レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年11月04日
- 登録日時
- 2013/12/07 17:12
- 更新日時
- 2013/12/07 17:12
- 管理番号
- 相橋-H25-057
- 質問
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解決
タージマハルに使用されている草花文様とその由来について書かれている本を探している。
写真が掲載されている資料であれば好ましい。
また、日本の正倉院に同様の草花文様があるらしいが、その由来についても知りたい。
- 回答
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調査経過を伝えるとともに、①~③の資料を提供した。
- 回答プロセス
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オンラインデータベース ジャパンナレッジプラス(http://www.jkn21.com/top/corpdisplay 2013/11/04 最終確認)でキーワード“タージマハル”で検索した結果、次の情報がヒットした。
“タージマハル”
(前略)インドの代表的イスラム建築。ムガル朝第5代皇帝シャー・ジャハーン(在位1628~58)が1631年に36歳で亡くなった愛妃ムムターズ・マハルのためジャムナ(ヤムナ)川右岸に建造したもので、完成まで18年あるいは22年をかけたといわれる。(中略)これら建築の素材はすべて白大理石で、外側の石面には黒・黄などの貴石を象眼(ぞうがん)した装飾を施している。
”タージ・マハル”, 日本大百科全書(ニッポニカ), ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.jkn21.com>, (参照 2013-11-04)
以上の記述により、「タージ・マハル」はおよそ1650年前後にインドで作られたイスラム建築であり、素材は白大理石であることがわかった。しかし、文様に関する記述はなかった。
自館OPACでキーワード“タージ マハル”で検索した結果、次の資料が見つかった。
①『白亜の霊廟 タージマハル』 角川書店 (自館請求記号:D040165)
資料形態はDVDだが、タージマハルの映像が収録されている。
『タージ・マハル/アーグラ城』 講談社 2001 (自館請求記号:R519)
p8-9に草花の文様の写真が掲載されており、利用者に確認したところこれに間違いないとのことだった。
『世界100都市』 朝日新聞社 2002 (自館請求記号:TR290)
該当する記述は見つからなかった。
『インドを知るための50章』 明石書房 2003 (自館請求記号:R302)
該当する記述は見つからなかった。
市内OPACでキーワード“タージ マハル”で検索した結果、次の資料が見つかった。
『エクラン 世界の美術 3』 主婦の友社 1982 (相模原市立図書館請求記号:708)
p126にタージマハルの写真が掲載されていた。
『インド 週刊地球旅行 58』 講談社 1999 (相模大野図書館請求記号:T292)
該当する記述は見つからなかった。
自館OPACでキーワード“インド 文様”で検索した結果、次の資料が見つかった。
『装飾スタイル事典』 アレクサンダー・シュペルツ/著 東京美術 2001 (自館請求記号:R727)
該当する記述は見つからなかった。
『世界文様事典』 西上ハルオ/著 創元社 1994 (自館請求記号:R727)
該当する記述は見つからなかった。
検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2013/11/04 最終確認)でキーワード“タージマハル”で検索した結果、個人運営ではあるが、次のウェブサイトが見つかった。
イスラムアート紀行(http://orientlib.exblog.jp/10449207/ 2013/11/04 最終確認)
このウェブサイトに草花を模した文様の石柱や波型の文様の写真が掲載されている。また、次の資料の紹介があったので、神奈川県内公共図書館横断検索システム(http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/opac/CrossServlet 2013/11/04)で所在確認を行った上で取り寄せた。
②『ムガル美術の旅』 山田篤美/著 朝日新聞社 1997(海老名市立図書館請求記号:702/ヤ)
p203に白黒写真ではあるが、花や草を模した文様の写真が掲載されている。
正倉院に関連する棚をブラウジングした結果、次の資料が見つかった。
『正倉院の至宝宝物殿に眠る歴史の謎』 長澤和俊/著 青春出版社 2003 (自館請求記号:702.17)
「平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいはっかくきょう)」がカラー写真で掲載されており、一見したところ確かにタージマハルの文様と似通っている。p42の解説によると、この装飾はトルコ石やラピスを素材としており、タージマハルの装飾と共通点がある。
『正倉院宝物と平安時代』 米田雄介/著 淡交社 2000 (自館請求記号:702.17)
p54に平螺鈿背円鏡、平螺鈿背八角鏡のカラー写真が掲載されており、「背面に螺鈿・琥珀・トルコ石・ラピスラズリ(青金石)で装飾されている。」とある。
p57の解説に「中国から出土していることが知られるようになり、国産説は影を潜めつつある」とある。
『正倉院への道』 米田雄介/著 雄山閣出版 1999 (自館請求記号:702.17)
p132の「唐草文」の項目に詳しい解説があり、「その起源は古代エジプトの“蓮花文”とする説もあるが、世界各地から好まれた、波打つような“唐草文”を生み出したのはギリシアやローマともいわれる。(中略)これらの各種“唐草文”は仏教美術に取り入れられるなどし、さまざまなルートで中国に伝わり、変貌を遂げ、盛行する。」とある。
また、「はじめに」の項目に正倉院宝物の文様・色使いのルーツに関する記述があり、「西アジア、とくにササン朝ペルシアに行き着くことは大方の知るところである。(中略)インドや東南アジアの文化的要素も加味され、中国の伝統文化と融合されて形成されてたもので、世界性を多分に宿しているのである。」とある。
検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2013/11/04 最終確認)でキーワード“タージマハル 正倉院”で検索した結果、個人運営ではあるが、次のウェブサイトが見つかった。
写真でイスラーム(http://mphot.exblog.jp/3601278/ 2013/11/04 最終確認)
このウェブサイトに、タージ・マハル及びそこで使われているアラベスクに関する写真・記述がある。
また、次の資料による引用のコメントなどが掲載されている。
③『タージ・マハル』 アミーナ・オカダ/著 岩波書店 1994 (神奈川県立図書館請求記号:552.5CC/101)
p22に「イスラム文化では花はよく神の王国の象徴となり~(中略)花のモチーフを吟味すれば天国の暗示はことのほか明白になる」とある。また、「厳密な札右対象が顕著な花束を自然主義的手法で描くことに見ることができ、そこにはインドの外からの、もっと正確にいえば西洋からの影響が現れている。」と、文様の由来に関して言及した記述がある。
またタージマハルの壁面の花に関して、「(前略)その精神の源は15世紀遠方のペルシア線密画の縁に描かれたサファヴィー朝のモデル、あるいはティムール建築の花模様の装飾にたどることができる。」とある。
オンラインデータベース ジャパンナレッジプラス(http://www.jkn21.com/top/corpdisplay 2013/11/04 最終確認)でキーワード“アラベスク”で検索した結果、次の情報がヒットした。
“アラベスク”
原意は「アラビア風の」であるが、美術用語としては、イスラム美術に広範にみられる曲線的な装飾文様をいう。とくに、つる草のような優美な植物が絡み合った唐草模様をさすことが多いが、広義には、複雑に連続する幾何学図形、文様化されたアラビア文字をも含む。
”アラベスク”, 日本大百科全書(ニッポニカ), ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.jkn21.com>, (参照 2013-11-04)
- 事前調査事項
- NDC
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- 船体構造.材料.施工 (552 9版)
- 芸術史.美術史 (702 9版)
- 参考資料
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- 『白亜の霊廟 タージマハル』 角川書店 (自館請求記号:D040165)
- 『ムガル美術の旅』 山田篤美/著 朝日新聞社 1997(海老名市立図書館請求記号:702/ヤ)
- 『タージ・マハル』 アミーナ・オカダ/著 岩波書店 1994 (神奈川県立図書館請求記号:552.5CC/101)
- キーワード
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- タージ・マハル
- アラベスク
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000141626