レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年09月15日
- 登録日時
- 2019/09/15 19:29
- 更新日時
- 2019/11/23 14:16
- 管理番号
- 塩尻453
- 質問
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解決
学校のレポートで明治~大正~昭和の戦前の児童文学作品を取り上げる課題が出ている。この時代の児童文学で課題に沿う作品を探したいがどうすればいいか。(具体的な作品名と内容を書く必要がある。)
- 回答
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課題では対象となる時代が「明治~大正~昭和の戦前」と幅広い上、質問者ご本人が「どんな観点で作品を選びたいか」方向が定まっておらず、具体的に作品を選ぶことがまだできない状態だった。
そこで児童文学を扱う資料の中から、戦争に関する時代の流れと児童文学の関係を述べる中で、具体的な児童文学作品のタイトル・内容などを挙げている【資料1】~【資料3】を紹介。
作品選びの観点を考えるとともに、具体的にどんな作品を読みたいか、あたりをつけるよすがとしていただいた。
- 回答プロセス
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課題についてインタビューしたところ、授業や参考書のねらいとして「第二次世界大戦の前と後で児童文学を取り巻く状況の変化」を取り上げ、「戦前」と「戦後」を対比して考察することが重要なようだった。
そこで当館の児童書に関する参考資料を集めた「児童書読書案内」コーナーで利用者と書架にあたった。
戦争に関わる児童文学を取り上げた資料としては「児童文学史」関連が3冊あり、それらを案内した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 児童文学研究 (909)
- 参考資料
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【資料1】鳥越 信、長谷川 潮『はじめて学ぶ日本の戦争児童文学史 (シリーズ・日本の文学史 8) 』ミネルヴァ書房
2012年 NDC:909 , ISBN 9784623062348 (近代以降の日本における戦争児童文学の流れを取り上げている。
この本では「戦争児童文学」の定義を(反戦的、平和指向的な作品だけに限らず)「今は好戦・侵略的な作品も含めて、すべてが戦争児童文学と総括されるようになった」としている。
その上で、(1)時代に沿った記述(「日清・日露戦争」~大正デモクラシー~日中戦争・太平洋戦争、戦時下の抵抗児童文学、内務省とGHQの言論統制~戦後の戦争児童文学)や(2)本の種類(科学読物、絵本など)、(3)取り上げる題材(原水爆、空襲、疎開など)といった章立てで書き進めている。それぞれの項目に該当する具体的な作品名が挙がっている。) -
【資料2】鳥越 信『はじめて学ぶ日本児童文学史 (シリーズ・日本の文学史 1) 』ミネルヴァ書房2001年 NDC:909
,
ISBN 9784623032525
(近代の日本児童文学を時代に沿って取り上げている。
第四部「児童文学冬の時代」(昭和恐慌以降)と第五部「十五年戦争下の児童文学」がご質問に該当する内容。) - 【資料3】長谷川 潮『児童戦争読み物の近代 (日本児童文化史叢書 21) 』久山社 1999年 NDC:909 , ISBN 4906563813 (8つの章立てで「日清戦争」や「国定教科書」「日米開戦」などのポイントに沿って、具体的な作品名を挙げながら児童戦争読み物を論じている。)
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【資料1】鳥越 信、長谷川 潮『はじめて学ぶ日本の戦争児童文学史 (シリーズ・日本の文学史 8) 』ミネルヴァ書房
- キーワード
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- 児童文学
- 戦争児童文学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 当館「児童書読書案内」コーナーにある一般的な「ブックリスト」の類には、戦前・戦後とも、平和的で子どもに好まれる作品がほとんどで、戦争児童文学はあまり見当たらなかった。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000261439