吉屋信子が宇都宮に居住した時期についての記述が確認できた資料を以下にご紹介します。
・『吉屋信子全集 12』(吉屋信子/著 朝日新聞社 1976)
p.545-577「年譜 吉屋千代 編」の「大正四年(一九一九)」の項に、「父が郡長を退職し、日本赤十字支部主事として宇都宮に転じたので一家も移転した(略)この年の夏、宿願の上京を果たした。(略)」とあります。(p.550)
・『吉屋信子 隠れフェミニスト』(駒尺喜美/著 リブロポート 1994)
p.265-278「略年譜」の項、大正四年に宇都宮に転じ、この年の夏に上京したとの記載があります。(p.267)
参考資料として『吉屋信子全集』所収 吉屋千代氏作成年譜が記載されています。
・『吉屋信子 投書時代 逞しき童女 シリーズ・人間図書館 作家の自伝 66』(吉屋信子/著,松本鶴雄/編 日本図書センター 1998)
p.265-272「年譜」の「大正四年(一九一九) 十九歳」の項に、大正四年に宇都宮に転じ、この年に上京したとの記載があります。(p.267)
参考資料として、上記『吉屋信子 隠れフェミニスト』と同様に『吉屋信子全集』所収 吉屋千代氏作成年譜が記載されています。
・『吉屋信子 黒薔薇の處女たちのために紡いだ夢』(河出書房新社 2008)
p.174-175「吉屋信子略式年表」の「一九一五年(大正4)19歳」の項に、宇都宮に転居し、夏に上京したとの記述があります。(p.174)
参考資料として「生誕110年 吉屋信子展―女たちをめぐる物語」図録(県立神奈川近代文学館発行)」が記載されています。
・「国文学 解釈と教材の研究 53巻 10号 (770)」(学燈社 2008)
p.194-197「≪連載≫逍遥・文学誌(205) 「女の世界」の「大正婦人録」」(紅野敏郎/著)に、「大正婦人録」から引用された吉屋信子の項が掲載されており、現住所が宇都宮となっています。(p.197)
なお、「大正婦人録」は大正五年五月に出版された号から掲載されたと記述がありますが、吉屋信子に関する引用が何年出版の号かは明記されていませんでした。
・『ゆめはるか吉屋信子 秋灯机の上の幾山河 上』(田辺聖子/著 朝日新聞社 1999)
p.183に、吉屋信子自身が書いた「自筆年譜」には、父親が宇都宮に転勤になったのは大正三年の冬だったとあるが、千代氏による年譜にある、大正四年に宇都宮に転居したとの記述と異なっている旨の記述があります。
以下の資料はお調べしましたが、関連の記述を確認できませんでした。
・『現代長篇小説全集 18』(吉屋信子/著 新潮社 1929)
・『婦人作家評伝』(板垣直子/著 日本図書センター 1987)
・『物語大正文壇史』(巌谷大四/著 文藝春秋 1976)
・『昭和史講義 戦前文化人篇』(筒井清忠/編 筑摩書房 2019)
・『風を見ていたひと』(吉屋えい子/著 朝日新聞社 1992)
・『下野人物風土記 第1集』(栃木県連合教育会 編、発行 1971)