レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年06月01日
- 登録日時
- 2017/09/01 11:08
- 更新日時
- 2018/01/05 20:24
- 管理番号
- 千葉市中央119
- 質問
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解決
曲亭馬琴は江戸の深川生まれで千葉県や里見氏にはなんの縁もゆかりもない。なぜ縁もゆかりもない千葉を舞台にした「南総里見八犬伝」を書いたのか。
- 回答
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・「公開講座『文学史と房総』 3 南総里見八犬伝の世界」
82ページ「夢とロマンの八犬伝のワールド」に詳しく書かれている。これによると、「八犬士伝序」に執筆の動機が書かれている。「夢の中で南総から訪ねてきた頭陀という旅の僧から里見八犬士の話を聞き、この話を書いてほしいと頼まれた。しかし、夢から覚めると話の内容を忘れてしまっていたので『里見記』や『房総治乱記』などの資料を紐解き、『水滸伝』や『三国志演義』などを参考に書いた」という内容が書かれている。
・「南総里見八犬伝」
3ページに「八犬士伝序」が掲載されている。
・「南総里見八犬伝考 馬琴小論」
153~154ページに記載がある。これによると「槙島昭武の『合類大節用集』などに名前だけ見える里見八賢(剣・犬)士を取り上げ(中略)中国の『水滸伝』の想を受け」とある。また、「もともと、渡り徒士のような軽輩者あがりの戯作者である馬琴は、その話(徳川幕府の政策の罠にはまり里見家はお家断絶、里見家の軽輩者(犬侍)八名は殉死)を伝え聞いて心情上で共感するものがあったのではないか」とある。
また、224~225ページには「馬琴をしてこのような作品を書くようにしむけたのも、実は当時の関八州の虐げられた農民たちの世直しを待望する心情だったのではなかったかと考えられてくるのである」とある。
・「滝沢馬琴 新潮古典文学アルバム 23」
48~49ページに記載がある。
・「房総里見一族」
213~214ページに実在した「八賢士」について書かれている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本文学 (91)
- 参考資料
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日本研究センター刊行物編集委員会/編 , 日本研究センター刊行物編集委員会. 公開講座『文学史と房総』 : 南総里見八犬伝の世界 3. 城西国際大学, 2004.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I011649341-00 -
曲亭馬琴 作 , 小池藤五郎 校訂 , 曲亭, 馬琴, 1767-1848 , 小池, 藤五郎, 1895-. 南総里見八犬伝 1. 岩波書店, 1984.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001709363-00 , ISBN 4000043110 -
荒川法勝 編 , 荒川, 法勝, 1921-1998. 南総里見八犬伝考 : 馬琴小論. 昭和図書出版, 1980.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001484381-00 -
徳田武, 森田誠吾 [著] , 徳田, 武, 1944- , 森田, 誠吾, 1925-2008. 滝沢馬琴. 新潮社, 1991. (新潮古典文学アルバム ; 23)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002099750-00 , ISBN 4106207230 -
川名登 著 , 川名, 登, 1934-2011. 房総里見一族 増補改訂版. 新人物往来社, 2008.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009295207-00 , ISBN 9784404035226
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日本研究センター刊行物編集委員会/編 , 日本研究センター刊行物編集委員会. 公開講座『文学史と房総』 : 南総里見八犬伝の世界 3. 城西国際大学, 2004.
- キーワード
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- 里見氏
- 曲亭馬琴
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000221317