レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年09月17日
- 登録日時
- 2014/09/20 15:50
- 更新日時
- 2015/10/22 15:14
- 管理番号
- 相大-H26-017
- 質問
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解決
短歌を作成しているが、歌の終わりを「増ゆる」としたい。活用の仕方が合っているか確認したい。なお、「増える」は使用したくない。
- 回答
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『広辞苑 第6版』 新村出/編 岩波書店 2008によると
増えるは
口語だとア行下一段活用、
文語だとヤ行下二段活用である。
よって文語は、
ふ(え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ)となるため
終止形で「増ゆ」、連体形で「増ゆる」となる。
ただし、古語辞典には「増える」はない。
古語としては「添はる」、「増す」、「増さる」を同様の意味としている。
- 回答プロセス
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活用形を確認するために参考資料の棚にある古語辞典で「増える」を引く。
いくつかの出版社の辞典で探すが見つからないため、下記の資料から「増える」を引く。
『現代語から古語を引く辞典』 芹生公男/編 三省堂 2007 【s25192097 R813.6】
p478 ふ・える[増] そはる[添] まさる・ます[増]
との記載あり。
増えるは古語ではないことが分かる。
広辞苑の増えるの項目で活用形を確認する。
『広辞苑 第6版』 新村出/編 岩波書店 2008 【s25265364 R813.1】
p2427 ふ・える[殖える・増える]自下一、文語ふ・ゆ(下二)
と記載あり。
口語はア行下一段活用、文語はヤ行下二段活用と分かる。
活用表の確認をするために参考資料の棚にある国語便覧を探す。
『カラー版新国語便覧 改訂増補』 松本洋介/著 第一学習社 2002 【s25265158 R910】
p381に動詞(文語)の活用表と動詞(口語)の活用表あり。
回答の前に短歌についての情報を確認するために文学の棚を探す。
『知っ得短歌の謎』 国文学編集部/編 学燈社 2007 【s26470849 911.16】
p198-199によると「短歌には五・七・五の定型以外に、形式上あるいは表現上の制約はない」ということと「現在もなお文語的な語法や表現や文法に従った短歌が多く見受けられる」ということが分かった。
注:【 】は自館の資料コードと請求記号
- 事前調査事項
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利用者の電子辞書の古語辞典で検索したが出てこなかった。
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
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- 『広辞苑 第6版』 新村出/編 岩波書店 2008
- キーワード
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- 短歌
- 古語
- 活用
- 口語
- 文語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000160088