レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年11月02日
- 登録日時
- 2023/02/07 15:03
- 更新日時
- 2023/04/15 12:53
- 管理番号
- 関大総図 22A-15J
- 質問
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解決
「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」(平成23年6月22日法律第72号)により、老人福祉法 第14条4に、「・・・権利金その他の金品を受領してはならない」との規定が追加された理由を知りたい。
- 回答
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まず、当該改正の公布につき厚労省から各都道府県へ出された通知(老発第0622第1 平成23年6月22日)に着目すると、「有料老人ホーム等の利用者保護」(第3二)として「老人福祉法第14条の4第1項及び第29条第6項関係」と説明されています。 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb7394&dataType=1&pageNo=1 【最終アクセス日:2023/02/07】
それゆえ、今回のご質問は「第14条4」ですが、これに特化せず、第29条6項含め、広く「有料老人ホーム等の利用者保護」規定が追加された理由を調査しました。
手掛かりとして、厚労省作成資料「介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて」があります。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000038005_1.pdf 【最終アクセス日:2023/02/07】
上記資料のスライド番号16では、「権利金等の受領禁止」として、権利金等は、利用者にとって何に対する対価であるのかが不明確で、トラブルの原因の一つとなっており、第29条6号において、利用者保護の観点から、権利金等を受領しないことを事業者に義務づけることとした旨説明があります。加えて、当スライドに「H22消費者委員会の建議を受け老人福祉法を改正」との記載がありましたので、次に、この建議を探しました。
結果、当該建議は、消費者委員会2010年12月17日「有料老人ホームの前払金に係る契約の問題に関する建議」に相当することがわかりました。https://www.cao.go.jp/consumer/iinkaikouhyou/2010/index.html#lst12 【最終アクセス日:2023/02/07】
この建議では、老人ホームにかかる前払金の返還に関する消費者からの苦情が後を絶たないことが指摘され、具体的なトラブル内容や、改善案が提案されています。
そして、上記建議への対応が、第62回 消費者委員会(2011年7月15日)において報告されています。資料によれば、当建議を受け、「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」(平成23年6月22日法律第72号)により、利用者保護の観点から「家賃、敷金及び介護等のサービス費用を除き、権利金等を受領してはならないこと」を事業者に義務付ける法制化の措置を講じた旨が説明されています(第62回 消費者委員会(資料5-1) 「有料老人ホームの前払金に係る契約の問題に関する建議」に対する厚生労働省の実施状況について うち建議事項①(1) 、および当委員会の議事録を参照)。
https://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2011/062/gijiroku/index.html 【最終アクセス日:2023/02/07】
以上から、今回お尋ねの改正理由については、上記の建議および、その応答である第62回 消費者委員会関連資料が参考になると思われます。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会保障 (364)
- 社会福祉 (369)
- 参考資料
- キーワード
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- 高齢者福祉--法令--日本
- 介護福祉
- 老人福祉施設
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 大学院生
- 登録番号
- 1000328671