レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2023/01/26
- 登録日時
- 2023/02/02 00:30
- 更新日時
- 2023/02/14 11:47
- 管理番号
- 秋田-2870
- 質問
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解決
宮本武蔵が仙北郡強首地区(大沢郷周辺含む)に来遊したことが語り継がれており、『二天記』に載っていると聞いた。記載のある資料はあるか。
- 回答
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記載のある資料は確認できず。参考までに以下の資料を案内。
①『西仙北町史 先史〜近世編』(西仙北町郷土史編纂委員会/編、西仙北町、1995、214.7/ニニ/郷)資料番号:128569217
②『新考・宮本武蔵』(遊佐京平/著、無明舎出版、2003、789/ユシ/郷)資料番号:124317397
③『肥後文献叢書 第2巻』(武藤厳男/編、隆文館、1909-1910)
https://dl.ndl.go.jp/pid/766733 (確認日付:2022.12.24)
④『秋田のお寺 第3集』(秋田魁新報社事業局/編、秋田魁新報社、1980、185/アア/3郷)資料番号:111329033
⑤『つれづれに』(佐藤好攻/著、2003、A914/767/)資料番号:128908985
⑥『森鴎外歴史文學集 第4巻』(森鴎外/著、岩波書店、2001、918.68/モオ/4)資料番号:121722417
⑦『角川日本地名大辞典 5 秋田県』(角川日本地名大辞典編纂委員会/編、角川書店、1980、290/カカ/郷)資料番号:129109104
- 回答プロセス
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1.所蔵資料調査にて「大沢」をキーワードに検索。下記資料が該当。
①『西仙北町史 先史〜近世編』(西仙北町郷土史編纂委員会/編、西仙北町、1995、214.7/ニニ/郷)資料番号:128569217
→P886-P887 五輪様と呼ばれるお堂についての記載あり。「大沢郷地区の椒沢村に五輪様のお堂がある。別当は佐藤弥治右衛門家である。」との記載あり。宮本武蔵に関する記載は確認できず。
2.所蔵資料検索にて「宮本武蔵」をキーワードに検索。下記資料が該当。
②『新考・宮本武蔵』(遊佐京平/著、無明舎出版、2003、789/ユシ/郷)資料番号:124317397
→P131-P134『二天記』に記載されている宮本伊織のについて「もうひとりの養子、宮本伊織について『二天記』には次のように記されている。武蔵が出羽路の正法寺原を通ったとき、道端に十三、四の少年が鰌の桶を持っているのに出会った。(中略)少年の父親は元武士で、最上藩士だった。ゆえあって浪人となり、正法寺村で農業をやっていた」との記載あり。
3.国立国会図書館デジタルコレクションにて「二天記」を確認。
③『肥後文献叢書 第2巻』(武藤厳男/編、隆文館、1909-1910)
https://dl.ndl.go.jp/pid/766733 (確認日付:2022.12.24)
→P177-197(コマ数:94-104)
4.調査資料より、所蔵検索にて「正法寺」をキーワードに検索。下記資料が該当。
④『秋田のお寺 第3集』(秋田魁新報社事業局/編、秋田魁新報社、1980、185/アア/3郷)資料番号:111329033
→P199-P200 『二天記』に記載されている寺社と同じ名前の正法寺についての記載あり。横手市にある寺社。宮本武蔵に関する記載は確認できず。
5.所蔵資料検索にて「佐藤好攻」をキーワードに検索。下記資料が該当。
⑤『つれづれに』(佐藤好攻/著、2003、A914/767/)資料番号:128908985
→P139-P143 宮本武蔵についての記載あり。「ところで森鴎外著「都甲太兵衛」という短篇歴史小説の中に次の記述がある。(中略)さて、話を伊織の出生地に戻そう。「正法寺が原」が鴎外の言うように強首野の続きということになると、そこは、現西仙北町大沢郷ということになる。」との記載あり。
6.所蔵資料検索にて「都甲太兵衛」をキーワードに検索。下記資料が該当。
⑥『森鴎外歴史文學集 第4巻』(森鴎外/著、岩波書店、2001、918.68/モオ/4)資料番号:121722417
→P31-P33 宮本伊織についての記載あり。「わたくしは正法寺と云ふ地名を求めたが、見えなかつた。後に聞けば羽後国仙北郡強首野の続きに此地名があるさうである。伊織の故郷はそこではあるまいか。」また、注釈に「初出「羽前にも羽後にも見出されない。只羽後国雄勝郡大沢に上法寺と云ふ土地がある。「正法寺」或いは上法寺か。」との記載あり。
6.参考資料の地名辞典を調査。下記資料が該当。
⑦『角川日本地名大辞典 5 秋田県』(角川日本地名大辞典編纂委員会/編、角川書店、1980、290/カカ/郷)資料番号:129109104
→P148-P150「大沢」の地名に関する記載あり。
P148 大沢(雄物川町)の項「雄物川の西岸部、雄勝郡の北端部に位置する。(中略)付近の山中は古代からの修験場であり、上法寺喜楽院は養老7年阿部本麻呂の創立と伝えられる。中世にも郡境の要地として天正10年大沢山合戦や大沢山路越えの軍勢移動などに関連して地名が伝えられている。」との記載あり。
P150 大沢郷(西仙北町)の項「戦国期から見える地名で出羽国由利郡のうち。最上氏家臣楯岡氏が慶長17年実施の「由利郡中慶長年中比見出検地帳写」に「大沢郷」483石余とあるのが初見。(中略)中世遺跡や伝承から打越氏、最上氏の中世以来の支配が確実とみられる。」との記載あり。
記載の無かった資料は以下の通り。
×『西仙北郷土誌 近代篇』(西仙北町郷土史編纂委員会/編、秋田県西仙北町役場、1976、214.7/ニニ/郷)資料番号:128569233
×『郷土調査 3-134 仙北郡西仙北町の内旧強首村』(秋田県教育委員会/編、A361/3-134/)資料番号:112391545
×『宮本武蔵大事典』(加来耕三/編、新人物往来社、2003、R789.3/ミミ/)資料番号:122027675
×『雄物川町郷土史』(雄物川町郷土史編纂会/編、雄物川町、214.8/オオ/郷)資料番号:124015884
- 事前調査事項
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昭和50~60年代に佐藤好攻氏が秋田魁新報に関連記事を掲載。(質問者が当時の記事を所持していたが、日付が書かれていないためいつのものか不明。レファレンス受付時は持参しておらず、未確認。)
- NDC
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- 歴史 (2)
- 文学 (9)
- 参考資料
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- 西仙北町史先史〜近世編西仙北町郷土史編纂委員会/編西仙北町
- 新考・宮本武蔵遊佐 京平/著無明舎出版
- 秋田のお寺第3集秋田魁新報社事業局/編秋田魁新報社
- つれづれに佐藤好攻/著佐藤好攻
- 鴎外歴史文学集第4巻森 鴎外/著岩波書店
- 角川日本地名大辞典5「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編角川書店
- キーワード
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- 宮本武蔵(ミヤモトムサシ)
- 二天記(ニテンキ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000328491