レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年04月03日
- 登録日時
- 2022/06/17 16:34
- 更新日時
- 2022/07/07 17:24
- 管理番号
- 奈県図情22-016
- 質問
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薬師寺から戦前の焼き物片の出土があり、なぜ薬師寺からそのようなものが出土するのかを調べている。西ノ京駅のすぐ東側、県道122号線あたりに赤膚焼の窯元があったという情報を得たので、それを確実に示すデータを探している。戦前から戦後にかけての地図を探したが、奈良市内中心部の地図ばかりで西の京駅近辺の地図が見つからない。現在、喫茶水煙や電気店がある県道122号線沿いは、一帯が田園地帯だったころから建物があったことは航空写真で確認できた。
赤膚焼が西ノ京駅付近で生産されていたことを示す情報源または西の京駅付近の土地利用について情報があったら教えてほしい。
- 回答
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古い住宅地図に、駅の真東、現在は薬師寺の駐車場になっているとエリア(地番だと西ノ京町368) に、「松田陶芸」があり、その後も赤膚焼作家である「松田正柏」の名前が見え、ゼンリン住宅地図の奈良市(または奈良市西部)に、「松田陶芸」が記載されているのは、[19]67年版から76年版までで、その後記載がなくなりますが、84年版から 88年版まで「松田正柏」と記載されています。
松田正柏については、飯島礼子「二代目松田正柏-新聞記事から見るその経歴-」(『奈良県立美術館紀要』32・34)があり、ここでも「近鉄西ノ京駅のすぐ東、薬師寺の塔頭・放光院との間に位置する形で二代目正柏の工房があった」とあり、また、掲載されている新聞記事から作成された年譜の戦時中には 「興亜茶碗」や「産業向き・実用向きの大量生産」といった記述が見えます。
- 回答プロセス
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・住宅地図で確認
喫茶水煙 西ノ京375
あらいでんき 374
・西ノ京のそれ以前大字名は都跡村大字砂
・『奈良県商工年鑑』が昭和二十三年のものからあり、年度によっては五条の赤膚焼窯元の名を記すものがあるも西ノ京(都跡村砂)の窯元名を記すものはなし。
・奈良県道122号 京終停車場薬師寺線
・611.6-29 奈良市都跡農業協同組合史 記載なし
・田中重久 [著]『西ノ京』 近畿觀光會1941 寺院歴史のみ
・『奈良西ノ京藥師寺案内記』薬師寺、1930 寺院内案内のみ
・石井潔『五条山治兵衛陶窯誌抄』1968 P34 「奈良県の商工」をひいて、赤膚焼の産地に西ノ京をあげる、但し人名に工人の名無しとする
- 事前調査事項
- NDC
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- 陶磁工芸 (751)
- 参考資料
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- 奈良県立美術館紀要. 32号, 2018年3月31日 (当館請求記号 706.9-38, 当館資料番号 311289984)
- 奈良県立美術館紀要. 34号, 2020年3月31日 (当館請求記号 706.9-38, 当館資料番号 311314054)
- キーワード
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- 薬師寺
- 赤膚焼
- 西ノ京
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 赤膚焼 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000317364