えるか見えないかは、後爪廓の位置で決まる。
(3)爪半月の出現頻度を調べると、幼児では出現率が低く、二十歳前後で出現率は最高に。その後、出現率は徐々に低下し、五十歳を過ぎるころから急速に低下する。
(4)二十歳前後の男性の場合は、親指の爪半月出現率はおよそ95%。薬指で約75%、人差し指で約85%、中指で約85%、薬指で約75%、小指で約35%というところ。一方女性は、男性よりも5~10%低くなる。
(5)健康な二十代の男女については、爪半月が全くない人が六人、一~二本の指にだけ出現している人が49人、9~10本の指が55人と報告されている。
(6)爪半月の出現には手を使う作業が関係してくる。後爪廓を後退させるような作業、たとえば、素手で食器を洗う、農作業やガーデニング、甘皮を取り除くなどでも、出現率は高くなる。
3.「“爪半月” 医院」をキーワードにGoogleで検索→爪で健康状態は本当にわかるか?|web R25http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20120820-00025499-r25 を発見。(爪半月と医院を掛け合わせたのは、医師が書いているような、医学的根拠に基づいた記事を探したかったから。)
- 事前調査事項
- NDC
-
- 外科学 (494 8版)
- 参考資料
-
- 『爪は病気の警報機』毎日一回、「じっと手を見る」健康診断 東禹彦/著 1997.10 祥伝社 ISBN:4-396-10394-8 (請求記号:494.8/ヒカシ 資料コード:1012889273)
- キーワード
-
- 爪
- 爪半月
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000115480