レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 1998/10/01
- 登録日時
- 2007/03/16 02:11
- 更新日時
- 2008/06/18 18:23
- 管理番号
- 埼久-1998-060
- 質問
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解決
「我々は何処から来て何処へ行くのか」という言葉は、誰が言ったものか。
- 回答
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カーライルの『衣服哲学』(石田憲次訳 岩波文庫 原著の初出:1833-1834年「フレーザー雑誌」)p77に、「何処から来たのであるか?どうして存在するのであるか?何処へ行くのであるか?」という質問と類似の記述が見られる。
また、ゴーギャンの油彩画にも、「我々はどこから来たか 我々は何者か 我々はどこに行くのか」(1897年制作 邦題は『ゴーギャン アサヒグラフ別冊 美術特集 西洋編』による。言い回しは資料により多少の違いあり。)という題名のものがある。ゴーギャンは『衣服哲学』を読んでいた可能性が大きい。
- 回答プロセス
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名言・格言事典、哲学関係の資料等を探索するが記載なし。
職員の記憶に、類似の題名のゴーギャンの油彩画あり。この絵から探索する。
『タヒチのゴーギャン』原注に、「この表題をゴーギャンはカーライルの『衣装哲学』のなかで見つけたにちがいない」とあり、1895-1897年に「衣装哲学」の仏訳が掲載された雑誌をゴーギャンが予約購読していたことも書かれている。
『ゴーギャン アサヒグラフ別冊 美術特集 西洋編』にも、「題名はあまりにロマン主義的かつ本質的なものなので、その源泉探しにあまり意味はないだろう(バルザックなりカーライルによったともいわれるが格別の根拠はない)。」とある。
カーライル『衣服哲学』(邦題は異なるが「衣装哲学」と同一)を探索する。
なお、『衣装哲学の形成』p49によると、カーライルは、シラー、ゲーテ、カント等多くの文学者・哲学者から強い影響を受けており、人間の自己探求という根源的な命題に関わる記述であるため、カーライルが最初に言った言葉かどうかは確定はできない。
上記以外の調査資料
『世界名言辞典』『ラルース世界ことわざ名言辞典』『フランス名句辞典』『世界ことわざ大事典』『故事ことわざ辞典』(東京堂出版)『新聖書語句辞典』『世界思想教養辞典』『岩波哲学・思想事典』『ちくま哲学の森 別巻 定義集』『ゴーギャン 私の中の野生』(「知の再発見叢書 13」)『ノア・ノア』ほか
- 事前調査事項
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「世界を動かした名言」「東西名言辞典」
- NDC
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- 人生訓.教訓 (159 9版)
- 参考資料
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『衣服哲学』(カーライル 岩波書店 1986)
- 『タヒチのゴーギャン』(B.ダニエルソン 美術公論社 1984)
- 『ゴーギャン アサヒグラフ別冊 美術特集 西洋編』(朝日新聞社 1990)
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『衣服哲学』(カーライル 岩波書店 1986)
- キーワード
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- 格言
- 言葉
- Gauguin Paul(ゴーギャン ポール)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000033987