レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年02月15日
- 登録日時
- 2012/02/14 16:02
- 更新日時
- 2012/08/30 13:48
- 管理番号
- 97-C-9
- 質問
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解決
八百八狸について知りたい。
- 回答
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【資料1】で、「刑部狸(ぎょうぶだぬき)」を調べると、次のように記載されている。
「松山騒動」に登場する伊予八百八狸の首領。お家乗っ取りをたくらむ松山藩家老奥平久兵衛に対して、その邪魔だてに活躍するのが刑部狸と、その率いる眷属。悪臣一派は、犬の乳で育った後藤小源太をさそい込んで狸退治にのりだし、刑部狸は心ならずも協力して松山城下には怪異が相次ぐ。また神杖を使う稲生武太夫は小源太の策略にのって、ついに狸どもを久谷の山奥に封じこんでしまう。しかし刑部狸の正義の思いを知って忠臣派に味方し、こうして悪事は露見、めでたくお家は安泰という筋書き。
小源太に仮託される犬と狸との久谷の古寺における対決、美女に化けた雌狸が武太夫を籠絡するくだり、主君に諫言して、切腹させられる忠臣山内与兵衛、味酒の長久寺での藩祖の法要の席で位牌が狸の顔に変わるなど、善玉悪玉入り乱れての物語が展開される。もちろん史実ではないが、享保一七年(一七三二)の大飢饉から寛保元年(一七四一)までの藩主の死去と、これに伴う家老の交代を下敷きに、お家騒動の話に仕立てたもので、昭和初期ごろまで講談本などで流布された。
また、【資料2】で「たぬき」を調べると、次のような記述がある。
[狸の民俗] (中略)日本の三大狸といった場合、「伊予の松山騒動八百八狸」、上総の国木更津の「証城寺の狸ばやし」、上州館林茂林寺の「文福茶釜」が挙げられるが、カチカチ山の狸や、阿波の狸合戦も有名。松山市久谷町中組には、「八百八狸」をまつった祠がある。(後略)
[狸の伝説] (中略)松山藩御家騒動に登場する刑部狸の活躍は『伊予名草』(文化二年=一八〇五)として刊行され、講談師田辺南龍が「松山騒動八百八狸」として口演した。
そして、上記の「松山市久谷町中組には、「八百八狸」をまつった祠がある。」という事から、【資料3】を調べてみると、
第一〇章 民俗 一二 伝説 の項に
山口霊神と八百八狸 (富田狸通著 「たぬきざんまい」より)
があり、5ページに渡った詳しい記述がみられる。
他に、【資料4】にも、「八百八狸物語」の一項が見られる。
- 回答プロセス
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(1)【資料2】で、「八百八狸」を調べるが、「やおはちだぬき」「はっぴゃくやだぬき」の読みでは記載がないので、「たぬき」で調べると、[狸の民俗][狸の伝説]という項に記載あり。
(2)【資料1】で、「刑部狸(ぎょうぶだぬき)」を調べると、記載あり。
(3)【資料2】に記載されている、「松山市久谷町中組には、「八百八狸」をまつった祠がある。」という事から【資料3】を調べてみると、第一〇章 民俗 一二 伝説の項に、山口霊神と八百八狸 (富田狸通著 「たぬきざんまい」より)があり、5ページに渡った詳しい記述あり。
(4)他に、【資料4】にも、「八百八狸物語」の一項あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388 9版)
- 四国地方 (218 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】 『愛媛県百科大事典 上 (あ~し)』 愛媛新聞社愛媛県百科大事典編集委員室/編集 愛媛新聞社 1985年 <請求記号:R /K290 /63 /1>
- 【資料2】 『愛媛県百科大事典 下 (す~わ)』 愛媛新聞社愛媛県百科大事典編集委員室/編集 愛媛新聞社 1985年 <請求記号:R /K290 /63 /2 >
- 【資料3】 『久谷村史』 久谷村史編纂委員会/編集 久谷村 1967年 <請求記号:K293.1 /24 >
- 【資料4】 『拾録味酒史』 久保 正留/著・発行 1980年 <請求記号:K231 /42 >
- キーワード
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- 刑部狸 ぎょうぶだぬき
- 狸 たぬき
- 八百八狸 はっぴゃくやだぬき
- 松山騒動 まつやまそうどう
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 事例出典『郷土資料に関する調査・相談事例集』 愛媛県図書館協会・愛媛県立図書館/編集 愛媛県立図書館 1997年
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000101469