レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年03月14日
- 登録日時
- 2017/03/30 17:08
- 更新日時
- 2017/06/30 15:47
- 管理番号
- tr481
- 質問
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解決
ヤシオツツジやヤシオマスに使われている「ヤシオ」の語源を知りたい。
- 回答
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ヤシオツツジやヤシオマスに使われている「ヤシオ」の語源については諸説あるようで、調査の過程で2種類の説を確認しました。
また、「ヤシオ」の漢字表記について、「ヤシオツツジ」では「八潮」「八塩」、「ヤシオ」(単語)では「八入」を確認しました。
1 「八潮(やしお)」説
・『県花県木』(松田修/著 保育社 1969)
p.19-20「栃木県」の項に「ヤシオは八潮で、幾度も染液に浸して濃く染めること、また染めたものをいい…」とあります。
2 「野州(やしゅう)」説
・「下野新聞 1969年10月2日」1面
記事名「県花に「ヤシオツツジ」」
県花に選定された理由の②に「俗に野州花ともいわれ、下野の“野州”にも通じ…」とあります。
・「朝日新聞 1988年9月23日 朝刊」栃木面
記事名「栃木県が開発の3倍体ニジマス、愛称はヤシオマス」
「選定理由は、(1)魚肉がピンク色で県花ヤシオツツジの色と合う(2)ヤシオは野州に通じ栃木県を連想させる…」とあります。
(参考情報)
調査の過程で、以下の記述を確認しました。
・『日本国語大辞典 第13巻(もんこ-ん)』(日本国語大辞典第二版編集委員会/編,小学館国語辞典編集部/編 小学館 2002)
p.95-96「やしお【八入】」の項に、「何回も染汁に浸してよく染めること」とあります。
p.96「やしおつつじ【八潮躑躅】」の項は、語源についての記載はありませんが、「八潮」の漢字が使われています。
また、p.96「やしお『名』」の項に、やしゃびしゃく(夜叉柄杓)の方言であるとの記載があります。
・『原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜 増補』(太田洋愛/絵,冨樫誠/文 誠文堂新光社 2005)
p.203「ムラサキヤシオツツジ」の項に以下の記述があります。
「『牧野植物図鑑』では「日本名紫八塩ツツジ 数回紫花の染汁に漬けてよく染めあげたツツジの意味」とあり、これもよく意味がわからない。結局、八塩が問題として残こる。」
p.212「アカヤシオ」の項に以下の記述があります。
「『新撰日本植物図説』牧野富太郎著(1901)第1巻(略)の第6図版に あかやしほ(異名あけぼのつつじ)(略)ここで牧野先生はアケボノツツジを、ひと思いにアカヤシホに呼び名を変えられた。」
・『栃木県方言語源辞典』(森下喜一/著 落合書店 2002)
p.411に、方言「やしゅー」は「八潮躑躅」を指す旨の記述があります。
栃木県中央部・南部地方で用いられているようです。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 方言.訛語 (818)
- 参考資料
- キーワード
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- ヤシオマス
- ヤシオツツジ
- 栃木県
- 方言
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 郷土 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000213601