レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年9月22日
- 登録日時
- 2019/02/28 14:49
- 更新日時
- 2019/07/05 16:19
- 管理番号
- 埼久-2018-104
- 質問
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解決
「いつしらで」「いつしらに」のような使い方のある「いつしら」の使い方を知りたい。
- 回答
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下記の資料を提供した。
『短歌用語辞典』(司代隆三編著 飯塚書店編集部編 飯塚書店 1993)
p57-58「いつ-し-か」の項の中に、「何時しか(副) いつのまにか。知らないうちに。「何時知らに」とも。」という記述があり、例として「薄雲に入れる白月ひとり打つ碁のいつしらに亡き父と打つ」という歌が挙げられている。
『現代短歌用語考』(安田純生著 邑書林 1997)
p55-60 「いつしらに」の章に「いつしら(に)」「いつしら(ず)」をとりあげて解説している。
「「知らに」は「知らずに」と同じ意である。したがって、「いつしらに」は、(中略)「いつとは知らずに」「いつか知らずに」の意で、「いつしらず」を古めかしく万葉風にいった語とも解せる。(中略)しかしながら、「いつしらに」を使用している作者のだれしもが、「しらに」の「しら」を「知ら」と意識し、「に」を打消の語と解しているかどうかは別問題である。(中略)「いつしら」が「いつのまにか」の意で使われているのは確かである。」
- 回答プロセス
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1 《Google》(http://www.google.co.jp/ Google)を〈いつしらで 意味〉で検索する。
2 参考図書を確認する。
3 自館目録を〈現代 & 短歌 & 用語〉〈現代 & 短歌 & ことば〉で検索する
『現代短歌分類辞典 第82巻』(津端亨編纂 現代短歌分類辞典刊行所 1983)
p120-121 「いつしらに」18首、p114-115 「いつしらず【副詞】」18首、p115-119 「いつしらず」47首、p121「いつ-しら-ぬ【名詞・動詞・助動詞】」1首あり。
4 《Japan Knowledge》(ネットアドバンス)を〈いつしら〉で検索する。
(1)『日本国語大辞典』きね‐うた 【杵歌】の解説・用例中に、「俳諧・新虚栗〔1776〕上「杵歌(キネうた)や御(おほん)衣の子よ痩(かじけ)〈物赤〉 いつしら波の有為をたそがる〈車萩〉」の記述あり。
(2)『東洋文庫[212]沖縄童謡集』
p134「(前略)潮騒の伝わる浜辺にころがって月の光に濡れていると、限りなくやさしい宇宙の神秘に包まれていつしらず心が豊かになる。(後略)」
(3)『東洋文庫[556]良寛歌集』
p9「(前略)それは真向より強烈に襲ひ来るものとは異り、しみじみと浸透しつついつしらず胸中の奥処に達してゐることに気づくといふ具合のものである。(後略)」
5 《現代俳句データベース》(http://www.haiku-data.jp/ 現代俳句協会)を〈いつしらで〉〈いつしらに〉〈いつしらず〉〈いつしら〉で検索する。
6 《和歌データベース》(http://db.nichibun.ac.jp/ja/category/waka.html 国際日本文化研究センター)を〈いつしらで〉〈いつしらに〉〈いつしらず〉〈いつしら〉で検索する。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2018年9月22日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 語源.意味[語義] (812 9版)
- 文章.文体.作文 (816 9版)
- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 『現代短歌用語考』(安田純生著 邑書林 1997) , ISBN 4-89709-222-1
- 『短歌用語辞典』(司代隆三編著 飯塚書店編集部編 飯塚書店 1993) , ISBN 4-7522-1007-X
- キーワード
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- 日本語-活用
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000252294